真夜中が少しだけ素敵に見える魔法
S
年末ということもありパソコンのデータを整理してるとこのレビューがでてきたのでここで公開しておきます。おもにエモエモ全開だった13話をメインで書いています。去年の作品ですがめちゃくちゃにおもしろかったです。夜は人をどうかさせる作用がありますね、というか夜に活動してる人間がどうかしてるのかもしれません。鶏が先か卵が先か問題に似た感覚かもしれません。とりあえずめっちゃおもしろかったです。
感想
以下は当時の手記をそのまま引用。今までの文体とはかなり異なっているのはご了承下さい。
こっからはネタバレありです。注意してお進みください
ハツカさんが実は男だと知って驚くコウ。そんなコウはハツカに問う
このコウのセリフのあとに言葉につまるハツカ。このコウのセリフはパンチが効いている。好きでやっているのか、やらされているのかの境界線は曖昧。最初はただ好きでやっていた事、しかしそれの継続は周囲に「〇〇をする人」という印象を生み出す。その周囲の印象が自分の行動を作り出しているのかと錯覚してしまい「やらされている」感覚になった人は少なくないかもしれない。そのように大きく違っている考え方でも距離はかなり近いところにあるのである。そこから言葉に詰まっていたハツカの回答
この発言は2つの考え方の中点的なところに存在している。ハツカは「似合う」という周囲からの印象から女装を「やらされてる」現状を「楽しむ」ことで解決しているのである。個人的にはSNSなどで自己発信のハードルが低くなっている時代の中で純粋に好きでやっていることはほぼなく、知らぬ間に「やらされている」ものが多い。しかし、現代社会は無意識にその「やらされている」行為をポジティブな感情で表現している皮肉に感じる。
ハツカさんから自分の眷属となりナズナちゃんを救うことを提案される。その時に風景の色が赤く染まる。この場における雰囲気をハツカさんが制圧していることの暗示?餡子のシーンもとい、会話での優勢ぐあいを色で表すのが上手い。この殺伐感あふれる赤色からコウはハツカに圧倒されていることがわかる。さらに最初はハツカさんの口元を隠していた柱がカメラワークで胸元が隠れるように移行している。これはハツカさんのジェンダーレスなところを表しているように感じる。なぜこのタイミングか?どちらの性質も有しているハツカさんが故に導き出した諦観的な考え方であることを示したいから?この提案におけるコウの返事は
ここでコウが吸血鬼になりた真の理由を自覚した。最初は夜を楽しむために吸血鬼になりたいと願っていたコウはナズナとの関わりの中で無意識のうちにナズナと一緒に居ることが出来るような吸血鬼になりたいと願いが変わっていた。ことを自覚する。この自覚が軸となり以下の言動に繋がる。
この2つのセリフ,ないしやり取りからナズナちゃんと一緒に居たいという気持ちが出ている。餡子の出会い、真昼の説得で吸血鬼になることが揺らいだコウであったがそれよりもナズナちゃんと一緒に居たいという完璧なボーイミーツガールが完成したのである。その思いを真正面から受け止めたナズナはキスで返した。その後の言語を容易に凌駕したナズナの表情は圧巻という他ない。この後の
照れているナズナがコウ君に示した最大限の言葉であり今までのナズナの言動と相互性が完璧であり
強引さのない大満足な結びあった。端的に言えば、圧倒的。。。。
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