見出し画像

【この作品いいよね!】 マンガ「ハダカメラ」のすすめ

最近本名ワコウさんのマンガにはまり、いくつかの作品の感想を投稿している。


そして最新作である「ハダカメラ」をこの前読み終えた。

ストーリーの概要

高校時代からの片想い相手と仲良くなりたい、
けど一歩を踏み出す勇気のわかない香神鏡介。
彼女との距離を縮めるために買ったカメラには、
ちょっと変わったイケない機能が付いていて・・・ ハダカを撮って、誰かに現像する・・・欲望の絡み合う、少し不思議な恋物語。

出所:小学館 ホームページ

https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=12552

※以下、ネタバレを含みます。この記事をここまで読んで、ネタバレをされたくないと思った方は、いったん「ハダカメラ」を読んで頂いて、その後にこの記事の残りを読んで頂けたら嬉しいです。

圧倒的なスピード感×盛り沢山なエピソード

ハダカメラでは、全81話のストーリーにかなりの数のエピソードが盛り込まれている。
序盤に、主人公の鏡介は、長く思いを寄せていたヒカリとの仲を深め、恋を成就させる。当初二人はケンカすらできない知り合いレベルであったが、距離を縮めて18話で告白が成功する。ちなみに本名ワコウさんの他作品をみると、主人公が正ヒロインに告白するまでに、「ノゾ×キミ」では62話(全63話)、「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」では106話(全117話)かかる。ハダカメラは圧倒的に展開が早いのである。

主人公とヒロインが付き合い始めても物語はまだまだ続く。
カメラを用いると撮影した相手の姿をコピーできるため、登場人物は入り乱れる。たとえば、鏡介に好意を抱いている押切さんがカメラを用いてヒカリになりきって鏡介と浮気をし、そのことがヒカリにバレてしまう。押切さんが好きな相手のふりをして鏡介を欺いたこの場面は、アーサー王のランスロットとエレインのエピソードを彷彿とさせる。

そして、カメラは壊れ、ストーリーは波乱の展開をみせる。

本名ワコウ作品の集大成か

本名ワコウさんの作品ではどれも、登場人物の葛藤を丁寧に描写している。思い悩む中で主人公は成長して「気づき」を得ている。他の3作品について主人公の主な言動を以下に整理する。

画像1

これらの言動すべてがハダカメラに詰め込まれている。
カメラを使えば相手の恋心がわかるが、自分の気持ちを伝えるなどして相手に向き合わなければ、相手の好意のレベルは上がらないこと。
人の恋心と姿を写しだせるカメラの秘密をヒカリに知られないように、取り繕って慌てる様子。
カメラが壊れてどうしようもないと思える状況の中で、ヒカリをいかに大事に思っているか言葉にして示す姿。
まさに本名ワコウ作品の集大成と感じた。

次回作でも等身大の心理描写を目にするのが楽しみだ。

※本名ワコウさんの他の作品は以下でレビューしています!


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?