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引き下がれなくなった時

学生時代の話です。
先輩の影響を受け毎日のように油絵を描いていました
スケッチをする時も2枚のキャンバスをクリップで
止めて持ち歩き、現場で油絵を描くという現場主義。


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使うのは小判型のペインティングナイフがほとんどで
それでデコレーションケーキにクリームを塗るように
動かすと画面が刺々しくならないという方法でした。

厳寒期の快晴となったある日、先輩から
「スケッチに出かけるぞ。」と言われました。
快晴の日は放射冷却という現象が起きるので、
マイナス20度近くになるのが普通ですが
逃げるわけにもいかず渋々出かけることにしました。

少し離れた公園で画材を広げ描き出しましたが
この寒さで30分も描いていると指の感覚もなくなり
近くの喫茶店に飛び込みました。
ナイフを握った指はなかなか元に戻らず30分経過。
雪を油絵具に混ぜられることを知った日でもありました。

壺4



ちょっとミニチュア陶器はお休みして‥‥‥
先日、旧来の知人から焼き物が持ち込まれました。
十数年ほど前に陶芸教室に通っていた時に作り
陶芸市で販売していた頃のものでした。
気に入って毎日色々な飲み物に使っていたのだとか。

タンブラー型の大きめの器なのですが
口元が欠けてきたので修理できないかとの話です。
見てみると思いっきりかけた部分が1カ所と
小さな欠けがいっぱいできていました。

化粧土を掛けた器によく見られる欠けなのですが
小さい欠けだと透明釉を厚めに筆塗りするだけで
割合簡単に修理できることがあります。


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ところが今回は3ミリ程の大きな欠けだったので
できれば盛り上げた方がいいかと思い
フクロウランプで使った蛍の粘りのある釉薬を
使った方がいいのではないかと思いつきました。


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自分の使っているコーヒーカップも欠けがあったので
同じように釉薬を塗って焼いてみることにしました。


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結果は、自分の物はきれいに欠けが直ったものの
預かった器の大きな欠けは思ったようには埋まらず
さらに片側に引っ張られて片寄っていました。
この失敗を取り戻すべくまた別の方法を考えないと
治ると言った手前引き下がれなくなってしまいました.

   🦉    🦉    🦉

    💙  🇺🇦も引き下がらず頑張れ 💛

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