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英会話が出来る人、出来ない人

英会話が出来る人と出来ない人には、いくつか違いがあります。多くの人は、英語力に比例して英会話が出来ると思っています。私もそう信じて、中学から高校まで英語を頑張って勉強しました。しかし、英会話は全然出来るようになりませんでした。その後、私は海外での経験や周りの人たちを見て、英会話には英語力以外にも大切な事があると思うようになりました。この記事では、私が思う英会話に大切な3つの事を紹介します。

1. 話したいと思われる

英会話に限らず、会話をする上で一番大切な事は、人から話したい思われるかどうかです。仮にものすごく英語力が高くても、性格が悪く相手から嫌われてしまったら、会話をする事は難しくなります。逆に英語がほとんど話せなくても、人として魅力があれば、相手から話しかけてもらえるでしょう。

また、人間性だけでなく、話す内容も非常に重要です。早稲田大学名誉教授のJames M. Vardamanさんは、著書「毎日の英単語 日常頻出後の90%をマスターする」の中で、この様に述べています。

私も、日本に来たばかりのころは、仏教や剣道、江戸文化、手ぬぐい、絵馬など、日本特有の事物に憑かれたように興味を持ったのを覚えています。もしかしたら、その特定の分野については、9割の日本人よりも、よく知っていたと思います。その時に話していておもしろかったのは、当たり前ですが「英語ができるけれど、手ぬぐいのことを知らない人」よりも、「英語はできないけれど、手ぬぐい文化を説明できる人」でした。

これらは、日本語に置き換えるとよりわかりやすく感じるでしょう。目の前に2人の外国人がいるとします。1人は日本語が堪能ですが、仏頂面で話の内容も面白くない人。もう1人は日本語は少ししか話せないですが、感じが良く話が面白い人。どちらの方がより会話が出来るかは、明白でしょう。

そして多くの場合、人と仲良くなる事が出来れば、コミュニケーションに必要な言語は後から身に付いてきます。英会話において、相手から話したいと思われるかどうかは、全ての前提となる重要な要素だと思います。

2. コミュニケーション力

英会話における2つ目の大切な事は、コミュニケーション力です。私には日本語が話せない海外の友人が何人かいます。コミュニケーションは英語で取っています。彼ら彼女らが日本に遊びに来る時に、私は日本の友人を紹介する事があります。どちらの友人たちも普段はあまりない交流の機会を喜んでくれます。もちろん、日本の友人たちの中には英語がほとんど話せない人たちもいます。

そして、その中には英語があまり出来ないからコミュニケーション出来ない人英語があまり出来なくてもコミュニケーション出来る人がいる事に気付きました。前者の友人たちは、英語がわからないのでどうして良いかわからなくなってしまう事が多いです。反対に後者の友人たちは、ジェスチャーや効果音を上手く使ったり、簡単な単語だけである程度の意味を伝えたりします。こういった友人たちの特徴は日本語でもコミュニケーション力が高い事です。

コミュニケーション力×英語力=英会話力

私はコミュニケーション力×英語力=英会話力だと考えています。コミュニケーション力が10点満点で英語力も10点満点だと英会話力が100点満点になります(10×10=100)。

例えば、コミュニケーション力が高く9点のAさんがいるとします。英語力は中学英語ぐらいならわかる3点だとします。Aさんの英会話力は9×3で27点になります。もし、Aさんが英語力を5点まで伸ばしたとすると、英会話力は9×5=45点になり、かなり成長する事が出来ます。

反対にコミュニケーション力が低く2点のBさんがいるとします。仮に英語力が高く7点だとしても、英会話力は2×7=14点です。さらにBさんが英語力を高めて9点にしても、2×9=18点です。英会話力ではAさんに追いつけません。

コミュ障

何年か前からコミュ障という言葉が定着しました。コミュニケーション障害の略で、医学の現場でも使われるコミュニケーションに困難がある疾患の総称だそうです。ただ現在はスラングとしても用いられ、対人関係が苦手であったり、人前で緊張して上手く話せない人などを指して使われています。

私の日本人の友人の中にも、自分の事を自虐的にコミュ障だと言う友人もいます。その友人は冗談半分で言っていますが、本当に重度のコミュ障だったと仮定します。その場合、その友人が英語を学んだとしても高い英会話力を身に付けるのは難しいでしょう。

先程の英会話力の式を日本語に当てはめると、コミュニケーション力×日本語力=日本語会話力です。第一言語である日本語力は10点近くあるはずです。それでも会話が上手く出来ないのであれば、コミュニケーション力は1点ぐらいでしょう。これでは1×10=10点にしかなりません。この友人が英語で話す場合は、唯一の支えであった言語力の10点が1点や2点になってしまい、会話力はさらに低くなるでしょう。

Bさんがやるべき事

先程例に出したBさんがやるべき事は、コミュニケーション力を高める事だと思います。コミュニケーション力が2点のままでは、いくら英語力が10点になっても、英会話力は2×10=20点までしか伸びません。

初めのBさんの英会話力は2×7=14点でした。この時点で英語力を7点から8点に伸ばしても2×8=16点(+2点)にしかなりませんが、コミュニケーション力を2点から3点に伸ばせば3×7=21点(+7点)になります。

もちろん人には得手不得手があり、コミュニケーションが苦手である可能性もあります。苦手な事を改善するのは容易ではありません。ただ一方で、上級者である分野をさらに成長させるよりも、初級者である分野を人並みにする方が簡単という事もあります。得意な英語力を伸ばす事も大事ですが、そればかりにとらわれて、コミュニケーション力を伸ばす事が大事だと気付いてない場合もあります。

3. 英語力

英会話に重要な3つ目の大切な事は英語力です。ここまで、英会話をする上では人から話したい思われるかどうかコミュニケーション力が大切だとお伝えしました。しかし、それでも英語力は英会話をする際に非常に重要です。

香港での体験談

日本人の友人(Y)と香港旅行に行った時の話を紹介します。香港には現地に友人がいて、その現地の友人の学生時代のクラスメイトたちも集まり、10人程で食事をしていました。中には日本語がわかる人もいましたが、ほとんどは英語で話していました。

Yは英語はあまりわかりませんが、相手から話したいと思われるコミュニケーション力が高いを満たしているタイプです。その結果、私の通訳無しでも皆と仲良く話していました。

そんな状況を見て、Yは少し離れた席の私に向って「言葉の壁なんて無いね」と日本語で言いました。私はその通りだと思いました。しかし、周りにいた香港人たちは、言葉の意味が分からなかった為、きょとんとしていました。そこでYが気持ちを通じさせる様に、彼ら彼女らに向って「言葉の壁なんて無いね」と言いました。しかし、ほとんどは日本語が理解出来ない為、きょとんとしていました。そして、話に入っていなかったメンバーも異変を察して、全員の注目がYに集まりました。Yはもう一度「言葉の、壁なんて、無いね」と丁寧にジェスチャーを交えて言いました。しかし、それでも意味が伝わらずに静寂とも言える沈黙が流れました。Yは「言葉の壁は大きい」と言い直し、日本語がわかるメンバーに笑いが起きました。

英語力も欠かせない

英語力が高くてもコミュニケーション力が低いと、会話が難しくなる事をお伝えしました。しかし、それは逆もしかりです。この香港での体験談のように、コミュニケーション力の高いYでも、言語のサポート無しでは意思疎通が難しくなります。

自信を持つ事

多くの日本人は英会話に対して自信を持つ事が出来ないと言われています。そして、人は自信が無い事をやる時は消極的になってしまい、実力すら出せなくなってしまいます。

そのような人たちは色々な事を気にし過ぎている事がよくあるので、マインドブロックを外す為のアドバイスは重要だと考えています。しかし、アドバイスの効果は個人差があったり、程度に限界があったりします。私自身がそうだったので、気持ちがよくわかります。

私は現在では以前に比べて自信を持って英会話が出来るようになりましたが、その理由は単純明快です。実力がついた分だけ自信が付きました。自信が無いのであれば、自信がつくまで実力をつければ良いと思います。そういった意味でも英語力をつける事は重要だと考えてます。

まとめ

冒頭で述べた通り、多くの人は英語力に比例して英会話が出来ると思っています。しかし、英会話には以下の3つの事が大切だと思います。1. 話したいと思われる2. コミュニケーション力3. 英語力

世の中には、周りの人が集まってくるような人柄やコミュニケーション力を持っている人がいます。そういった人を見ると、「英語を学んでいないのはもったいない」と感じます。逆に私よりも沢山の単語や表現を知っているのに、1人でその勉強ばかりをしている人を見ると、「それを生かさないのはもったいない」と感じます。この記事が、そういった人たちを含め、誰かのお役に立てれば幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。これからも良いコンテンツが提供できるように、頑張ります! サポートして頂けたら、自分へのご褒美にコンビニでアイスでも買おうと思います^^