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僕らは毎日、華の金曜日を生きている。


僕らは酔っ払っていなきゃやってらんないんだ。

その日は久しぶりに迎えた何も予定がない日だった。
たまたま見たテレビの中で、男がそう言っているのを聞いて理由を言われる前にハッとした。


確かに僕も酔っ払いだな。


もちろん僕はお酒を浴びるほど飲んで生活しているわけでもない。

この「僕ら」には、お酒を飲めない人も含め、年齢も性別も関係ないすべての人間が当てはまると彼は言う。みんなが華の金曜日のように毎日、自分の好きなお酒をついで飲んでいる。時に飲みすぎて気持ち悪くなってしまうほどに。

人間は誰もがきっと、自分のグラスが空になることが怖いんだ。


もしも、お酒がなくなってしまったら酔いが覚めてしまう。

僕らはきっとこの世界が、酔っ払っていなければなんと無味で味気ないものなのかを知っている。

好きなお酒を誰かと共に飲み、語らう瞬間が無くなってしまったらなんと寂しいだろう。自分だけが酔いを覚ましたら、周り人たちがどれほど滑稽に見えて呆れてしまうだろう。

僕らはきっと素面ではやっていけないんだ。


そう、誰もが酔ったように、自分が大切にする夢や考えを持っている。
教えてくれるのは家族や友人、今はもう開かなくなった本や、お気に入りでDVDまで買った映画。同じ空間にいることを追い続けたアーティスト。はたまたどこかの宗教かもしれない。

僕らはそれを盲目に信じ、同じ想いを持つ者と語らい、夢を見る。

そして夢や想いを大切にしすぎるがあまり、自分の体を壊していく人もいる。

お酒も用法用量を適切にしなければリスクが伴う。
しかし誰の注意をもはね退け、バカのように酔えた人だけが見える世界がある。

きっと「成功」とは、お酒の飲み方を間違えたバカが見る酔夢のことなのかもしれない。ただいつもその先に待っているのは…

ひどい二日酔いということは言うまでもない。


しかし、覚めていいことがないのなら、酔えるまで酔ってみようじゃないか。僕らが知っているお酒の種類は、ほんの少しだけなんだ。

僕はまだ飲んだことがないお酒がたくさんあることを知っている。
ただ今は、お気に入りのジンバックを飲み続けていよう。

飽きたら、次何を飲むかなんてその時にまた考えればいい。


そうして今も、僕らは


毎日明けることのない華の金曜日を生きている。




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