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「変わるか旭川市政」記事の補足(3)

「インタビューに関する補足」3回目です(全4回予定).今回は評価できる点としてお話した内容です.また,コメントを求められた「旭川大学新キャンパスの立地」と「電動キックボードについて」も掲載しておきます.

評価できる点

行動力と情報発信

今津市長はいろんな活動に市長が率先して行動を起こすことは,市民へのメッセージを強く打ち出すという点では評価できます.いろんな物事に取り組む際,言葉での約束だけではなく,行動で示すことはその物事に対して積極的に取り組むメッセージになります.

内容への賛否は別として,例えば7月に「ユネスコ創造都市ネットワーク総会」に参加するために,自らブラジルへ出張しました.それは,関係者や市民に対してこの課題は優先事項が高いことを示し,なおかつ積極的にかかわるというメッセージになります.そういった行動によってメッセージを示す姿勢は政治家として重要だと考えます.

情報発信も全姿勢に比べれば市役所全体としても増えたように感じます.市長が発信するだけでなく,役所全体が情報発信を重視するようになったように感じられます.

また,記者会見などを積極的に開き自分の主張を発信することも増えていると感じています.その内容によっては批判を招くこともありますが,市長の政治姿勢として一貫しているといえます.ただ,一方で議会に諮る必要があるであろう事柄などを先に発表し,議会と軋轢を生む要因にもなっているところは注意が必要である.

市役所内の仕事の仕方の見直し

(2)でも触れましたが,市長の交代に伴う業務の見直しは組織的にはよいことであると考える.

前市長の姿勢が14年続き,硬直化していた人事や慣例化していた業務について,結果として同じように行われたとしても,その過程が再確認されたり,これまでとは異なる観点から見直されることは,市役所のような縦割りでピラミッド型の組織では定期的に行われる必要がある.

旭川大学新学部キャンパスについて

物理的な制約の話を別とすれば,どの場所に設置するのかは新学部での教育・研究活動がどのように運用されるかの議論が本質だと考えます.まず,どこに設置するかではなく,どんな学部とするのかの議論が必要です.

大学であることを考えれば,単純に,学生がまちなかに出てくれば消費拡大やアルバイトの確保が見込まれる,賑わいが出来るという話は副次的な効果です(それはそれで重要ですが).

例えば,学生や教職員が中心市街地を主なフィールドとして活用した教育・研究活動を進める学部であるならば,中心市街地とシームレスに繋がれる場所へのキャンパスの設置や構造にすることは重要度が高くなります.また,中心市街地以外の地域をフィールドとすることを想定しても,旭川市内の交通の便を考えると,中心市街地からは市内他地域へのアクセスもしやすく,中心市街地への設置は一定の合理性があると考えます.

学生募集という点でも中心市街地にあることはメリットです.先の話と被りますが,市内の地域間の交通の便はあまり良くないため市内各地からアクセスが確保しやすい場所にあることは利点です.旭川駅からのキャンパスへのアクセスが良ければ市外からのJRでの通学のハードルが下がります.より多様な学生の受け皿になれるという点では公立の大学として重要だと考えます.

ただし,最初にも述べたように,今ある資源や予算などの物理的な制約やこれまでの地域との関係性があり,それらも最大限活用できる形にしなければ大学の混乱や教職員の負担は増し,学生の利益にもならないでしょう.

買物公園通り電動キックボード導入について

「面白さ」というものはあると思います.ただし,目的が分からないと評価はしようがないと思われます.例えば,観光客などの買物公園通り内の移動をスムーズにするための手段として,通り内にスポットを何カ所か設けてどこでも乗り降りすることが出来ると,公園内移動の利便性は上がると思われます.

他方で,飲酒運転や事故の問題は当然発生するでしょう.現在の買物公園通りの運用法では,曜日や時間帯によってはそれなりの危険性もあるので,啓発活動と同時に記事(注:道新の記事を見せていただいてコメントしたので)にもある専用道路の設置などが必要になると思います.

また,祭などの大きなイベントがある際は利用が難しくなると想像できます.日常的な活用のイメージが必要でしょう.政策として実施するならば,これからの買物公園通りをどのような場とするのか,その中で電動キックボードがどういう位置づけなのかの一体的な議論が必要だと考えます.その中には当然,現在禁止されている自転車はどうするのかも含まれるでしょう.

この取り組みを成功させようとするならば,買物公園内の事業者の日常的な活用の意志と積極性・イメージをしっかりと持つことが不可欠です.土壌をきちんと作ることが出来るかどうかが鍵になると考えます.

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