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20年前のドラマ

花粉症の薬を飲めば、不快な症状はほぼ抑えられるが、目はしょぼしょぼ、頭はぼんやり、今ひとつヤル気も元気も湧いてこない。

そんなときには、決して無理をせず、無心になるに限る。

というわけで、午後のひととき、撮り溜めていた再放送ドラマを観ることにした。

『はぐれ刑事 純情派』
主演は今は亡き藤田まことさん。
1話完結の刑事ものだ。
1988年4月から2009年12月まで、スペシャルを含め全444話制作された長寿番組である。
(Wikipedia調べ)

リアルタイムで観たことはないけれど、再放送でたまたま観て、すっかりハマってしまい、家事の合間に毎日観ていた時期がある。

今またBS朝日で、毎朝9:00から放送されていると知り、懐かしくなって、何話か録画していた。

血腥いシーンが少なく、藤田まことさん扮する安浦刑事は温厚な人情派。
犯人に対しても、声を荒らげることは殆どない。
安心して観ることができるドラマだ。

冒頭に、「2003年にテレビ朝日系列で放送されたものです」というテロップが出てきた。
約20年前のドラマということになる。

今回観たのはこれ


この回の主役は若夫婦で、今では珍しくなった外階段の木造モルタル二階建てアパートに住んでいる。
畳の部屋に襖。
板の間の台所にはレースの暖簾が掛けてある。

夫役は、元光GENJIの大沢樹生さん。
アイドルにしては強面で、やさぐれた雰囲気。
見るからに悪そうな元チーマーの役。

チーマー!
今では完全な死語だ。

妻のおばさん役の人が、若い女性刑事に向かってこういう。
「あなた!子ども産んだことないでしょう?だからなっちゃんの気持ちがわからないのよ」

このセリフ、いくら同性同士でも、今ならハラスメントでアウトだ。

夫が疑いをかけられ、マスコミ関係者に取り囲まれるシーンで、ウッチャンナンチャンの内村さんがチョイ役で出演している。
(調べたら何かの企画だったらしい)

若手の刑事役は賀集利樹さん。
最近この人は見なくなった。

それにしても、CMがやたら長い。
朝っぱらから、再放送ドラマを観る人をターゲットにしているようで、中高年向けのサプリメントや増毛のCMばかり。

このドラマには、パソコンもケータイも出てこない。
科学捜査もない。

暴力シーンも流血も少なめ。

そのうち刑事ドラマも、AIが解決してくれるようになるのだろうか。

そんなドラマは面白くもなんともない。
つまらない未来になりそうだ。

最後のシーンは安浦刑事の自宅での団欒風景。
安浦は娘2人を男手ひとつで育てている。
しかも2人とも亡き妻の連れ子。

次女は玉ねぎの皮ダイエットをするために、逆に玉ねぎ料理を食べ過ぎてしまう。

「食べ過ぎじゃないの?」
と家族に指摘されて、  
「ダイエットは明日からにするわ」
という使い古されたオチで終わる。

平成のドラマなのに、昭和の香りがした。



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