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教室は宇宙へつながる11日目(11回目)

12月に入り、5月から始めた私の金継ぎ教室も作品が出来上がり始め、なかなかの佳境を迎えている。先日の「金」に続き今日の仕上げは「銀」

小さな砥石で優しく擦る

前回、漆の上に銀を乗せて帰っていたお皿、次はそのヒビの上を砥石で軽くなでるように削る。そして角粉(つのこ)といわれる粉を乗せて、指の腹で擦る。

角粉は、昔は鹿の粉だったらしい。長いヒビの場合はパーツごとに少しずつ少しずつ擦る。ひたすら擦る。磨くというより、やっぱり「擦る」かな?
擦っているとベージュ色の粉が黒い粉となって出てくる。指の腹はピカピカつるつるになる感じだ。

指が黒くなってる ここまで擦らないと「ギラッ!」は出ない

「ギラッ!」と銀の輝きのラインが表れて来た。すごい!
先生がやると(笑)輝き出すなのが不思議。「こんな感じでやってみましょう」
とお皿を渡されて、黙々と擦る。指は、人差し指、黒くなったら中指、次に薬指と順々に使って磨いていく。
難しい時はオイルで少し指を湿らせて、角粉と合わせてペースト状にして擦ってみる。

先生がされると「ギラッ!」と光りだすけどだいぶ力入れてるけどなかなか光りださなくて随分頑張った。ティッシュで磨いてふき取って、眺めながら磨いてふき取っての繰り返しをひたすら1時間くらい。

先生の手は魔法の様

「おおーーっ!」
「ギラッ!」がやって来た。銀の食器とよく言われるけど、今回使用頻度の多いこのお皿は使うたびに磨くので仕上げを「金」ではなく「銀」にした。
広いお皿に入ってしまったヒビが、銀色の光るラインで違うお皿に変身した。

そして、このお皿にはブルーの小さな縁取りが描いてあるので、ヒビで途切れたその縁取りを、「青」の漆で銀の上から描くことにした。そんなこともできる。出来上がりが自分のオリジナルの作品のようで、本当に嬉しい。前回の「金」に引き続き「銀」と「青」の仕上げもとてもいい。

青漆のラインがお分かりだろうか?

ひたすら磨く作業の合間に本日の先生のおやつは、コンベクションオーブンで焼かれた「シナモンロール」
朝の教室では焼き立て、教室はシナモンの香りに包まれていたとか。夜の教室もシナモンの香りはほのかに健在だった。
そしてもう一つ、京都からのお土産「阿闍梨餅」。一緒になった生徒さんが、仕事の関係で熊本地震の時にPanasonic様に2000個の阿闍梨餅を送っていただいたというお話を聞く。それで阿闍梨餅を見るとPanasonic様を思い出す。という何とも温かいおやつのお話。

おやつ目当てに行ってると言われても構わない

「パタンッ!パタンッ!」
ん?おやつを用意して作業部屋に入って行かれた「夕鶴」のような先生どういった作業なのだろうか?私は仕上げのお皿を磨きながら後ろからしてくる音に思う。
教室の終わり時間になって夕鶴先生が作業部屋から出てこられて、いま熊本市内の長崎書店ギャラリーで行われている「作家たちのマトリョーシカ展」のお話になり、先生の出展されている作品の中にUFOの作品があるらしく展示にもなぜか宇宙コーナーができていてびっくり!と色んなことの広がった本日の金継ぎ教室だった。

生姜紅茶•夕鶴の様に作業部屋へ向かわれる先生
いつもありがとうございます❤️


習い始めて半年にして作品が仕上がりつつある。地道な作業だが、なんだか宇宙にまでつながってる様な気持ちにさせてくれる。これだからやめられないなぁ。

ありがとう
2023.12.10


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