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僕の中でアニメは「絶対」なんです。

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作っといて投稿しそびれてた青ブタを除いて久々のレビューです。相変わらず仕事に忙殺されてました。今回の年度末は本気で忙しかったです。こんな感じの言い訳を繰り返し続けているとダメな人間へ落ちてしまいそうな気がします。こんなしょうもないポエムはここで終わらせて、今回も見に行ってきました。日程がかみ合って公開初日に見に行けました。原作未読で薄い前提知識のみインストールして臨みました。ダイダイマンゾークダダダダサティスファクションです。超おもしろい。観に行って良かったって思えた時点で誰とも戦ってないけど今回は僕の勝ち。

感想

東京でハイテンション女子高生ライフを送る、
小山門出(こやまかどで)と“おんたん”こと中川凰蘭(なかがわおうらん)。
学校や受験勉強に追われつつも
毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、
3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした
巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。
非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、
仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。
そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。
その途端、凰蘭の脳裏に、
すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!

映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前編」 公式サイトより引用

あらすじを見た限りだと巨大母艦とそれに乗員している未確認物体に立ち向かう人類みたくのSF戦争を想像してしまいます。しかし、別にこの物語では誰も戦いません。たしかに自衛隊は対応していますが、確固たる信念というよりかは仕事の延長でやってる感じ。この物語には”正義”と”悪意”は存在しないんです。あるのは”だれた日常”しかないんです。空に巨大母艦が出現したとしてもテストもあるしなんなら受験もある。そんな門出と凰蘭、そしてキホ、亜衣、凛の取り巻き。この5人のかけ合いがとにかく良い。

”だれた日常”を描くことでその中で起きる少しばかりの”異変”がより鮮明に映るしそれを描くのがひたすらに上手でした。これぞ笑いあり涙ありといったところでしょうか?ファミレスの凰蘭、亜衣の兄弟の下りは完全に油断してたので劇場で笑いかけました。あういう中で丁寧な緊張と緩和をかましてくるのはずるい。基礎基本さえ抑えとけば大きな仕掛けなんかなくてもちゃんとハメ込まれるのを改めて教えられました。ネタバレになるので細かくは話せませんですが帰り道(見た人はこれで分かると思います)は普通に美しく悲しい。それぞれの凰蘭の強さと脆さをこれでもかと描かれておりこれは観た人同士で語りたいところ。それなら書くなよって言われかねないので進めていきますが。各人それぞれのが向き合おうとする姿が美しくて人間っぽいんですよね。それが故に軋轢が生じてもめちゃくちゃ人間くさい。その形容詞自体を使わずにその言葉を観てる側に伝えて作品にハズレはないのでこの時点でかなり作り上げられた作品であることがわかります。凰蘭の性格が好きすぎました。終始自分の世界で遊んでいながら勉強とか運動はめちゃくちゃに出来るタイプ。あういう腹立つけどすげえやつを学生時代に会ったことある人は多そうな気がします。そしてそれを見透かされたのか凰蘭の奥行き(これは解釈わかりきらないところ)っぽいところも描かれたのは好きになるには十分すぎる。そしてあのキャラのCVはあのちゃんすぎる。てか、あてがきにしたのではって勘繰るほどにはビッタビタでした。

それと同時に作中では現代の社会問題がところせましと扱われています。母艦上陸がウイルスのように人間に感染していく様でした。汚染を過剰に嫌う人、信憑性の薄い情報を鵜呑みにして狂っていく人、正義に毒されて暴走していく人。様々な現代が生み出したモンスターが出てきます。この中で作品の中に登場する「イソべやん」を通じて正義に取りつかれて暴走する人が描かれていました。この「イソベやん」ですが相当鈍感でない限りは確実に「ドラえもん」のパロディと分かります。原作者が自分なりの「ドラえもん」の解釈を描きたかったのではないかと思います。

日常、混沌。すべてを1つのボウルにいれてこれでもかと混ぜ合わせた今作品。つくり出されたカタルシスとセンチメンタルはブラックホールばりの引力。原作未読でも全然問題なし。後編も見逃せません。手も足もでないならオッパイを出せる人間になりましょう。このセリフも好きですが一番好きなのはこれです。

知ってるよ!


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