けごんのたね

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『行願品疏』を読む(三回目)

十因の列挙・本文 ●初因十義者、一法爾常規。二酬昔行願。三遂通物感。四明示真門。五開物性原。六宣說勝行。七令知地位。八顕果徳厳。九示其終帰。十広利今後。 ・書き下し 初めに因の十義とは、一には法爾常規、二には酬昔行願。三には遂通者感。四には明示真門。五には開物性原。六には宣説勝行。七には令知地位。八には顕果徳厳。九には示其終帰。十には広利今後。 ・解説  項目の列挙なので現代語訳は省略。ここでは因の十義の内容について列挙されている。教起因縁については、『探玄記』『刊

    • 『行願品疏』を読む(二回目)

      教起因縁1・本文 ○今初。夫法無言象、非離言象。無言象而倒惑、執言象而迷筌。故聖人利見垂象設教、必有由矣。非為小事、必由大緣。非是一因、因緣無量。親能発起目之為因。疎而助発名之為緣。先因後緣、各開十義。(『行願品疏』卍続蔵7・472上) ・書き下し 今は初めなり。それ法に言象無く、言象を離れるにもあらず。言象無くして倒惑し、言象に執われ筌に迷う※1。故に聖人利見して、象を垂れ教を設くるに必ず由有り。小事を為すにはあらず、必ず大縁に由る。一因にはあらず、因縁は無量なり。親

      • 『行願品疏』を読む(初週)

        なぜ読むのか澄観の思想ってわからんなあとなったので玄談だけでも読んでおこうと思った。なんで『華厳経疏鈔』じゃなくて『行願品疏』なのかというと、とある先生から『行願品疏』の方が文章が読みやすいと聞いたから。玄談は大体同じようなこと言っているらしい。『華厳経疏鈔』も参照はする。毎週火曜日にノート出せるようにコツコツ読んでいくつもりである。本当に研究ノートみたいな感じに徒然なるままに書いていく。 著者について著者は華厳宗の第四祖である澄観(738–839)。第四祖と言っても第三祖

      『行願品疏』を読む(三回目)