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「しめて」は出さない

 TVのフロアーディレクターをしているとTVに出演している人やアナウンサーへこっそり指示を出すカンペというものがある。

こっそりと書いたのには訳があって、放送している枠の時間を出したり、次の進行を出したり、コメントを間違えないように訴えるように伝えたい時に、カメラの向こうの視聴者に気付かれないようにアナウンサーに教えて上げるものだから。

また、お話を伺うために起こしいただいたゲストさんには、時間などを気にしないでできる限り気持ちよく話してもらいたいので、進行の時間は、ゲストに見えないようにアナウンサーにだけ見せるということをする。

それは進行のプロだから。アナウンサーは進行のプロでもあるから、ゲストさんには気を使わせるわけには行かない。

そして、いくら気持ち良くとはいえ放送時間には決まりがあって、どうしても守ってもらいたい時間というものはある。
その究極超えてはいけない時間を超えたときに「しめて」という意志を伝える。
業界でいうところの「巻き」が入った状態。

ただ、私は「しめて」を持っているけど出さない。よっぽどなことがない限り。

それはプロだと思っているからだ。
早々と「しめて」を出して進行を窮屈にはしたくない思いがある。特に生番組は究極確定さえ守れば、どうにでもなるしそれまでには収めてくれることを信じているからだ。 

「しめて」を出さずに気持ちを伝える。そんなやり取りが出来るようになると息が合ったいい仕事が出来るように思う。
ありがとう❤️
2022.12.22


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