海森塾

歯科医師過剰とは言うけれども既に淘汰は始まっているというお話

現在、歯科医はかなり過剰供給と言われています。
よく引き合いに出されるのは、コンビニの店舗の数。
結構言われます。
『歯医者ってコンビニより多いんでしょ?』

こんにちは、けーしーです。

そうなんです。多いんです。
でも、だからなんなんでしょう。
確かに町中を歩いてみると、通りを歩いていればまた歯医者、また歯医者…
多いです。
じゃあ、皆さんはどこの歯医者に行きますか?
これはもう、外観か人づての2つしか殆ど無い。
人づてはネットも含みます。
古ぼけた歯医者に皆さんは行こうと思いますか?
昔からやっているとある筋の権威なら、外観が古くても口コミや紹介で患者は来ます。
でも、古くからやっていて、ただ普通に歯医者を続けられていたところは、あとは患者、あるいはその家族を見るだけ、新患が増えない。
消化試合をしているだけとなっていることでしょう。

なので、店舗、医院、箱としての歯科医院は、淘汰されていくと思います。

次に医院の質

平成26年3月31日に、一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針という資料が出ました。
その中に、質疑応答のようなものが載っていました。

『歯科診療時の手袋は、すべての症例で使用し、かつ患者ごとに交換するほうが院内感染を防止することができますか?また、衛生士や助手も手袋をしたほうがよいでしょうか?』

『使用したハンドピース(歯を削るいわゆるドリル)は、患者ごとにオートクレーブ滅菌するほうがアルコールなど消毒薬を用いた清拭よりも、院内感染防止に有効ですか?』

こんなことを恥じることなく聞けちゃう歯科医がまだまだいるんです。
ぞっとする。しかも、ハンドピースを患者ごとに滅菌している歯科医院は平成24年で3割、現在でも5割程度なんですって。
そんな歯医者、歯科医院がまだまだいる、あるんですね。

先日当院に来た患者さんにも、
『とある歯科医院に行ったんだけど、素手で触るからやめました』
とおっしゃってた方がいました。
歯科医なのに、医療従事者なのに全くそういうところを考えていない。
そういう歯科医・歯科医院は今後患者の信頼を得ることが難しくなっていくでしょうね。

次に歯科医そのものの人数。
これは、国家試験レベルで門が狭くなっていってます。
合格率6割。
でもこの実態を一般の方は知らないでしょう。
私立歯学部は、合格見込しか国家試験を受験させないところが多いという事を。

どういうことかというと、例えば、とある歯学部1年生150人。
6年生になると200人に増えています。
6年生で留年した学生が50人いるということです。
この50人は、国家試験を受験させても受からないと判断され、留年させられたのです。
私立歯学部は、大学受験で自分の学部を受験してもらうために、評価として、国家試験合格率を掲げざるを得ない。
少しでも下げないように、不合格になりそうな学生は卒業させないということをしています。

ただ、これの何が問題かというと、それでも全体の国家試験合格率が6割なんです。
単純に、国が6割くらいになるように、合格者人数を絞ってしまっています。
なので今後歯科医はまた全体的に少なくなっていくものと思われます。

このブログ?noteは基本的に、一般の方向けではなく、歯科学生・新卒、若手に向けて発信しています。一応一般の方でもわかりやすく書いているつもりですが。
なので、若手歯科医の皆さんに言いたいのは、
まだまだこの業界は希望が持てますよ!
というお話でした。

臨床経験5年の歯科医師です。研修医や若手歯科医師に向けて、何か伝えられることは無いかと日々自分を省みながら発信していきます。