ヒトに何かを頼まれると断れない

精神的に大きな不調を来し、社会生活に大きな支障を来しているという人たちの話を聞く機会がある。

このような中で比較的数の多い層として中年の女性というカテゴリーがある。症状としては様々で、パニック発作や過換気症候群のような比較的激しい症状を伴なうこともあれば、胸のつまり感や喉の違和感が取れない感じ、ふらつきなどのめまいのような身体症状、あるいは気分が沈んで動けない、朝起き上がることができない、不安が強すぎて苦しいという精神的な症状など多岐に渡っている。

中年世代の女性の多くはこのような中で、仕事、家事、子育てを続けることを強制され非常に辛い状況で日々を送っていることもしばしば見かける。

このような人たちのお話を聞くことがしばしばあるのだが、症状以外に幾つか特徴的な訴えがあると感じるようになった。

例えば自分の判断が不安で他人にこれでいいか聞いてしまう、あるいは他人がどう思うかが非常に気になる。あるいは職場の人の言葉が気になりどう思われているのかずっと考えてしまう。仕事に関するものであれば本人がボロボロな状態になっているのにもかかわらず自分が休むと他のスタッフに迷惑がかかってしまうので休めないというものも多い。

このような人たちに対して幾つか質問してみるようにしている。そのうちの一つが、今回の題名にある問いである。

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