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【種牡馬辞典】Storm Bird系

Storm Bird

<プロフィール>
1978年生、加国産、6戦5勝
<主な勝ち鞍>
1980年デューハーストS(T7F)
<代表産駒>
Indian Skimmer(1987年サンタラリ賞、仏オークス、1988年フェニックスチャンピオンS、英チャンピオンS、イスパーン賞)
プリンスオブバーズ(1988年愛2000ギニー)
Summer Squall(1989年米ホープフルS、1990年プリークネスS)
Balanchine(1994年英オークス、愛ダービー)
<特徴>
2歳時に1980年デューハーストSなど5戦全勝を挙げた英愛2歳牡馬チャンピオン。ただ、3歳以降はアクシデントが重なり、通算6戦5勝で引退となった。自身の実績や後継種牡馬Storm Catの活躍から本馬も早熟ダート短距離馬というイメージが強いが、種牡馬としてはヨーロッパでダービー馬やオークス馬を輩出。立ち肩でスピードがあり、仕上がりの早い馬を多く出したことは間違いないが、Stom Catほどゴリゴリのアメリカンサイアーというタイプではないだろう。本馬と同じE.P.テイラー氏の生産馬であるNijinsky、The Minstrelとは相似な血の関係にあり、これらとの組み合わせでは北米的パワーを増幅する効果が見込める。

-Storm Cat

<プロフィール>
1983年生、米国産、8戦4勝
<主な勝ち鞍>
1985年ヤングアメリカS(D8.5F)
<代表産駒>
タバスコキャット(1994年プリークネスS、ベルモントS)
Cat Thief(1999年スワップスS、BCクラシック)
Giant's Causeway(1999年サラマンドル賞、2000年St.ジェームスパレスS、エクリプスS、サセックスS、英インターナショナルS、愛チャンピオンS)
Black Minnaloushe(2001年愛2000ギニー、St.ジェームスパレスS)
<特徴>
1999、2000年北米リーディングサイアー。4代母First Roseは大種牡馬Tom Foolと血統構成が酷似した繁殖牝馬。そこに、The TetrarchやDomino系Ultimus、Peter Panと快速血脈を重ねたのが母母Crimson Saint(1973年ハリウッドエクスプレスH)であり、さらに米三冠馬Secretariatを父に配したのが母Terlinguaだ。同馬はロイヤルアカデミーⅡ(1990年ジュライC、BCマイル)の半姉で、自身も2歳時に重賞3勝を挙げた早熟馬。その母と同じく、仕上がりが早く、スピードがあるStorm Birdとの間に生まれたのが本馬であり、2歳時にヤングアメリカSを制し、BCジュベナイルでも僅差2着など競走馬としては早熟なスピード馬として活躍した。引退後は2歳戦向きのスピード種牡馬として大活躍し、特に北米2歳リーディングサイアーに7度輝いたことは本馬の特徴を強く表した記録といえるだろう。骨太で筋肉量も多く、やや脚が短め、背ったれ気味の腰高体形が特徴的。なお、ロイヤルアカデミーⅡの父Nijinskyと本馬の父Storm BirdはともにE.P.テイラー氏の生産馬であり、本馬とロイヤルアカデミーⅡは相似な血の関係といえる。

--ヘネシー

<プロフィール>
1993年生、米国産、9戦4勝
<主な勝ち鞍>
1995年米ホープフルS(D7F)
<代表産駒>
ヨハネスブルグ(2001年フェニックスS、モルニ賞、ミドルパークS、BCジュベナイル)
ヘニーヒューズ(2006年キングズビショップS、ヴォスバーグS)
サンライズバッカス(2007年フェブラリーS)
Special Duty(2009年チェヴァリーパークS、2010年英1000ギニー、仏1000ギニー)
<特徴>
早熟で、スピードに優れた活躍馬を数多く輩出したStorm  Catの後継種牡馬の一頭。母Island Kittyも1978年米メイトロンS3着など2歳時から活躍し、繁殖牝馬としては本馬の他にPearl City(1997年バレリーナH)などを出している。本馬は父にStorm Catを配し、Mahmoud≒Mumtaz Begumの6・6×5・5やFirst Rose≒Tom Foolの5×4を中心に父の特徴を継続した形。日本ではサンライズバッカスが5歳時にフェブラリーSを制したが、産駒の多くは早熟型であり、2001年には北米2歳リーディングサイアーにも輝いている。

---ヨハネスブルグ

<プロフィール>
1999年生、米国産、10戦7勝
<主な勝ち鞍>
2001年フェニックスS(T6F)
2001年モルニ賞(T1200m)
2001年ミドルパークS(T6F)
2001年BCジュベナイル(D8.5F)
<代表産駒>
Scat Daddy(2006年米シャンペンS、2007年フロリダダービー)
Sageburg(2008年イスパーン賞)
Strapping Groom(2013年フォアゴーS)
<特徴>
2001年フェニックスS、モルニ賞、ミドルパークS、BCジュベナイルを制し、カルティエ賞最優秀2歳牡馬とエクリプス賞2歳牡馬チャンピオンを獲得する偉業を成し遂げたStorm Cat系の快速馬。Aloe→Feolaに遡るイギリスの伝統的な牝系で、5代母Monarchyは66戦43勝を挙げて当時の世界最高賞金獲得馬となったRound Tableの全妹。また、母母Yarnは種牡馬Pulpitの母であるPreach(1991年フリゼットS)の全姉であり、母としてTale of the Cat(1997年キングズビショップS)やMinardi(2000年フェニックスS、ミドルパークS)などを輩出した。ちなみに、Tale of the CatはStorm Cat直仔のため、同馬とは血統構成が酷似している。父父Storm Catと3代母NarrateはStorm Bird≒Nijinsky、Bold Ruler、Princequilloなどが共通するStorm Cat≒Narrateとも取れる関係で、本馬はStorm Cat≒Narrateの2×3という配合形。Storm Cat系らしい早熟性とスピードを子孫に伝え、日本輸入後もホウライアキコ(2013年小倉2歳S、デイリー杯2歳S)を筆頭に仕上がりの早い快速馬を数多く輩出した。

----Scat Daddy

<プロフィール>
2004年生、米国産、9戦5勝
<主な勝ち鞍>
2006年米シャンペンS(D8F)
2007年フロリダダービー(D9F)
<代表産駒>
Lady Aurelia(2016年モルニ賞、2017年キングズスタンドS)
Justify(2018年サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS)
ミスターメロディ(2019年高松宮記念)
<特徴>
ヨハネスブルグ産駒らしく2~3歳時にGⅠ2勝を挙げ、種牡馬としても世界中でGⅠ馬を輩出した名種牡馬。11歳の若さで急逝したことが悔やまれるが、既にNo Nay Never(2013年モルニ賞)とCaravaggio(2016年フェニックスS、コモンウェルスC)が種牡馬としてGⅠ馬を出しており、2022年に初年度産駒がデビューした無敗の米三冠馬Justify(2018年サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS)にも大きな期待がかかる。Mr. Prospector×Nijinskyの母Love Styleが父の母母Yarnを刺激しており、父よりも距離適性の幅は広め。芝適性も高く、後継種牡馬たちが各カテゴリーで父系を発展させていきそうだ。

---ヘニーヒューズ

 <プロフィール>
2003年生、米国産、10戦6勝
<主な勝ち鞍>
2006年キングズビショップS(D7F)
2006年ヴォスバーグS(D6F)
<代表産駒>
Beholder(2012年BCジュベナイルフィリーズ、2013年ラスヴァージネスS、サンタアニタオークス、2013、14、15年ゼニヤッタS、2013、16年BCディスタフ、2015年クレメントLハーシュS、パシフィッククラシックS、2016年ヴァニティマイルS)
アジアエクスプレス(2013年朝日杯FS)
モーニン(2016年フェブラリーS)
<特徴>
2歳時から非凡なスピードを武器に、2005年BCジュベナイルなどGⅠで2着3回。3歳時の2006年キングズビショップSでGⅠホルダーの仲間入りを果たし、同年ヴォスバーグSでは種牡馬として欧米でGⅠ馬を多数輩出するWar Frontも下した早熟型ダートスプリンター。Eight Thirty≒War Relicの7×5・6を中心とした北米血脈から非凡なパワースピードを受け継ぎ、特にトモ高で背ったれ気味の馬体はStorm Cat系らしい馬体構造といえる。産駒にも早熟性とパワースピードを伝え、特に2歳時のダート戦には滅法強い。

--Tale of the Cat

<プロフィール>
1994年生、米国産、9戦5勝
<主な勝ち鞍>
1997年キングズビショップS(D7F)
<代表産駒>
Lion Heart(2003年ハリウッドフューチュリティ、2004年ハスケル招待H)
Gio Ponti(2009年フランクEキルローマイルH、マンハッタンH、アーリントンミリオンS、2009、10年マンノウォーS、2010、11年シャドウェルターフマイルS)
Stopchargingmaria(2014年CCAオークス、アラバマS、2015年BCディスタフ)
<特徴>
Aloe→Feolaに遡るイギリスの伝統的な牝系で、4代母Monarchyは66戦43勝を挙げて当時の世界最高賞金獲得馬となったRound Tableの全妹。また、母Yarnは種牡馬Pulpitの母であるPreach(1991年フリゼットS)の全姉であり、母としては本馬の他にMinardi(2000年フェニックスS、ミドルパークS)なども出している。さらに、本馬の半姉Mythはヘネシーとの間にヨハネスブルグ(2001年フェニックスS、モルニ賞、ミドルパークS、BCジュベナイル)を出しており、同馬は2001年にカルティエ賞最優秀2歳牡馬、エクリプス賞2歳牡馬チャンピオンを獲得する偉業を成し遂げた。父Storm Catと母母NarrateはStorm Bird≒Nijinsky、Bold Ruler、Princequilloなどが共通するStorm Cat≒Narrateとも取れる関係で、本馬はStorm Cat≒Narrateの1×2という配合形。Storm Cat系らしい早熟性とスピードを子孫に伝え、日本ではGio Ponti産駒のドレフォン(2016年キングズビショップS、BCスプリント、2017年フォアゴーS)が種牡馬として活躍中だ。

--Giant’s Causeway

<プロフィール>
1997年生、米国産、13戦9勝
<主な勝ち鞍>
1999年サラマンドル賞(T1400m)
2000年St.ジェームスパレスS(T8F)
2000年エクリプスS(T10F)
2000年サセックスS(T8F)
2000年英インターナショナルS(T10F)
2000年愛チャンピオンS(T10F)
<代表産駒>
Shamardal(2004年デューハーストS、2005年仏2000ギニー、仏ダービー、St.ジェームスパレスS)
Footstepsinthesand(2005年英2000ギニー)
Ghanaati(2009年英1000ギニー、コロネーションS)
エイシンアポロン(2011年マイルCS)
ブリックスアンドモルタル(2019年ペガサスワールドCターフ、ターフクラシックS、マンハッタンS、アーリントンミリオンS、BCターフ)
<特徴>
3歳時にGⅠ5勝を含む10戦6勝2着4回という成績を残し、同年欧州年度代表馬に輝いたアイアンホース。母Mariah's Stormもグレード競走6勝を含む16戦10勝を挙げた活躍馬で、3/4同血の妹には日本で活躍したエアザイオン(1999年クイーンC)がいる。さらに、本馬の全弟Freud、Tumblebrutusは種牡馬としてGⅠ馬を出しており、全妹You'resothrilling、Pearlingは繁殖牝馬としてGⅠ馬を輩出。特に、You'resothrillingはMarvellous(2014年愛1000ギニー)、Gleneagles(2015年英2000ギニー、愛2000ギニー、St.ジェームスパレスS)、ハッピリー(2017年モイグレアスタッドS、ジャンリュックラガルデール賞)、Joan Of Arc(2021年仏オークス)などを出して名繁殖牝馬の仲間入りを果たした。母母イメンスがRoyal Charger≒Nasrullahの4・4×4、母Mariah's StormがHail to Reasonの4×3などを経由したNasrullah≒Royal Chargerの4・6×5・5・5、本馬がBold Rulerの4×5などを経由したNasrullah≒Royal Chargerの5×5・7・6・6・6などを持つ俊敏なマイラー。種牡馬としてもマイルを中心に世界中でGⅠ馬を輩出しており、2011年マイルCSを制したエイシンアポロンの走りはまさに本馬の現役時代を彷彿とさせるものであった。2009、10、12年には北米リーディングサイアーにも輝き、代表産駒の1頭であるShamardal(2004年デューハーストS、2005年仏2000ギニー、仏ダービー、St.ジェームスパレスS)が後継種牡馬として既に成功を収めている。

---Shamardal

<プロフィール>
2002年生、米国産、7戦6勝
<主な勝ち鞍>
2004年デューハーストS(T7F)
2005年仏2000ギニー(T1600m)
2005年仏ダービー(T2100m)
2005年St.ジェームスパレスS(T8F)
<代表産駒>
Lope de Vega(2010年仏2000ギニー、仏ダービー)
Blue Point(2018、19年キングズスタンドS、2019年アルクオーツスプリント、ダイアモンドジュビリーS)
Pinatubo(2019年愛ナショナルS、デューハーストS、2020年ジャンプラ賞)
Tarnawa(2020年ヴェルメイユ賞、オペラ賞、BCターフ)
<特徴>
UAEダービーを除く、芝での6戦をすべて逃げ切りで制したGiant’s Causeway直仔の快速馬。母母Helen Streetは1985年愛オークス馬で、Troy譲りのスタミナを子孫に継承。母Helsinkiの全弟にはStreet Cry(2002年ドバイワールドC、スティーヴンフォスターH)などがおり、本馬やStreet Cryのスタミナ源はHelen Streetにあるといえるだろう。ちなみに、Helen Streetはトニービンと共通点が多く、本馬やStreet Cryを母方に持つハーツクライ産駒の勝ち上がり率の高さはここに根拠を求めることができる。父Giant’s CausewayはStorm Cat系としては珍しく芝マイルを中心に活躍したが、本馬はHaloの5×4やRivermanなどを追加したことでより瞬発力に秀でた芝中距離馬に。種牡馬としてもスプリントから長距離まで幅広いカテゴリーのGⅠ馬を世界中で輩出しており、日本でも数少ない産駒からライトオンキュー(2019年京阪杯)などが活躍している。

---Harlan's Holiday

<プロフィール>
1999年生、米国産、22戦9勝
<主な勝ち鞍>
2002年フロリダダービー(D9F)
2002年ブルーグラスS(D9F)
2003年ドンH(D9F)
<代表産駒>
Into Mischief(2007年キャッシュコールフューチュリティ)
Majesticperfection(2010年アルフレッドGヴァンダービルトH)
シャンハイボビー(2012年米シャンペンS、BCジュベナイル)
<特徴>
4代母Alanesianは1956年スピナウェイS勝ち馬で、繁殖牝馬としてもBoldnesian(1996年サンタアニタダービー)と本馬の母Princessnesian(1968年ハリウッドGC、1969年サンタマルガリータS)を輩出。BoldnesianはSeattle Slewの父祖として一大父系の誕生に貢献しており、本馬の後継種牡馬Into Mischiefの代表産駒にはBoldnesianの血を併せ持つ馬も多い。本馬自身はBold Rulerの5×5を中心とした北米血脈からワンペースなスピードを受け継ぎ、2002年フロリダダービーなどGⅠ3勝。ただ、Haloの血が入るため、日本では2015年NHKマイルC2着馬アルビアーノや2014年フィリーズレビュー3着馬エスメラルディーナなど芝で活躍する馬も多かった。

----Into Mischief

<プロフィール>
2005年生、米国産、6戦3勝
<主な勝ち鞍>
2007年キャッシュコールフューチュリティ(AW8.5F)
<代表産駒>
Covfefe(2019年テストS、BCフィリー&メアスプリント)
Authentic(2020年ハスケルS、ケンタッキーダービー、BCクラシック)
Gamine(2020年エイコーンS、テストS、BCフィリー&メアスプリント、2021年ダービーシティディスタフS、バレリーナH)
<特徴>
現役時代には故障の影響もあり2007年キャッシュコールフューチュリティを制した程度に終わったが、引退後はAuthentic(2020年ハスケルS、ケンタッキーダービー、BCクラシック)を筆頭に数多くのGⅠ馬を輩出し、2019~21年には北米リーディングサイアーにも輝いた名種牡馬。母Leslie's Ladyは本馬のほかにBeholder(2012年BCジュベナイルフィリーズ、2013年ラスヴァージネスS、サンタアニタオークス、2013、14、15年ゼニヤッタS、2013、16年BCディスタフ、2015年クレメントLハーシュS、パシフィッククラシックS、2016年ヴァニティマイルS)やMendelssohn(2017年BCジュベナイルターフ)を出す名繁殖牝馬で、3頭はいずれもStorm Cat系という点が特徴的。これは牝祖PatelinがEight Thirty≒War Relicの3×3・4という強烈な相似クロスを持ち、同血脈がStorm Catと刺激し合う関係にあることに根拠を求めることができるだろう。

--Forestry

<プロフィール>
1996年生、米国産、11戦7勝
<主な勝ち鞍>
1999年キングスビショップS(D7F)
<代表産駒>
Forest Danger(2005年カーターH)
ディスクリートキャット(2006年シガーマイルH)
Shackleford(2011年プリークネスS、2012年メトロポリタンH、クラークH)
<特徴>
Mr. ProspectorやSeattle Slewなど数々の名馬を輩出するFrizette牝系の出で、3代母Bold SequenceはMr. Prospectorの母Gold Diggerの3/4同血の姉であり、Seattle Slewと同じBold Ruler父系という良血。本馬の母Shared Interestも1993年ラフィアンHを制すなどGⅠ戦線で活躍し、繁殖牝馬としても本馬とCash Run(1999年BCジュベナイルフィリーズ)という2頭のGⅠ馬を輩出した。Storm Cat産駒であり、Bold Rulerの4×4を持つ本馬はダートの8.5F以下で活躍。種牡馬としてもStorm Cat系らしいスピードを産駒に伝え、代表産駒の多くも本馬と同じくマイル以下で活躍した馬が多い。

---ディスクリートキャット

<プロフィール>
2003年生、米国産、9戦6勝
<主な勝ち鞍>
2006年シガーマイルH(D8F)
<代表産駒>
Discreet Marq(2013年デルマーオークス)
Dads Caps(2014、15年カーターH)
シークレットスパイス(2019年ビホルダーマイルS)
<特徴>
母Pretty Discreetは1995年アラバマS優勝馬。Buckpasserの3×4など良質な血を豊富に持ち、繁殖牝馬としても本馬とDiscreetly Mine(2010年キングスビショップS)という2頭のGⅠ馬を輩出した。Storm Cat系Forestryを父に配した本馬は2006年シガーマイルHなどダートのマイル前後で活躍。引退後は種牡馬として芝とダートでGⅠ馬を出しており、2017年からは日本で種牡馬生活を送っている。

-Summer Squall

<プロフィール>
1987年生、米国産、20戦13勝
<主な勝ち鞍>
1989年米ホープフルS(D6.5F)
1990年プリークネスS(D9.5F)
<代表産駒>
ストームソング(1996年フリゼットS、BCジュベナイルフィリーズ)
カリズマティック(1999年ケンタッキーダービー、プリークネスS)
Summerly(2005年ケンタッキーオークス)
<特徴>
名種牡馬A.P. Indy(1991年ハリウッドフューチュリティ、1992年サンタアニタダービー、ベルモントS、BCクラシック)の半兄。母Weekend SurpriseはSecretariat≒Sir Gaylordの1×3という柔らかさ満点の繁殖牝馬で、半弟A.P. Indyはさらに柔軟性に優れたSeattle Slewを父に配したストレッチランナーだった。それに対して、本馬はStorm Bird産駒のピッチ走法で、北米血統馬らしいスピードと立ち回りの上手さを武器に1990年プリークネスSなどを勝利。種牡馬としてはA.P. Indyほどの成功を収められなかったが、1999年北米年度代表馬カリズマティック(1999年ケンタッキーダービー、プリークネスS)を出すなど一定の成果を挙げている。


≪坂上 明大(Sakagami Akihiro)≫
 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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