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BMW M135i日記(番外編):EVが広がらない理由

 電気自動車(EV/BEV。プラグイン・ハイブリッドなどがを除く。以下「EV」)の伸びが進んでいないようです。海外の事情を知ることはできていませんが、そりゃそうだと思っています。EVに乗った経験がありませんが、日産のe-POWERでモーター駆動の良さは知っているつもりです。
 なぜ伸びが進まないかの自分なりの分析です。

車の進化:航続距離と充電場所

 残念ながら、化石燃料を使う車と比較して、航続距離は短く、充電場所も貧弱です。補助金も出ているようですが、それで作った施設が老朽化し、メンテナンスがされていないため使えないという事例もよく聞きます。カネ出せばいいだろという悪い補助金の典型例でしょう。
 これはニワトリと卵の関係なので、いずれにせよ充填場所を増やさなければ、EVが増えないという悪循環に陥ること必定です。

持ち家かつ戸建てであることが条件

 EVへの充電場所、メインはご自宅等、車両の本拠地(≒車庫証明の場所ですが、主観にもよります)になろうかと思います。
 業務用はさておき、本拠地にはコンセントが必要になります。賃貸や駐車場を借りている方は、そこにコンセントを設置するのはなかなか困難になるのではないかと思います。
 持ち家だとしても、マンションであれば、駐車場は共有財産。平置きであろうが機械式であろうが、管理組合を説得してコンセントを設けるのも、面倒でないかと感じます。
 そうすると、EVを持てる条件というのは、持ち家でかつ戸建てであることが条件です。三大都市圏を中心としたエリアでは、なかなか恵まれた条件でないとEVは持てないのではないでしょうか。

筆者は、現住所は賃貸物件、三大都市圏に持ち家はありますが、マンションかつ機械式駐車場です。 

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マーケティング戦略:都会より田舎

 EVメーカーの戦略って、どちらかというと田舎より都会だと感じますが、個人的には逆です。前述の条件をクリアできるのは、「都会」ではなく「田舎(地方都市の総称として)」じゃないかと感じています。なぜなら、

  • 持ち家比率も高いし、そうなるとマンションではなく戸建てになりがち。

  • 車での通勤比率が高い。勤務先まででなくとも、駅まで車で行き、そこから列車という人も。

  • 街中の充電場所を頼らずとも、家に帰って充電すれば済む。

  • 働く家族の分だけ車を持っていることが多い。化石燃料車は家族での遠出、EVや軽自動車は通勤・日常車両という使い分けも可能。

 以前住んでいた富山市は、まさにこの好事例です。加えて言うなら、シェアサイクルも活用できますし、運転代行やタクシーもそれなりに競争力があります。筆者自身は、好事例として取り上げられる路面電車の沿線に住んでいたので、ふだんは車、中心市街地にお出かけする(呑みに出掛けるを含む)のはシェアサイクル+路面電車、呑んだ帰りは徒歩、タクシーなどという役割分担が明確でした。

富山市のシェアサイクル。(広告はYouTube「 #富山の遊び場 !TV 」のコラボ)
ちなみにトップ画面は、富山県の「舟川春の四重奏」です。

 今住んでいるエリアは、コロナ禍の影響を受け、夜間にタクシーが2~3台しか稼働していません。最悪の場合、30分弱歩いて帰ることも選択肢です。
※ 行きはバス、私用自転車、タクシー(出掛けるときはまだ台数がある)、徒歩を適宜活用します。
 富山の実体験があるので、「都会」のシェアサイクルや、電動自転車のシェアリングサービスには正直懐疑的です。

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マーケティング戦略はあるのか?

 富山市や現在住んでいる和歌山県の地方都市でも、カーディーラーがEV推しであるかは疑問です。確かに、M135iを購入したディーラーは、BMWのEV車も販売していますし、コンセント設置も負担するようです。とはいえ、賃貸等の条件まで踏み込むとは思えません。
 もちろんマーケットとして三大都市圏、八大都市圏が分厚いのは分かりますが、EVを社会実験するなら、地方都市でEVを売るというマーケティングがあってもいいのではないでしょうか。

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