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「感じたままの瞬間を、好きなようにうつす写真」とは?

note主催のイベント、「スマホで撮れる、最高の夜景写真セミナー」に参加してきました。

写真をとる『楽しさ』と、google Pixel 3の『すごさ』を体験したあっという間の2時間。美味しかったご馳走をもう一度味わうような気分でレポートをまとめたいと思います。

「風景」と「妻」をとる、横田裕市さんについて

イベントではまず、写真家の「横田 裕市(よこたゆういち)」さんのお話から始まりました。
なんと、この日のために横田さんが用意したパワーポイントのスライドは100枚以上!短い時間の中で、写真を撮る楽しいポイントがたくさん詰まっている充実した内容でした。

まず、横田さんのプロフィールですが、

国内外の風景を撮影する写真家 / 妻を撮る愛妻家 / 1985年福島県郡山出身 / 2016広告写真採用 / Lovegraph / IPA2016ネイチャー部門1位、他国内外の賞を多数受賞
(twiterプロフィールより抜粋)

「妻を撮る愛妻家」という部分がアツアツです。スライドでも奥さまの写真がたくさん出てきましたので、このプロフィールを拝見して納得。身近な愛する人を撮るカメラマン、素敵ですね。

数多くの賞を受賞されていますが、その中でもすごい!と思ったのは、2016年8月に自身のiPhoneで撮影した写真がAppleの広告作品として起用されたということ。

この記事にあるのですが↓

この大きな看板の写真が、横田さんがiphoneで撮影した写真だそう。
スマホの写真でもこんなに素敵な写真が撮れるんだ、とプロフィールから一気に引き込まれました。

センサーサイズが大きければ大きいほど、きれいな写真が撮れる

そんな話の流れの中、横田さんは「センサーサイズ」の違いについて説明してくれました。センサーサイズとは、デジタルカメラの固体撮像素子(イメージセンサーともいう)のサイズ規格のひとつ。

こんな感じで、それぞれのカメラでサイズが違うのだ。

フルサイズ:36.0mm×24.0mm
APS-C:23.6mm×15.8mm
マイクロフォーサーズ:17.3mm×13.0mm
1インチセンサー:13.2mm×8.8mm
1/2.3センサー:6.2mm×4.6mm
の5種類があります。

この図を見るとわかるが、「スマホ」がフルサイズの大きさに比べてとても小さいのがわかる。フルサイズの半分以下・・

センサーサイズが大きいと、なにがいいのか?
一言でまとめると、『きれいな写真が撮れる』のだ。
光を大きく取り込めるので画質がよくなり、ダイナミックレンジ(信号の大きさの範囲を表す指標)が広くなって白とびや黒つぶれしにくく、色彩がきれいに表現できるんだそう。
たとえば、身近なシーンだと、夕暮れや夜景を撮影するとき。
夜は光がすくないので、スマホだと白とびしてしまう。例えばこんな感じに。

ぼやーんとしてしまうのだ。これはスマホだと、センサーサイズが小さく暗いところでは、光をとりこむことができないということ。スマホで夜景をなかなかきれいに撮れないのは、「センサーサイズ」が大きな違いなのかぁ。

がっかりしていたところで、次に、今日からあなたもスマホできれいな写真を撮影できる「コツ」について教えてくれました。

(1)構図の要は”グリッド線”
スマホで撮影するとき、「グリッド線」の設定ができるのだ。

画面上に出ている縦や横の線に合わせて、とりたいものを配置したり、
線と線の交差点に配置することによってバランスのとれた写真がとれるのだ。

たとえば、真ん中に配置してみたり、


縦の線に合わせてみたり、

と、簡単に実践できる。

ちなみに、葛飾北斎の「富嶽三十六景」はちょうど交点(線と線が交わる部分)に「山(高いもの。波や富士山など)」がきていて、これは最も美しいと感じる構図なんだそう。

構図・構図って、プロの感覚的なものかと思っていたけどちゃんと理論があるのだということがわかって嬉しい気持ちになった。

(2)王道の基本構図をまなぼう
写真には色んな構図があるというお話。

真ん中にドンとものを置く「日の丸構図」、



「二分割構図」、


「三分割構図」、

「放射・三角構図」、

そのほか、「トンネル構図」「サンドイッチ構図」「フィボナッチの黄金比」など教えてくれた。

この中で、一番わかりやすくてすぐに実践できそうなのは「二分割」や「放射・三角」だと思った。
二分割は、「シンメトリー(左右対称)」とも言えて、調べてみると古代ローマや古代エジプトなどの彫刻にはシンメトリーが多用されていたのだそう。古代から美しいとされている技法なのかもしれない。そうだとしたら間違いない!

「放射・三角」は少し意識するだけでできそうだし、それだけで奥行きのある、立体感のある写真になる。

横田さんが前にtwitterで構図のアドバイスをしていたので引用します↓


横田さん曰く、「見て美しい写真には構図がいくつか混じっているのだ」という。

なるほど、こうやってみると面白いし、勉強になる。
構図の部分は、スライドも多めで、手厚めに喋っていた印象をうけた。
これからは、プロの写真を「構図」視点でみると、自分の写真も変わってきそう。

(3)光と影を意識する
平面的で、ぼんやりしている写真はありませんか?私はたくさんあります。
「光と影」とうまく付き合うことで、被写体が生きる写真が撮影できるのだ。

例えば横田さんがtwitterにあげていたこんな写真、

影のなかに光が差し込んだ写真は、光と影のコントラストが強めで奥行のある、立体感のある写真に。確かに、レタッチの必要なし。

昼は光が強すぎなので、朝や夕方の光がいいんだそう。
また、季節にも特徴があり、夏の光はかたく、冬の光はあたたかい。

これは、横田さんが同じ時刻・場所で撮影した2種類の写真。

光のあたりかたでこんなに違うなんて・・。
びっくりです。

(4)線を意識する
写真をとるとき、「面」でとると奥行きが感じられない平面的な写真に。

たとえば、公園のベンチを真上からとった写真↓

「線」を意識して、真横からとった写真↓

たしかに、放射線を意識してとると、奥行きが出る。
ここにメインにしたい被写体があれば、映えるようになり、メリハリのある写真になる。

(5)その他、ちょっとしたコツなど
これ以外にもたくさん教えてくれました。

・作風を統一するには、オリジナルのプリセット(設定したもの)をもとう!
・夜に撮影するときには、AE/AFロック。露出補正してからタップするといい。被写体側では、顔のよこにスマホ画面をもって明るくすると、カメラが反応して顔がきれいにとれる
・動いている人をとるときは、被写体をタップしてAFをあわせてからバーストモードで撮影
・人をとるときは、被写体の腰の位置にかがむと真正面からきれいにとれる

などなど。

すぐに実践できそうなものばかりでお腹いっぱいの内容でした。

「構図」は慣れるまで時間がかかりそうだけど、その他はすぐにできそう。

横田さんの講義内容に満足したあとは、GoogleのPixel 3の魅力を、開発者の話を聞きながらフォトウォークで堪能したのでご紹介します。

Pixel 3のここがすごい!
① AIによる自動で補正してくれる機能がハイレベルすぎる!

まず、この写真をみていただきたい。

この、圧倒的なきれいさ。
Pixel 3は今までカメラマンさんたちが、三脚をたて、何枚も撮影し、パソコンに取り込み、フォトショップで加工し・・と何時間もかけてつくりあげていた写真を、わずか数秒で同じレベルのものが撮影できてしまうのだ。
AIが何十枚も撮影したデータの中から、それらを合成し、カラーバランスがいいものを選び出してくれている。
AIって、今まで身近に感じられるようなことはなくて、なんとなく「人間を支配する技術」というこわいイメージがあったのだけど、この1枚の写真でその技術の革新性を見せつけられ、カウンターパンチをくらった感覚。

さらに拡大してみると、奥までしっかりうつっている。

赤い光までちゃんときれいに色がはっきり、ぼやっとしていない。素晴らしい繊細さ。

メインのカメラ(外側についているカメラ)は1,200万画素と、そんなに高くないけど、このスペックを上回る処理能力がすごいんだそう。
1枚で心をわしづかみにされました。

➁ 夜景やポートレートがすごい

暗いところでも、こんなにきれいに。

背景の写真のみならず、人もくっきりうつっているのだ。

ポートレートは背景ぼかしや、顔レタッチ機能がついている。人だけではなく物撮りもできる。

背景ぼかしができるのって、とっても「プロっぽい」ですよね。

ポートレート機能では肌をソフトにうつすなど美肌機能もついている。
また、解像度の高いデジタルズーム機能もついていて、遠くの写真もきれいにとれるらしい。単眼でこの機能は素晴らしいようだ。

➂ 自撮り棒いらずの「デュアルカメラ

Pixel 3には、180度以上の広角のインカメラ(内側についているカメラ)があるので、大人数での撮影もできる。広角ボタンを押すと、ぐぐっと広角になる。

大人数で撮影しても端っこのひとは切れることなく、自動ではいるようにぐぐっと調整してくれる。
(実際に撮影すると画面がすこし動いたあと端っこの人の歪みが解消されるのですが、その様子をみてみなさん「おぉー!」と湧き上がっていました。そのくらい、すごいんです!)

自撮り棒でとったような、奥行き感のある写真もとれるのだ。

④ Googleレンズですべての情報をゲットできる

Pixel 3に搭載されている「Googleレンズ」を起動して、友だちが身に着けているものや、置いてある商品をうつすと、その商品に関係する情報やWebストアなどが表示されるのだ。
連絡先や場所、経路検索へのリンクもわかるほか、分からないお花やポスターに出ている芸能人の名前、すべてわかる。
これはまるで、「ドラゴンボールに出てくるスカウター」のようだと思った。ビビビッとその人のスペックを調べることができる。

さらにすごいのは、翻訳機能もついているほか、名刺を撮影すると連絡先へ登録できたり、イベント内容を撮影すると、カレンダーに登録出来たり・・。

予想はしていたけど、まさかこんな時代がくるなんて!びっくりです。

➄ 手触りへのこだわり

イベントの帰りにいただいたGoogleのパンフレットには「手触り」へのこだわりが書いてあった。

私たちは、製品を使う時のことはもちろんですが、使わない時のことも考えます。物として触れたり、掴んだり、握りしめたり。だからマットな表面とグロッシーな表面の間にある繊細さに向き合い、Googleらしい手触りを探求しました。
(パンフレットより抜粋)

実際、Pixel 3を持ったときに「持ちやすい!」と感じました。

GoogleはPixel 3を開発するにあたり、いろんなパターンを並べて、試してを繰り返したそう。スマホは毎日の生活に欠かせないもの。ハードウェアは「目立つべきもの」ではなく、「日用品のひとつとなり、生活に溶け込んでいくことでテクノロジーやAIは普及していくもの」という考え方でつくっていると書いてあった。その内容をみて、今まで遠いとおもっていた「AI」の技術を、今回のPixel 3で身近に感じることができた理由がなんとなくわかった気がする。

そうか、デザインというのは機能性だけではないのだ。

➅ 無制限でデータ保存ができる!

長くなってごめんなさい、まだあります。
Pixel 3は元の画質の写真や4K動画をすべて保存できる無制限のオンラインストレージ「Googleフォト」を無料で利用できるというのだ。
もう一度いいます、元の画質の写真や4K動画を無制限&無料で保存できる
これは、写真や動画をとりまくれる!ということですね。

その他、「キッチンで使用している人も手を汚さずに起動できる機能」など、かゆいところに手の届いた細かな機能が盛りだくさんらしい。

ほ・・ほしい。

さいごに

今回、はじめて写真系のイベントに参加しました。
横田さんの講義や、Googleの方の説明、一緒に参加した仲間たちと交流する中で感じたのは、写真がうまくなる秘訣はテクニックやカメラのスペック的なことも重要だけど、一番大事なのは『感じたままの瞬間を、好きなようにうつすこと』なのかなと思った。
スマホが普及して誰もがいつでもどこでも自由にとれるようになったいまだからこそ、大事なのは、人にどう見られるかを意識するというより、自分が楽しいと思ったこと、写したいと思ったその瞬間を大切にすること。それを積み重ねていけば、自然と「うまい」と言われる写真になるかもしれないし、それを後押しするツールとして、スマホなどのカメラを使い、構図など基礎的なことを勉強したりしていくのが上達への近道なのではないか、と思った。
今回、実際にPixel 3で撮影したときはすごく楽しかったし、「きれいに撮れる」ということがハードルを下げてさらに欲をかきたててくれ、何気ない日常の風景がすべてフォトジェニックに見えた。イベントが終わってからも、横田さんから習った方法で写真をとってみて、新たな発見がたくさんある。

純粋に、楽しみの幅が広がったようだ。

写真について、原点に立ち返るとともにたくさんの学びがあるイベントでした。主催してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

※今回のレポートで使用している写真は、noteさんに許可をいただいたものや、自分で撮影したもの、ピクスタの写真を使わせていただいております。


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