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karte∞/僕は文学でありたい

S

100点満点で言うとしたら山田杏奈です。もう今回はこれだけで十分っしょ

感想

重度の中二病で陰キャの市川京太郎と、
クラスで人気者の山田杏奈。

美少女らしからぬ行動を繰り出す山田に、
市川は目を離せずにいた。

そんな市川の恋心を知ってか知らずか、
山田は天真爛漫に近づいて来る!!

全く違う世界にいたはずの2人。
しかしその距離は、徐々に近づいていき……。

『TVアニメ「僕の心のヤバイやつ」公式サイト』より引用

突拍子もないつかみからはじまりましたがマジでヤバかった。山田はさることながら市川にはギュインギュインしまくりました。2人の距離が近づいた1期から2期はそこからより近づく。もう危険水域。キックインのクリアランスやと審判から離れてって注意されるレベル。え?まだ付き合ってないんですか!?と田舎の親が狼狽えたとかそうでないとか。

2期のテーマとしては”大人”。随所にそれを意識したモノローグ、会話が散りばめられており2人が恋心という感情を通じて階段を登っていった。こんなん絶対応援するやんです。ジョン・カビラもマンキンの応援するはず。山田の苦悩も垣間見えたのも大満足。片方の一方的なものでなくお互いが互いのことを思いやりながら大人になっていき恋が醸成されていく構図がただただ美しい。恋愛で人は変わることが出来るということは筆者は描きたかったのかもしれません。

特筆すべき点としては2人の言語化能力の高さ。この作品が成り立っている主な要因。ある意味、ここだけはフィクション。中学生離れした2人の自己内省力と洞察力が神崎、足立、小林、関根などの友人勢と差別化できているように感じました。そもそもそれがないとただの中学生のわちゃわちゃで何にも物語にならないので仕方ありません。山田が自分が習い事が続かないことを嘆き、辞めたらいつも親が美味しいごはんに連れてってくれた話を聞いて咄嗟に山田の親の想いを汲み取る市川は大人顔負けというよりもはや大人です。設定は中学生でしたが自己の感情の気づきや現象への解釈は中学生離れしていたおかげで自分が忌み嫌う商業的なものに成り下がらずまだ未熟な2人が醸し出す文学に近い恋愛になっており最後まで胃もたれすることなくただただひたすらに共感を産み続けていました。安堂カンナのムーヴも文学をより際立たせるものになっていたのも良かったです。余談ですが花束に近い恋愛は有村佳純がやってます。

そして、修学旅行。なんというか。けしからん。よね。なにあれ。最高なんだが。急に言語が崩壊していってます。ソ連もびっくりな凋落っぷり。言語がシベリアに送られてしまいました。はてしなく良かった。お互いが想いすぎて大泣きしてるのが果てしなく美しい。恋愛って美しい。狐の仮面は自分の本心を隠すための示唆であり、それをそれぞれが外す動さが含まれているのが最後の最期で本心で向き合ったことを鮮明に表現出来ていた。帰りの新幹線の「いつもの場所で待ってる」からの図書室の流れも鮮やかすぎた。視聴者側(少なくとも自分)はどこになる?ぐらいにいろんな場所の思い出がよみがえって今までの山田と市川の膨大な積み上げに想いを馳せてそれで図書館。いや、出会いのときとおんなじ構図やんけぇぇぇぇ。ごめん。まだこれを表現できる形容詞は銀河にはないです。そっからの展開も、以下略です。まじでここは良すぎるから見た人間同士でキャハキャハしたいです。

圧倒的文学なアニメはいったん終了。続編の開示を座して待つのみです。図書室のカーテンはウェディングドレスの暗示。それを信じてあの2人の幸せと続編を願う26歳男性。。。


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