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何もなまらくなかった。

D

新年度です。鼻風邪を引いてどんよりでしたが治ってきた鼻腔内に春の香りが流れてきました。そんな風流なご挨拶から今回はこちら。端的に言って安直。かなりしょっぱい作品でした。自分との相性は良くなかったです。途中で見るか悩みましたがラブコメ支部に所属している謎の使命感で最後まで走り抜けられました。

感想

東京から北海道北見市の高校へ転校した四季 翼は、
真冬の氷点下でも生足&ミニスカな“道産子ギャル”の冬木美波に、
道に迷っていたところを助けられる。
同じ高校へ通うことがわかると、美波は翼と一気にトモダチに!
距離感近めで、天真爛漫な美波に、
翼のココロはドキドキしっぱなし。
でも、何も知らなかった北海道のことが、
美波との毎日で、翼はどんどん好きになっていく。
やがてその気持ちは、ふたりの関係も変えていき……?

『TVアニメ「道産子ギャルはなまらめんこい」公式サイト』より引用

最初に言いたいこととしては予定調和すぎるんですよね。冬木美波との出会いからなんか制作者側の都合感がばちばち。秋野沙友理の出会いはマシでしたが、夏川怜奈は最悪。めんどくさくなったとしか思えない雑なランデブー。恋もなにも始まらんしさすがにキャラを舐めてる。終始漂う予定調和感のせいで全然感情が揺さぶられない。

それと主人公の四季翼。描かれ方が最悪すぎる。ラブコメでラブコメであるための大原則の1つである。「主人公がそもそも魅力的な人間である」が全くといっていいほど守られていない。例えるなら、上杉風太郎、安芸倫也、市川京太郎、白銀御行、比企谷八幡。。。名作の主人公は物語が進むにつれて人となり、優しい、相手への想いがどんどん伝わってきて見てる側も納得の魅力的な男性に変化する。そのストーンがあるから恋するヒロインの姿をみて共感できるし結末にカタルシスがもたらされるはずなんです。今回はまじでない。嫌なやつではないけどただの無難。はっきり言ってなんでこんなヤツを好きになる?贔屓にすんのって感じ?嫌な言い方するとリピ無し案件。そこまで思われてしまう主人公が1クールで終始、雑なきっかけで出会ってそれでモテる。嫉妬とかじゃなくえ?なんで???の連続。唐突に出てきた陽キャの松尾隆弓の方が良いんじゃねって思ってしまう始末。

冬木美波のキャラも終始つかめなかった。あざとく大胆に四季翼をからかう時もある一方で、小学生でもやってそうなテクニックで顔を赤らめる恋愛のウブさを出したり。対比的な概念が1人の人間の中に内在してたらそれは奥行きではなくただの二面性しか生み出さない。まじで怖かった。多重人格でしたのオチやったらオッドタクシーっぽくて好きやったかもしれない。それとギャルは寛大で壮大な印象はあるが風呂入ってる最中にただのクラスメートの電話するのもまあまあ怖いしそれでテレビ電話にするのはもう怖い。怪しいマルチ勧められる恐怖感が出てくる。

ストーリーのふり幅も微小。キャラの共感が出来ないハンデはあるにはあるけどさすがに浅すぎる。バレンタインデーをミスってどんよりって猫パンチぐらいの強さ。先述した予定調和感のせいでずっと浅い。結末のスカし方も最悪。海外留学を行こうと決意したけどきっかけが激弱でそれとたぶん親の金で行ってる。バイト頑張ってる伏線みたいなのがあったらまだ印象は変わってたかもそんなんもないからただの1人海外旅行やんけ。これのなんの決意やねん。って話。わざわざ空港まで行った四季翼にこれには同情せざるを得ない。

所々に挟まれる北海道のご当地ネタもただのノイズ。雑に聖地をはさんで聖地巡礼ビジネスのねらう2匹目のどじょうに成り下がってしまってました。

結局なにもなまらくなかったこのアニメ。最後まで自分をほめたいです。最終回で急にでてきたキャラもいるので2期もありそうな気がしなくもない。

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