親に人生を潰されるこどもたち

以前、ご主人が仕事に行くのが辛く辞めたくて仕方ないが転職したり退職したりは出来ない、というところから精神的に不安定になり家族に対して精神的DVを行うようになっている人の話を聴いたことがある。

仕事にはなんとか行ってはいるものの職場でも人間的関係のトラブルなども含めうまく行っておらず、そのストレスから家族に当たり散らすようになり、子供への影響もさることながら奥さん自体が常に非難に晒される状態で精神的に疲労困憊の状態に陥っていた。

医療現場で精神的な原因による身体症状を伴う場合、診察で客観的な異常所見が見られないと多くの場合は”ストレスによるものですね”と診断され、”ストレスがたまらないようにしてください”とほとんど意味のない助言をされそのままにされるか向精神薬を処方されるのがオチであるが、この辺に興味のある自分としては診察中に詳細に状況を聞き取ると非常にわかりやすい生活上の問題があることも多い。

そのような明白な問題が生活上にない場合でも、もう少し深く掘り下げて話を聴いていると本人がストレスの原因とは感じていない、生きていく中での大きな原因を見いだすことができることも多い。

このエッセーの中でもなんども触れているが、その中でも格段に影響力の大きいものは何と言っても両親との関係である。

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