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油汚れにまみれ、寒さに凍える整備士が"お話ききますがかり"になって胸が熱くなった話。

なんだか良くわからない長いタイトルになりましたが笑

はじめましての方もそうじゃない方も
改めまして少し自己紹介から。

"お話ききますがかり"をしています。

私は普段、車の整備士をしながら
メンタルケアスペシャリストの資格を活かして
SNSで人のお話相手になったり、悩み相談を受けたりする"お話ききますがかり"をしています。

メンタルケアスペシャリストの資格については以前書いた記事をご参考になさってください。

SNSでは年間300件以上の相談を受けており、今まで様々な人達の人生に触れて来ました。
その中でも多いトップ3は
①恋愛について
・片思い(いつも追いかけるばかりで…)
・将来への不安(彼氏、彼女とのこれから)
・複雑恋愛(誰にも言えない恋愛)

②人生について
・離婚について
・ハラスメントを受けている
・希死念慮
・LGATQについての悩み

③愚痴を吐きたい
・旦那様への愚痴
(育児に参加してほしい、モラハラなど)
・奥様への愚痴
(帰るのが嫌になる事が…)
・仕事、同僚、友人、恋人など対人関係全般

などが挙げられます。

だいぶ前置きが長くなりましたが笑
今回はその中でも私自身が「あぁ、お話聴きをしていて良かったな」と思えたお話をさせていただきます。

「もう全部、終わりにしたいんです」

そう話してくれたのは、不登校で悩む女の子でした。

学校に行けず、親にも叱られる。
行きたくない訳じゃない。
むしろ学校に行きたい。
詳細は割愛しますが
行きたいのに、彼女の中に行けない理由がありました。

彼女はその葛藤に苦しみ、親にも理解してもらえず、ひとりでその想いを抱え部屋に閉じ籠っていました。

部屋の外に出たら、親に怒られる。

「なんで学校行かないの!」
「そんなんじゃいい大人になれるわけない!」
「行かないから、行けなくなるんでしょ!」

彼女はもう、疲れてしまったのです。
心身共に。

もう終わりにしよう。

いつ終わりにしようか。
そう思いながら終える方法を探してSNSを見ていたらたまたま私の投稿にたどり着いたのだそうです。

聴いてくれてありがとう

いつ終わりにしようかと。
そんなお話から始まり、私は彼女の心の中に「身を差し入れる」事を何度も試みました。
彼女が感じている痛み、苦悩、葛藤は
想像を絶するもので、楽になってしまいたいという気持ちに至る理由に触れたとき、私の心も大きく動いて震えたのを覚えています。

「こんなに話したのは初めてです。聴いてくれてありがとうございます」

彼女は最後にそう言って少し落ち着きました、とその日の相談は終わりました。

その後数回メッセージでお話聴きをして、
彼女の文面に明るい変化が見えてきたので少しほっとしていました。

私の居場所

しばらく彼女からの相談も無くなり
無事に元気になれたならいいなと思っていた頃、再びメッセージが来たのです。

「私には、居場所が無かった」

前回のお話聴きからほどなくして、
彼女は意を決して部屋を出たそうです。
明日は学校に行く。
そう家族に宣言し、その宣言通りに彼女は数ヶ月ぶりに学校に行ったのです。

そこには、いつもと同じ同級生の顔がありました。

でも、いつもと違う。少し違和感を感じたそうです。

彼女の話を聴く限り、私が感じたのは
回りの生徒も気にはしていたのだと思います。
しかし、それが裏目に出てしまい
気を遣うあまり、いつものように触れあうこともできず、どうしたらいいのか、どう接したらいいのかわからない。
そんな状況になってしまったようでした。

みんなが戸惑うのもわかる。
でも気を遣わせてしまっている自分に
ここには居場所が無いんだと思ってしまった。

そう彼女は話していました。

そうだね。
きっとみんなも驚いて、戸惑って、どうしたらいいのかわからなかったんだね。

そんな話をしながら、彼女もその事に納得がいったようで次の日からは家で勉強だけはしっかりやる、と誓ってくれた時
私は彼女に、苦しみながらもちゃんと前を向いているのがすごいね、と励ましてその日もお話聴きが終わりました。

夢に向かって

またしばらく、ひと月くらい経った頃
彼女からメッセージがありました。

「けいさん、聞いて!」

いつになくテンションが高い感じ。
どうしたかな?と話を聴くと
あの後、勉強を頑張ってたら友達が宿題を届けてくれるようになったそうです。
でも、一人じゃわからない事も多く出てくる。
彼女は勇気を振り絞ってわからない所をその友達に聞くと、喜んで教えてくれたのがすごく嬉かった、と。
そして今では毎日その子と一緒に勉強をしているそうです。

そして最後に私にこう告げたのです。


私、夢ができたんです。

将来はスクールカウンセラーになって
私が苦しんだように、同じ想いをしている子達に向き合ってあげたいんです!
けいさんが私に向き合ってくれたように。
それが私ならできる!ってそう思ったんです。

私はそれを聞いて
胸が熱くなり、危うく涙するところでしたがそれをぐっと堪えて

うんうん、その夢はきっと叶う。
自分のために、叶えてあげてくださいね。

と、伝えて相談を終えました。


あの日から彼女のからの連絡はありません。

私は、お話ききますがかりです。

こちらからその後どうなった、とかは聞く事はありません。
その時に話を聴いてほしい、ただそれだけを満たすための存在だからです。

何か困ったことがあったらあの人に聴いて貰おう。
そんな駆け込み寺のような存在でありたい。そう願っているのです。

彼女のその後は、私も一人の人として気にはなりますが笑


連絡が無いこと、相談が無いことは
その日は皆よい一日であったのだなと
そう思うようにしています。

そんなお話ききますがかりのお話でした。


おしまい。


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