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レコード神社「DON'T TRUST OVER THIRTY」ムーンライダース

POPなの?サイケなの?どっちが好きなのby ケアヒあやや

ねじれたポップセンス
膨大なキャリアの中で重要な音楽ムーブメントの発展と衰退を経験し
日々体感せざるを得ない録音技術の進歩
キャリアの長さ故、何かを語ろうとすれば、どこから話して良いのか分からない
そんなバンドの代表ですね。
ヒットソングがあるってわけじゃないけど
いい歌がいっぱいありますよ
「ボクハナク」なんて名曲ですし
「9月の海はクラゲの海」は300年もつポップソングだと思います
今回はムーンライダースの独特のポップセンスの秘密に迫りたいと思います。
本当に独特ですよね。
入り口の入り方を間違えずに聞き込みたいバンドですよね。
同様のバンドとしてフランクザッパ&キャプテンビーフハートも挙げられる。

最初に手に取ったのはリサイクル屋で見つけた
火の玉ボーイでした。  
すんなり聞き込めるアルバムですよ、
スカンピンは名曲だし。当時の捉え方としては
はっぴいえんどの弟的なバンド、この捉え方でくくってしまっていましたね。
良いアルバムだと思ったがそこまで深追いはしませんでした。
その後、数年が経ち
私の認識を打ち砕くあのアルバムに出会うまでは。

LOVE航海士とHATE船長

このアルバムが素晴らしかったです、
鈴木氏と曽我部氏のポップセンスの集大成。
両氏が血肉化したポップスの歴史が集約された
何回でも噛める<するめ>ようなアルバムです。
時代に合わせながら、音楽の奥にある芳醇な世界を立ち表す
事ができる数少ないアルバムです。
音的にはビートルズ的であったり、ビーチ・ボーイズ的であったり
するんですが、どの曲にもポップスの奥行きを感じさせます。
要は普通じゃないんですよね。
この普通じゃない感じが魅力なんですよね。
ペットサウンズのセンチメンタリズムで
マジカルミステリーツアーに出かけるようなアルバムですよ。
ただ、デイズニーランドではないんです。
ちょっとひねってる。普通ではオワラナイ。

後期ビートルズの重要性

ムーンライダースを改めて捉え直すと
いまだに第一線でバンドを継続できている
The Beatles世代のバンド。
その時々でニューウェイブ化したりオルタナ化したり様々ですが
バンドの根本には後期ビートルズの実験性が
格納されていると思います。
後期ビートルズはどの辺りから始まったのか
ざっくりとリボルバーあたりからと考えて良いと思います。
味気のない言い方ですが
音響技術の発展が楽曲にも進化をもたらされ
その影響が随所に散りばめられたアルバムです。
テクノロジーによって音楽の響き<音響>がどのように変化して行ったのか
これってロックそのものの変化の歴史ですよね。

ナインインチネイルズを初めて聞いた時も
ロックをもう一歩進化させたと、みんなも感じましたよね。
あれってテクノロジーの導入<マニュピレーションシステム>の進化だし
音響的にも1960年には作れなかった音ですよね。
そう考えると
2022年のムーンライダースがその後のビートルズが
やろうとしたことをやっている、なんて言えちゃえるかも。
ウッシッシ。

歴史の分岐点はどこに?

これはサイケデリックでしょう!
サイケデリックの広大で肥えた畑に
プログレという<生命の樹>が出現し
それを
パンクが3コードで唾を吐き散らしながら斧で切り倒すというのが
歴史の教科書には決して乗る事がない
重要事実ですが。

ここは声を大にして言いたい!
サイケデリックが大事。 今年を私のサイケデリック元年にしましょう。
こうやって自分を鼓舞し、やる気をみなぎらせ
よーし、俺も今日からサイケ始めるぞ!
意気込んだケアヒですが
サイケってどこから始めればいいかちょっとわかんないんですよ。
ジミヘンもジェファーソンエアプレーンもジャニスも
親父のレコードで聴いてたから今更どうのこうのって話じゃないし
正直、未だに
グレイトフルデッドになるとちょっと分かんないんですけどね。
始まろうとするんじゃなくて、気づいたらもうすでに
サイケでした。というのが正解で
気づいたら俺はもうサイコだったという人、、、、
とりあえず今日は仕事をお休みされたほうが良いのでは。

そもそもサイケデリックとは

音楽だけにとどもらず、アート、文学、哲学
広範囲に渡ってムーブメントとなったサイケデリック。
「意識の拡張、意識の変革」コアキーワードですけど
これって今のメタバースじゃないけどインターネットの根本ですよね。
様々な話が展開できるとは思いますがここでは
ムーンライダースについて語ります。
そこで
音楽的な、主に重要なタームとして
ぜひ、みなさんと一緒に比較したいのが
白人文化の中の<サイケデリック>とブラックカルチャーの中の<DUB>
これを検証していきたいと思います。
②に続く

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