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メガソーラーが炎上するたびに感じるモヤモヤ

先日、次のような記事が出ていました。ネット上では例によって「メガソーラー反対」という意見がたくさん上がっていて、炎上していました。 ただ、この記事では森林所有者の声が入っていました。「その部分が大事だよね」と思ったので、この記事を通して思ったことを書いておきます。  たしかに、山一面太陽光パネルに覆われた画像を見るとインパクトがあるので、反射的に「なんか嫌」という感想が出てくることもわかりますが、なぜ、森林所有者がこの「なんか嫌」と感じてしまうメガソーラー事業に協力する

    • 日本の山はほんとうに荒れているか?里山利用についての雑感

      近年、森林の活用などを進めていこうという議論も増えてきています。木材利用のために「木をもっと伐ろう」というような風潮があります。 木を活用することは重要だと思いますが、手放しで喜ぶことができません。なぜ、喜べないかという部分について、山が現代よりも活用されていた時代にどんなことが問題になっていたのかを知ることは重要だと思いますので、今回は話題を提供できればと思います。 かつての日本では暮らしの近くに「里山」と呼ばれる空間がありました。 まずはその説明からできればと思います。

      • 見つけたらラッキー!?3.11で、さらに貴重になった原木しいたけ

         決して主役ではないけど、そこにいないとなんか寂しい存在、みなさんは「しいたけ」のことについてはどれだけ考えたことがあるでしょうか? 今日であの日から11年。あの日がしいたけに与えた影響について今日は紹介します。 しいたけの作り方 まず、基本的な部分からお話をすると、しいたけの栽培方法には大きく2つあります。  ひとつは木の枝(幹)をそのまま利用する原木栽培、もうひとつは、木をチップ状に砕いたものをビンに詰めた菌床栽培です。  伝統的に原木栽培がきのこ栽培の基本型でした

        • 川上のことも知ってほしい。「木材価格高騰」でも木が出せない理由

          ウッドショック 2021年に入ってから、アメリカや中国で住宅需要が高まったことなどにより木材需要が高まり、木材価格が高騰していることが各メディアで報道されています。日本の木造住宅の過半は輸入材に頼っており、外材の高騰に加え、物流に支障が出るなどしており日本国内の住宅供給に影響が出ているといいます。  そんななか、国内の木材供給事業者にとっては長年奪われてきた国産材シェアを取り戻すチャンスであるはずなのですが、現状では国産材が輸入材に取って代わるだけの力を蓄えていなかったこと

        メガソーラーが炎上するたびに感じるモヤモヤ

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          茅野市を知ってもっと好きになる『風景を変えた5つのイノベーション②』

           以前、霧ヶ峰の草原が麓の暮らしと密接につながり、長い時間をかけて、いまの姿にまで作りあげられてきたことを紹介しました。 霧ヶ峰に限らず、今見ることのできる茅野市の景観は長い歴史の積み重ねの結果作りあげられたもので、決してずっと同じ状態を保ってきたわけでもありません。記事では茅野市の風景を変えた5つのイノベーションのうち1つ目である『化学肥料の導入』に触れました。今回はその続編です。 さて、第2回では『保温折衷苗代』を紹介します。この育苗法は茅野市のような寒冷地での稲作を

          茅野市を知ってもっと好きになる『風景を変えた5つのイノベーション②』

          私が地理を選んだ理由。

           今まで専攻を聞かれるたびに、そもそも地理学って何やるの?って聞かれることがよくありました。  多くの大学受験生にとって重要な教科か?と問われれば、必ずしもYESではないことから、多くの人にとっては馴染みのない学問ではないかと思います。 説明したらいいのかうまく言語化できていなかったのですが自分なりの理由を再考してみました。 もちろん、何十年と研究されて、いくつもの研究業績をもつ先生方からみれば地理学を少しかじったことしかない素人なわけですが、進学先としてあまりメジャー

          私が地理を選んだ理由。