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これ、名作です。

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終わってしまったぁ…これが正直な気持ちです。薬屋が終わってしまった喪失感が半端ないです。前評判バリ高を余裕で越えたアニメ化でした。まじで制作陣は感謝です。関係者全員に牛黄が贈呈されて欲しいです。久々のどこから褒めたらええねんモードです。散らかった文章になるのは確実ですがそれではどうぞ。

感想

大陸の中央に位置するとある大国。
その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。
名前は、猫猫(マオマオ)。
花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。
ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。
今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、
興味本位でその原因を調べ始める。
呪いなどあるわけないと言わんばかりに。
美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、
そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。
壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、
仕事をこなしていく猫猫。
稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。

「薬屋のひとりごと 公式サイト」より引用

物語でクセになるのが世界観のちぐはぐさ。全体の雰囲気は古代の中国っぽいですが会話の中で扱う医療知識は全然現代より。その不一致が故に独特の世界観が作り出されていた。その中で裏テーマで差別など現代にも存在する問題が扱われており。いわば様々な過去作品を用いたパッチワーク的な作品になっていた。そのおかげで奇天烈すぎずかつありきたりすぎないところに鎮座できたように思います。

オムニバスっぽい構成で1つの事件を2-3話かけて解決する形は少なすぎず多すぎずの絶妙な話。解決していく中でわずかな違和感を残して進むのは次の話が気になると今後どうなっていくの2つの視点で満たされて大満足。自分が一番好きな話はありきたりではありますが羅漢のところです。最初、ただただひたすらにいけすかない人間にミスリードさせてからのあの結末はかなりグッときました。壬氏が猫猫に「妓女の価値を落とす方法」を聞いたところとかの伏線もしっかりバチバチに張ってあるのもセコイ。先述した違和感が解消されていく様は痛快の一言。白鈴の涙も今までの悲しいすれ違いと自分の羅漢への想いといった様々な意味が含んでるように見えてメタくそによかった。全体的にダレた回はまったくなくどこから切ってもおもしろかった。まじで制作陣の原作理解力には感服せざるを得ない

令和の新たなヒロインに仲間入りを果たしたであろう猫猫を語らずにはいられません。一介の薬屋が日本が誇るヒロインまで上り詰めました。あるいみではヒロイン然としていない猫猫。これはこれで新たな時代の幕開けなのではないのでしょうか?圧倒的なイケメンで権力者である壬氏にビタイチなびくことなく自分の好きな薬学のことになると目がなくなる。それでいて自分の視認範囲での困りごとになると首をつっこみたくなるお人よし精神。そんな猫猫の一番の良さは義理堅いところです。緑青館で身請けが決まった中で後宮で1人で舞を披露する義理人情に溢れているところが好きです。そこの作画を妖艶さ全開で見せ場を分かっている制作陣でした。1期のOPの映像がここに繋がっていくのもエッチな構図でした。そして猫猫は令和に皆が持ち合わせて欲しくかつ持ち合わせたい価値観なのかもしれません。この猫猫の大きなミソは労さずして壬氏という超絶高スペックから好かれている点。自分の好きなこと(薬学)だけにのめりこんで社会的な高価値な異性を労さずして得られる位置に君臨する。それですこしばかりの善意。これはある意味で理想的な他者であり自己。個人主義が加速していく令和にはピッタリな存在になりえたのかもしれません。星野アイ、山田杏奈、猫猫などのヒロインを見るに”自立”した女性になる葛藤的なところが最近の令和なのかもしれません。

壬氏と猫猫の関係性。二次創作がとまらない例えるなら白ご飯と明太子ぐらい。絶妙なマッチングです。物語を通じて最初は拒絶していた猫猫が大人げない方が話をしていて気が楽にまで関係性が縮まってるのはカドタ的には高ポイント。後宮で全てを手に入れたイケメン権力者が唯一振り向かない猫猫に右往左往するのは恋愛をちゃんと踏んでるし、男が追っかける恋愛に間違いはないと祖母が言ってたので着地点も楽しみである。

続編も2025年に決定している本作品。後宮に入った桜蘭妃などまだよくわかっていないところは盛りだくさん。これはまだまだ期待しても良い。生きる理由はこういうところに転がっている。


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