ウルヴス戦からトゥヘルがもたらした変化

チェルシーvsウルヴスで就任2日目で試合を迎えるという本人も認めるクレイジーな時を過ごしたトゥヘルとチェルシーの選手たちだが、既に改革は始まっていた。0-0で終わったからといって決定力不足を指摘するのではなく、強くなっていくだろう要素を述べていきたい。

まずスターティングメンバーだがリュディガーやアスピリクエタが選ばれるなか、ランパード政権時に中心だったマウントやズマが外れた。ただチェルシーの選手は全員のレベルが高く誰が出てもおかしくない選手層のため、驚きは特にはなかった。

また、後に触れるがツィエフがトップ下でハフェルツが左サイドに配置された。

変化したのは
ボールポゼッション時のビルドアップ

ウルヴスは4バックから3バックに戻して比較的重心を低くしていたため、チェルシーがボールを持つ展開となった。Whoscoredのデータでもシュート、パス、タッチ数で倍以上の数字を残していることからチェルシーがボールを支配していたことがわかる。

12/15のウルヴス戦では同じシュート、パス、タッチ数のデータではほぼ互角だが少々下回っている。選手が急激に上手くなることは考えられないため、トゥヘルが仕掛けた変化によるものが大きい。

では何を仕掛けたのか?

今まではビルドアップ時に中盤の選手がCB間、もしくはSBの裏のスペースに落ちてボールを回す。この利点は技術の高い中盤の選手がDFラインでボールを回すためハイプレスには比較的強い。だが低い位置からボールを配給するため前線との距離が開く、そのためマウントやハフェルツがかなり低い位置でボールを引き出すシーンが多く見受けられた。
一方、この試合は左SBのチルウェルを高い位置でをとり、右SBのアスピリクエタはDFラインに残る可変型の3バックを使用する。これによりジョルジーニョとコバチッチが高い位置に残りゲームメイクが出きるようになる。また、ハフェルツやツィエフが落ちてくる回数が減ってくる。
こうして相手を押し込むことでパス数とポゼッション率の向上を実現している。

前線の選手の配置の整理

シュート本数もかなり多い数字を出している。中でもオープンプレーからのエリア内でのシュート本数は4本とチャンスを作れている数字だ。それも前線の選手たちがいるポジションをしっかりと整理されているからだろう。高い位置でチルウェルが左サイドのワイドのポジションをとることで、左WGのハフェルツが内側のレーンにポジショニングする。センターにいたツィエフは右にレーンを動かし、右利きのオドイが大外のレーン使う。ジルーはセンターで奥行きをとりながらボールを引き出す。

擬似的に3-4-3を作ることでランパード監督時に起こっていた、選手たちのアドリブ的なポジショニングで同じレーンでのバッティングを防ぎながら、スムーズにチャンスを多く作り出していた。これによってシュート数は増えたといえるだろう。

今後のトゥヘルに、、、

とはいえ、ゴールを奪えなかったのは事実で勝つためには必ずゴールが必要であり、その事実をトゥヘルがどのように受け止め更なるアップデートしていくのは見物である。
混沌としたプレミアリーグで今後トゥヘルがどのようなサッカーを見せてくれるかに注目していきたい。

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