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10年前に書いたX100Sのファインダー機構について

本日、X100Ⅵが発表になりましたね。
初代X100から数えて6代目、13年掛けていろいろと進化してきましたが、写真を撮るという点に関しては、X100のファインダーこそ他の機種にはない魅力だと思います。
そして、10年ほど前にそれについて触れた記事があったなということで、今は閉鎖しているブログから文章を持ってきました。

あらためて読むと、我ながら素通しファインダーが好きなんだなと分かりますね。

※今回はあまりに文章が稚拙なところがあったので、最小限の加筆修正をして掲載させていただきます。

【X100SのOVFとEVF 】

実は、フレーミングの確かさ、細かい光の加減・仕上がりイメージの事前確認などEVFならではの利点から、ある時期EVFの使用割合がかなり増えていました。
ただ、そのようなEVFの便利さは確かにあるのですが、いざいろいろな場面で使ってみるとEVFが頼りないことも多く、最近は再びOVFをメインに必要に応じてEVFに切り替えることが多くなってきました。

私が、なぜOVFを好んで使用するのか、その辺りをまとめてみたいと思います。
理由の一つ目は、ハイコントラストなシチュエーションでは、EVFではラチ(階調)が狭すぎて、あるはずものが飛んだり潰れたりしてしまう点です。
OVFなら目で見える広い階調をそのままファインダーで捕らえられるので、撮るときに違和感が少ない。
もちろん、目で見える諧調のどこをすくい取るのか、そこは撮影者の腕の見せ所ですが、デジタルは撮ったらすぐ確認できるので、ファインダーで広い諧調を確認し、液晶でそれをどう写真の中に落とし込むのか確認する、そういう分担が私にはしっくりきます。
あと、これは異論もあるだろうと思いますが、暗がりでの撮影では私はEVFよりOVFの方が雰囲気をそのまま捉えられて好きです。

二つ目は、EVFでは撮った瞬間が見えない、OVFなら撮った瞬間が見えるという点。特にゆらめく光、人物、動くものなど瞬間その瞬間が大切なものの時はOVFが強いです。ストロボを炊くときなんて、如実にOVFの良さを実感できるので、ほぼOVFです。

三つ目は、フォーカスの問題も絡んでくるのですが、例えばさっと空など無限遠で撮りたいときに、AF&EVFの画面というのは面倒なんですよね。ピントが合いにくい上に、アウトフォーカスするとファインダーがボヤッとしたりする。
そんな時はOVF(素通しファインダー)にすることで常にクリアな視界が得られ、撮影に集中しやすいなと感じます。

通常、一眼レフとミラーレスとはOVFとEVFという対立で比較されますが、X100Sが凄いのは、一台にOVFとEVFの両方を搭載しその長所・短所を補完しているだけでなく、一眼レフのTTLファインダーとレンジファインダーの素通しファインダーそれぞれの長所・短所をも補完しあっている点が画期的なんですね。

このように、私がX100Sを愛用している理由は、素通しファインダーを搭載していること、そして必要に応じてEVFに切り替えることでフレーム・光・接写・ボケなどのレンジファインダーが苦手な部分を一眼レフ(ミラーレス)的に解決しているところなんですね。

カメラの歴史は、銀塩時代にレンジファインダーから一眼レフへ進化し、それがデジタル時代に入り再びミラーとプリズムを不要にする方向に進化を模索していますが、X100SのOVF/EVFハイブリッドというは、過去の遺産をうまく活かした画期的な解決策の提示だと思います。

写真にまつわるモノコトblog 2014.1.1記事より


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