見出し画像

ぬけぬけ病?スカッと抜ける足首の症状その後(自転車競技)

ちょうど1年前、スポーツ専門医(特に足首)から下記診断を告げられた。
その後の経過を記します。
(長文です。同じ症状の方の参考になればと書き留めます)
---
・関節外果剥離骨折
・両足関節不安定症
・両腓骨筋腱炎
---

■症状

ペダルを踏みこむと足首の力がスカっと抜ける。
両足ともに症状が出て、特に右足がスカスカ抜ける。

■ぬけぬけ病・ローリング病

この症状をタグると陸上選手絡みで「ぬけぬけ病」「ローリング病」というキーワードがヒット。
「走っていて急に力が抜けてしまい、走ることが困難になる」
「日常生活では問題なく痛みもない」

これだ!

っと思いましたが・・・

ぬけぬけ病の原因は不明のようですが、色々な解釈があり脳や神経の誤作動とか、その他諸々・・・

■プロローグ

時期は忘れましたが、朝起きて1階へ降りようとした時、足が痺れていて階段を踏み外し、足首を捻る。この時、関節外果剥離骨折があったと憶測。
(それ以外覚えがない)

2022年度から自転車のフレームを交換しポジション出しも兼ねてLSD(長距離乗るトレーニング)を中心とした冬トレを続けていたある日、両足の脛(スネ)に違和感を感じます。

ポジションは中々決まらず、難航を極めます・・・

そして2022レースシーズンの幕開け。

---
→2022/3/13 西日本チャレンジ 6位
→2022/4/2 九州チャレンジ 2位
---
体の調子はよく、脛は少々違和感ある程度。

その後、春先のサーキットレースに参加したとき、両足脛を強烈に攣らせてしまいます。
---
→2022/4/10 九州サーキットシリーズHSR九州 14位
---
サドルが高かったかなあ?と思い再調整するも、脛の痛みが長引きます。
特に右足。
脛の痛みが癒えてきたら、痛みは段々と足首辺りに・・・
足首の痛みは最初からあり、脛の痛みが癒えて足首通が鮮明になったのだと思います。
スカっと抜ける感覚が出てきたのもこの頃で、ポジションの問題と思い込んで調整に次ぐ調整・・・で、次のレースへ。

---
→2022/4/16 西日本ロードクラシック 17位
→2022/4/25 阿蘇パノラマラインヒルクライム 総合2位
---
西日本ロードは最終周まで先頭集団に残り、最終コーナー前の落車巻き込まれ。阿蘇は西日本の落車の影響の方が大きく、両レースとも足首の影響感じませんでした。
ある程度走れたのでホッとしていました。

しかしとうとう・・・
トレーニング中、平地はもとより、クライムでも抜けが鮮明になり、豊前ではまったく踏めなくなってしまいます。
---
→2022/5/8 豊前サイクルフェスティバル DNF
---
(落車や機材トラブル以外でのDNFは、ほぼ初めて)

豊前の後、やっとスポーツ専門医を訪ね、巻頭の診断名となります。
剥離骨折から脛、腱の炎症へつながったとのこと。
「手術」のキーワードも出ましたが、靴内の装具(靴底)作成、通院と足首・脛の筋トレ、ウォーキングなどのリハビリをスタートさせ、様子見。
「安静」や「自転車禁止」のお告げは無く、トレーニングは続けることに。

■改善へ向けての試行錯誤①

ここから先は治療ではなく、ケガをコントロールし、いかにロード競技に参戦していくかを私的に試行錯誤した内容です。目的は治療ではありません。

●テーピング第1段階

自転車のトレーニングもおろそかにしたくなかったので、テーピングを試すことに。
最初は見様見真似的なテーピングで力加減がわからず、ちょっとキツ過ぎたり、緩すぎたりありましたが、力が抜ける感覚を少し和らげることができました。
(専門病院ではテーピングでは治らないとのことで相談できず)

イラスト:MUELLER JAPAN様

動画でテーピングの症例別方法などを勉強。
ストレッチテープや非伸縮テープの違い、効果的に巻く方法などを漁る毎日。
とりあえず一般的なVロック&フィギアエイト(上記画像)で試し、抜けの状態を観察。
結果、ヒールロックまで追加し、しっかり固定。
短距離であれば、ある程度踏めるようになりました。
---
→2022/6/5 壱岐サイクルフェスティバル 5位
---

ただ、テーピングによる別の弊害?も。

壱岐のレースのように短いレースでは問題ありませんでしたが、70~80kmを超えた位から足の甲の外側に強い痛みが出てきました。

「短腓骨筋腱付着部炎」という病名が当てはまると思います。

---
→2022/6/26 全日本自転車競技選手権大会 53位
---
この時の甲外側の痛みは、自転車を降りると歩けないほど。
(痛みは数日で引きました)

これを受け、テーピングの種類の変更、強弱を含め巻き方の勉強を繰り返します。
ある程度短い距離の場合、甲外側の痛みはでないことまでクリア。
---
→2022/7/10 九州自転車競技選手権ロード 4位
---

■症状メカニズムの自己解析

テーピング方法をアレヤコレヤ試すと、どんな時に脱力感があり、この巻き方なら緩和できるか見えてきました。
そして、この頃から足首の力が抜ける時のメカニズムが少しわかってきました。

それは
---
抜ける→足首を持ち上げた時(背屈といいます)。
抜けない→足首を下げた時(底屈といいます)。
---

イラスト:WEBから

自転車のペダリングでいわゆる「アンクリング」の状態で脱力。
背屈の時、足首前側に痛み有り。
日常生活でも、車の運転でアクセル・ブレーキ操作するとき背屈になったら軽い痛みを感じる。
これにより導き出したケガ名は

「長趾伸筋腱炎(ちょうししんきんけんえん)」

ではないかと予想。
長趾伸筋腱は、足指の第2~5趾(つま先)を持ち上げる動きに関係。
ケガ当初、足指の第2~5趾の動きが悪く、パーができなかったことでも長趾伸筋腱炎ではないかと予想できます。

●足首の力が抜けるメカニズム(自己解析)

0.左足首に「関節外果剥離骨折」があり、長い間足首に負担があった
---
1.脛の攣りで長趾伸筋を痛める
2.長趾伸筋の足首辺りの腱に痛みが残る(炎症)
3.背屈の際、炎症部分の神経を圧迫
4.神経圧迫を受け即座に脳が筋肉弛緩を命令→脱力
---
このようなメカニズムを推測しました。
※間違っているかもしれませんので、あくまでも私見です。

■改善へ向けての試行錯誤②

●テーピング第2段階

上記足首の力が抜けるメカニズム(予想)を受け、テーピングの方向性(方法)を変更しました。

底屈を補助する(足を裏側から下に引っ張る)ために伸縮テープを二つに割きスプリットテープを入れることにしました。これにヒールロックを入れ踵を固定し左右のブレを防止。
ヒールロックは非伸縮テープでしっかりさせることにより、かなり安定するようになりました。

毎日のトレーニングでテーピングの方法を試し、力が抜ける感覚はある程度コントロールできるようになってきました。
そんな中でのハードな福島遠征です。
---
→2022/7/17 石川サイクルロードレース 5位
→2022/7/18 古殿ロードレース 4位
---
両日とも過酷な強度とJBCFでトップクラスの選手が集まる中、結果を残すことができました。
足の甲外側の痛みは許容範囲。
抜ける感覚も0ではないけど踏める。
やっと復活か・・・

福島遠征後、少し休養を取り、次戦のヒルクライムレースに向けたトレーニング再開です。

椿ヶ鼻は後半劇坂があり、そのための高強度トレーニング中、やはり足の甲の外側の痛みに悩まされます。

その時、一筋の光を見つけました・・・

シマノ RC9(SH-RC902)

シマノ RC9(SH-RC902)のワイドモデル!
これまで履いていたのは前モデルのワイドではないもの。
---
1.ワイドモデル履きました。
2.通常通りのテーピングしました。
3.100km以上トレーニングしました。
---

痛み出ませんでした

足の甲外側の痛みはあっさり解決です。
テーピング分の厚みでシューズ内に余裕がなくなっていたので、甲の外側に負担が増していたのではないかと思います。

で、その後・・・
---
→2022/8/28 椿ヶ鼻ヒルクライム 優勝 
→2022/10/8 大星山ヒルクライム 2位
---
椿は体調ともに絶好調。
大星山は別件で別のトレーニングがあり山練無しで挑み、最後垂れました。
これは足首によるものではありません。

■2023年現在の症状

100%の完治とはいきませんが、テーピングでコントロールできています。
テーピングの弊害は痛みではなく、金銭的なものと、巻くときのタイムロスくらいとなっています。
テーピングもかなり簡素化され、比較的安い非伸縮のみで対応しています。
足指じゃんけんでパーができるようになりました。
車の運転や、仕事中でも足首に痛みを感じることはなくなりました。
装具(靴底)は使っていません・・
以上!

今期が始まっていますが、結果は下記の通りです。
---
2023/3/26 西日本チャレンジ AE4位
2023/4/16 九州チャレンジ ME12位
---
九州チャレンジ12位は足首の問題ではなくピーク調整失敗。

今年はある程度踏めており、先日の「県選手権 トラック&ロード」でも足首の不安はありませんでした。
特にHSR九州サーキットで行われたロードレースでは、1年前の状態からするとしっかり踏めたので、自分では満足でした。

現在の問題としては、1年間の足首の故障に伴い、右足と左足の太さにかなり差があります。
ペダリングモニターのパワーでも数値的に出ていて、筋トレ等で補完し、最善の状態まで回復させたいと思っています。

テーピングはまだしばらく予防のため外すことはできませんが、その内素足の状態で完全復活をと思っております!

■回復に向かわせたこと

私の場合、テーピングを試行錯誤し、少しでも改善する方向を見つけ、この症状を抱えたままトレーニングを継続しました。
テーピングによる受傷部位の保護、リハビリによる柔軟性のアップ、トレーニング継続による受傷部位周囲の筋力アップが回復に向かわせたものと思っています。
もちろん人によって症状で違ってきますので、上記はあくまでも私の場合です。


おまけPhoto

先日の県選手権トラックとロードの写真です。

熊本 千原台高校
熊本 九州学院 競輪ヘルメットが並ぶ
熊本 開進高校 復活が嬉しい!
やっと踏めるようになってきた
黄色いジャージと2vs1の構図




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?