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ダービーグランプリ考察~人馬全国オールスターマッチ開幕 栄光を掴むのは~

※このnoteは長文のため、目次から馬の名前をクリックして気になるところだけ読むことを推奨いたします。

10月3日(日)盛岡競馬場で行われる第34回ダービグランプリ(M1)

かつては中央交流G1レースとして行われたり、廃止になってしまったりと歴史のある岩手競馬を代表する3歳重賞は現在全国地方交流重賞となりました。

そして今年から賞金は2000万円に跳ね上がったこともあり全国各地から強力な馬と騎手たちが遠征し人馬共にオールスター戦の様相を感じさせます。

出走する馬と騎手を全馬見ていくこととする。

コース



画像 うまめし.com

盛岡競馬場のダート2000mは4コーナーのポケットよりスタートしコースを1周するコース形態となっている。地方競馬場には珍しくゴール前に登り坂があるためスタート、ラストの2回でここを通るパワーを要する舞台。

更に盛岡競馬場は砂の入れ替えにより今年に入ってから以前より時計がかかる。今年の交流G3マーキュリーカップでスタミナ豊富も速い時計のレースを大の苦手とするマスターフェンサーが圧勝したり、同じく交流G3クラスターカップで米国型ダート馬のマテラスカイが大惨敗した点からわかる通り昨年と今年で比較しても傾向ががらりと変わった。

ただし雨が降り水分が入るとこの傾向にも変化が起こるので馬場状態はしっかり確認し予想をする必要がある。

盛岡競馬場周辺は金曜日にまとまった雨が降り土日は晴れ模様ということで稍重から良馬場を10月1日(金)夜段階では想定。

出走馬・鞍上・主な活躍

1枠1番 シラカミロード(阿部英)

若駒賞2着・やまびこ賞3着

地元出走馬。2歳時に1勝して以降は勝ちはなく今年の東北優駿では7着と惨敗。後方からの競馬となる今回は中央馬を相手にもスピード勝負が出来る馬が揃い追走面に苦労の予感。

2枠2番 トーセンルチアーノ(高松)

主な実績 中央新馬戦4着

昨年7月にJRAでデビュー。新馬戦4着、未勝利戦5着と敗れた後に恐らく気性面の問題から去勢を行い9か月の休養を挟む。3歳未勝利戦を6着に敗れ岩手競馬へ移籍後は前走の不来方賞で4着と一見好走したように見えるが勝ったマツリダスティールとは4秒差をつけられる完敗。

去勢前から解消されないゲート難と出遅れ癖が酷く着順よりレースの内容が期待できない点では今回参加賞が濃厚。

3枠3番 キャッスルトップ(仲野)

ジャパンダートダービー1着

7月に大井競馬場で行われた交流G1ジャパンダートダービーにて13頭立て12番人気ながら中央馬を相手に1着という大金星を演じた馬。普段地方競馬をやらないユーザーでも名前を覚えたという人もいるだろう。

浦和、船橋の自己条件を3連勝し挑んだこのレースでは圧巻の逃げ切りがさく裂。正直中央勢のレベルの低さを痛感したのとこの馬が逃げても止まるだろうという怠慢が起こした勝利にも見えるが勝ったことは事実。

休み明けで挑んだ前走の戸塚記念は完全にマークをされる立場で+12kgという体重増も響いてか6着と敗退。恐らく逃げるのがこの馬になると思うが今回もプレッシャーをかけられる立場となる点と騎手の経験値がどうしても足りない点が気がかり。

3枠 4番 セイカメテオポリス(矢野)

戸塚記念1着

2歳時より常に抜群の調教をすることから穴党に注目されていた馬。ただし調教の動きと比例しない馬体重がネックで春の南関東クラシック戦線では期待を裏切り続けた。

そして迎えた前走の戸塚記念では春先より14kg減の馬体重で最後は差し切り勝ちを収め重賞を勝利。

トランセンデンス、ジョエル、ギャルダル、キャッスルトップといった南関東の3歳上位勢を倒した遅れてきた大器は今回も侮れない。

スタミナ豊富かつ今年積極的に盛岡へ遠征している矢野騎手騎乗という点も魅力。

4枠 5番 ラッキードリーム(石川)

JBC2歳優駿1着・道営3冠

道営からは今回2頭が参戦し1番人気が予想されるのがこの馬。

2歳時には中央馬を相手に勝利した実績があり道営3冠レースではいずれも先行抜け出しの競馬で圧勝し文句なしの3冠を達成。通算10戦7勝も3度の馬券外は適性外の1200m戦、中央芝レース、初の長距離輸送による川崎左回りといずれも理由が明確。

一見何も不安がないように見えるが3冠達成後に管理をしていた林 和夫 元調教師が死去。これに伴い永谷厩舎へ移籍も環境の変化からカイ食いが悪くなったという情報。

中間坂路主体の調教でコースでの左回りの対策が少ない点が気になるところで北海道⇒岩手の長距離の輸送という点も含めて当日の馬体重の確認は必須。

4枠6番 ジョエル(張田)

 クラウンカップ・黒潮盃1着

8月に大井の夏の3歳重賞クラウンカップで2着に5馬身差をつける横綱競馬を見せ先日の戸塚記念でも3着と好走。

鞍上の張田騎手は今やその名を知らない人はいないカジノフォンテンの主戦騎手であると同時に船橋所属のエース騎手に近い位置まで成長を遂げた。

今年の3月以降は月1でレベルの高い重賞を使われ続けておりその期待には応えているが疲れは気になる。輸送もあり調教もいつもに比べると軽い。初の長距離輸送なので当日の気配は注目。

馬主はトーセンの冠でお馴染みの島川 隆哉さん。

5枠7番 リーチ(服部)

鎌倉記念1着・北海優駿2着

今年の道営クラシック戦線でラッキードリームという高い壁に屈し無冠に終わるもいずれも馬券内には入り続けた道営組。2歳時には北海道から南関東への長距離輸送で重賞を勝利。

地元のライバルであるラッキードリームと同じく林 和夫 元調教師の死去に伴い櫻井厩舎へ移籍。

中間は坂路調教がメイン。

リーチもラッキードリームも金曜日段階で輸送されることとなっており北海道⇒岩手というのは陸路の馬達よりも一苦労(天候も特に悪いので)

5枠8番 シェナキング(吉村)

菊水賞1着・兵庫ダービー2着・西日本ダービー2着

兵庫生え抜きの馬で吉村騎手が主戦を務めるようになった兵庫3歳クラシックレースの1つ菊水賞を制覇している馬。兵庫ダービーでも勝ったスマイルサルファーと鼻差の激戦を演じた。西日本ダービーはまたも同馬に敗退しており園田3歳勢では2~3番手といった印象。

スマイルサルファーを一つの物差しとして考えたとき、8月に南関東で行われた黒潮盃で6着と敗れその際に勝ち馬のジョエルとは2.5秒差を離された点から遠征勢では一枚能力では下という扱いにどうしてもなってしまう。

また主戦の吉村騎手はロングスパートの競馬場に特化した独特の馬の追い方をするためか長い直線の競馬場にどうも適合しない(直線が短く馬を押し上げる園田・名古屋競馬場だとこれが非常に合うんですが)

6枠 9番 ベニスビーチ(吉原)

ジュニアキング・サラブレット大賞典 1着

門別、笠松、色々あって(意味深)南関東、岩手、金沢と3歳秋にして既に5度の転厩と所属移籍を繰り返す渡り鳥。

環境の変化に対応する能力だけは高いのだが3歳春に東北優駿で5着と敗れ地元の大将格リュウノシンゲンとは1.3秒差の完敗。岩手競馬は水沢しか経験がなく南関所属時代も左回りの経験もなければ重賞、自己条件で大惨敗。

南関上位勢、道営トップが参戦する今回は遠征組ながら出番が無さそう(吉原が遠征してくるのはお金?)

6枠 10番 ギガキング(和田)

南部駒賞1着

道営出身馬で2歳時に盛岡競馬場の2歳重賞を勝利した実績がある。その後は南関東へ移籍し重賞勝利やダービー出走を果たしている。

前走戸塚記念では5着に敗れており近走は調教内容が悪い。前走の評価も悪かったが今回は輸送もあるにせよ一杯に追って更に時計を悪くした点は気がかり。

長距離輸送、盛岡コースの実績はあるが相手が今回と全く異なるのでこの点は重視しなくても良さそう。

7枠 11番 ギャルダル(御神本)

東京ダービー2着

デビューが遅れたこともあり目立った実績もないまま挑んだ東京ダービーで2着と好走。元々主戦を務めた御神本騎手から矢野騎手へ乗り替わったことで前々で競馬を運び先行有利な馬場状態にも恵まれた。

秋初戦はセイカメテオポリスに矢野騎手が騎乗する形で御神本騎手と馬をトレード。すると今度はそのセイカメテオポリスが矢野騎手で勝利をしてこちらが4着という何とも言えない結果。先行勢が潰れた中で最後の直線まで粘り込み勝負根性は高い。

問題はダービー時に14kg減った馬体が3か月の休み明けの前走で更に5kg減った点。長距離輸送のある今回は直前に強めの追い切り1本に収めたがこれがどう出るか。この馬も当日の体重は確認必須。

余談だが定期的に腰が悪くなる御神本騎手が東京~盛岡間の新幹線移動をしてまで騎乗することに驚いた(次の日、大井で騎乗予定なので日帰り?泊まるなら燃える理由はあるが・・・)

7枠 12番 ケラススヴィア(森)

東京2歳優駿牝馬・浦和桜花賞・東京プリンセス賞1着・関東オークス2着

浦和のオブライエン小久保厩舎から南関東牝馬世代No1馬が参戦。

枠順決定で勝つのをほぼ全員が察した浦和桜花賞ではスタート5秒で勝利を確信するレース運びを決めると次走の東京プリンセス賞では大外枠の不利をびくともしない好スタートで一気に内へ切り込んでの圧勝劇を披露。

3歳牝馬3冠ラストの関東オークスこそ中央馬のウェルドーンに敗れる2着も3着以下の中央・地方馬を大きく引き離してのレースを見せた(このウェルドーンですら次走のJDDで3着と敗れ中央のダート戦線は今年相当弱いのをこの後思い知ることとなった)

休み明け初戦ではあるが最終追い切りでは小久保厩舎が勝負時に利用する本馬場を使った調教を実施。

夏場は放牧先のエクワインレーシングで坂路調教を重ねる(偶然このチャンネルを見つけましたが登録しておいて損はないと思います)

このあとは川崎の3歳牝馬S1ロジータ記念に向かう事が濃厚で輸送してまでこのレースを選んだのは賞金を積み重ね過ぎた結果、斤量が酷になったためという噂も。

https://www.youtube.com/channel/UC8mgqLVJBKSv_2FvdMWAKtA

8枠 13番 チョロ(七夕)

条件戦勝利

地元勢の馬の1頭で申し訳ないが数合わせ。

今回七夕騎手が騎乗することとなったが2戦連続で関本玲花騎手を乗せてたのだから今回話題的な意味でも継続で良かったのではという個人的な疑問。

8枠 14番 マツリダスティール(村上)

ジュニアグランプリ・イーハトーブマイル・不来方賞1着

地元勢4頭の中ではこの馬が大将格となる。元々は岩手の芝のレースを主戦としており3走前のせきれい賞ではロードクエストを相手に0.9秒差の3着と奮闘。この2戦はいずれもダートの重賞を連勝しており前走の不来方賞では2着馬に2.6秒差の圧勝を演じる。

芝のレースで走れる馬なのでスピードの違いで前目の競馬が地元勢相手には出来ているが今回は2列目の一角から3列目が濃厚。ディープインパクト後継種牡馬のエキストラエンド産駒という点でも本質は芝。

何より大外枠になった点はマイナス材料。遠征勢強い馬多いとはいえ地元でケツ4個固めるのはあまりにも情けないのでそれだけは勘弁してほしい。


まとめ

全馬について長々と書きましたがお付き合いいただきありがとうございます。本当は二つくらいに分けようと思いましたが週末も忙しいため自分の予想のメモも兼ねて一つにまとめました。

当日何を本命にするか、買い目をどうするかはTwitterにて載せますのでよろしければ参考にしてみてください(*- -)(*_ _)ペコリ(体重見ないと何とも言えない馬が多すぎる・・・)

それではまた。

もしこの予想を読んで的中した!大きな何かがあった際にはぜひお願いします。 図々しいかもしれませんがサポート大歓迎お待ちしております。