見出し画像

ハイフレンド・グッバイメモリー

前話した、まもなく潰れるみなとみらいのおもちゃ屋、ハムリーズの話の続き。続きってほどでもないかも。
ハムリーズはある時から急にゲームセンターコーナーを出して、アメリカとかにあるような感じのチケット交換所まで備えていた。知らない人もいるかと思うが、海外のゲーセンは最初にチャージして遊ぶんだが、遊ぶとチケットが出てきて、そのチケット枚数に応じて景品と交換ができる。横浜ワールドポーターズのハムリーズのゲーセンにも似たようなのがあって、普通のゲーセンみたいにお金を入れて遊ぶと、金額に応じてチケットが出てくる。

これシュガーラッシュ(アメリカのゲーセンが舞台)の2の曲のMVだけど、なんとなく雰囲気わかると思う。この曲好き。

まあそれでだ。なんだかんだ言いつつも、雰囲気は嫌いじゃなかったハムリーズに、唯一の友達(友達が居ないので俺が『友達がサー』という時は必ず彼である)とみなとみらいに行くたびに足繁く通っていたわけで。なけなしの金でチョロっと遊ぶ度にチケットが出るからなんだかんだ貯めてたのよ。言うてもいっつもマリオカートなんだけど。マリオカートやるなら隣にある遊園地のコスモワールドの方が安いんだけど、チケット貯めれるし結局ハムリーズの方に行っちゃうんだよね。ゲーセン始まった当時の一番高いチケットのポイントの景品は2000pt、ハムリーズの看板商品のテディベア、しかもでかいヤツ。別にそれが欲しいわけじゃないんだけど何となく2人で貯めてた。弟を連れてみなとみらいに来た時も2人でマリカーをしてチケットを持ち帰った。いつか、彼女が出来て、貯めたチケットを持ってデートに行って、そのゲーセンで遊んで、貰ったチケットを一緒に使って彼女にデカいテディベアをあげる。そんな夢を話してた。友達も一緒に貯めてるというのにとんだ抜け駆けなんだが。
しばらくして、テディベアは誰かに取られたのか、いなくなっていた。でも常に何かしらデカいぬいぐるみが2000ptに鎮座していた。前と違うテディベアとか、でかいサメとか。まあそれにしたって交換する景品はテディベアである必要でないし、なんだかんだ遊びに来る度貯めていた。一時はロトの剣が景品にある時もあった。嫌だなゲーセンでクソみたいに遊ばないと貰えない伝説の剣って。
結局、彼女なんていないまま、ハムリーズは閉店を通達してきた。チケットは2000枚以上貯まっていた。
使わずにゴミにするのも嫌なので、今日友達と交換しに行ってきた。

紙袋いっぱいのチケット どんちゃんの前はパックマンの絵柄だった。この紙袋の下の方にパックマンデザインのもある

最後の別れにと、いつものようにマリオカートをした後、今までずっと意識しながらほとんど使うことのなかったチケット交換マシーンに行った。あまりにもチケットが多いので交換に30分かかった。

案の定友人に無断です。怒られたら差し替える。

ゲーセンコーナーはすでに縮小していて、下のフロアに移され、チケット交換ブースに至っては大幅に景品が減って1番上の2000ptと1番下の40ptと80pt、100円ショップ以下のちゃっちい玩具とお菓子だけになっていた。ああ無情、無常。

デカいから店員さんが中々大きいサイズの袋を見つけられなかった。

端数のチケットでお風呂に浮かべるような小さいアヒルと、消しゴムと、プルバックのゴミみたいな車の玩具と、飴を貰って帰った。
俺の家も狭いので、これからはこのサメと一緒に寝る。虚無キャ限界アライグマ大学生と寝るサメはつくづく不幸である。ちゃんと大事にします。

ハムリーズ自体は在庫処分なのか、ぬいぐるみ達やおもちゃが投げ売りされていた。もう最終日に近く、GWも過ぎたので、ぬいぐるみはほとんど売れていたんだけども、どちゃクソでかいトラが2匹残っていた。9000円じゃなきゃ(それにしたって安い)買ってたんだけどな〜って話しながら見てたら、しばらくして隣で見てた2人組の片方が「買っちゃった♡」って言いながら連れて帰っていった。もう1匹はレジの横に連れていかれた。キープでもされたんかな。どっちみち買えなかったとはいえ、ちょっとしょんぼりした。
それとは別に、小さいキーホルダーのテディベアを2人で買った。

何故か横画面になっちゃった

作りが粗くて不揃いで、毛が長くて目隠れ気味なそいつらの中から、出来が特に酷い売れなさそうな不細工な奴をお互い買った。友達は目つきの良くない腕が上がり気味のを、俺はマズルが捻れてついてるのを。買ったところで付ける場所に困るんだけどね。カバンにつけようか話してたんだけど、ちょっとゲイカップルじみてて嫌だなって。それって高校生のカップルがディズニーランドのお土産でやるやつじゃん?それを男友達2人でやるのは、ねぇ?誰かいい場所を教えてくれ。


まあでも、今日はすぐ帰ってしまったけども、いい思い出になった。そしてハムリーズという今までの思い出の清算にもなった。別に因縁とかないけど。俺は忘れないよ。いつかロンドンのハムリーズを訪ねたいなと思う。できれば友達を連れて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?