見出し画像

これが私の「カドタ・アニメ・プライオリティ」

C

見る前まではタイトルすら知りませんでしたが強い薦められました。ドラマ界隈で有名な野島伸司が脚本に携わってるだけあって良い意味でアニメっぽくなかったです。序盤はサクサク見進められました、終盤は見終わってすぐに考察サイトを開くぐらいには混沌が散りばめられていました。

感想

14歳の少女・大戸アイは、深夜の散歩の途中で出会った謎の声に導かれ、「エッグ」を手に入れる。
「未来を変えたいなら」
「今はただ選択して」
「さぁ、自分を信じて――」
「エッグを割れ――」
「エッグ」を割った先で、アイを待つものとは・・・。

「ワンダーエッグ・プライオリティ 公式サイト」より引用 

まず最初に褒めるところは、作画の美しさ。瞳の新鮮感も去ることながら、直線的に描かれることで中学生女子の身体ラインの解像度がめちゃくちゃ高い。悪いことなんかしてないのに見てしまった背徳的な気持ちになるぐらいには高いです。セリフの言い回しも絶妙で青沼ネイルの設定はぶっとんでましたが、主要キャラが大人すぎずに中学生でした。

序盤は「エッグ」を割ることで巻き込まれる戦いがメインで描かれます。割る描写が頻回に出てくるので吉野家でねぎ玉牛丼が来た時に卵を床に向けて割りそうになったのは公然の秘密です。そこで出会う的はいじめ、教師のパワハラ、痴漢、自己顕示欲の暴走などの少女達が向き合わなければならない現代社会の問題がモンスターとなって具現化されて皮肉が効いていました。それをそれぞれのキャラがぶった切っていくのは痛快で面白かったです。

「エッグ」との出会いを経て各少女達が成長していく姿が丁寧に描かれていたのも良かったです。川井リカと母親の瓦解が好きでした。完全な仲直りではなく、ほんの少しの心の持ち方を変えただけで着地したのは、自分を守りながら、家族という永遠に切っては切り離せない呪いを解呪出来ていて素敵でした。

問題は終盤。めっちゃテンポが悪い。8話に唐突に挟まれたダイジェストは完全に尺稼ぎ。それに話自体もかなり難解になってくるのもキツイ。エヴァみたいに振り切ってくれてたらまだ受け入れられるけど急に抽象的な話が始まるのは準備がいる。それに特別編の尺も長すぎる。放送間隔が空いていたが故ではあるが完全に蛇足。中盤までは1話完結でテンポよく進んだのでより悪目立ちしてしまっていました。

良くも悪くもアニメっぽくなかった本作品。自分は完刺さりまでには至りませんでしたが、クセがあるので人次第では大いに沼にハマれる作品なのではないでしょうか?卵を床に割るのだけは注意するようにしましょう。多分誰も出てきませんし結構怒られると思います。




この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?