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「正しい起業家」を求める投資家の目利き力。【前編】

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACE。「敏腕キャピタリストの着眼点」では、ベンチャーキャピタル(VC)の方々に、VCという仕事にたどり着くまでの経緯や、VC側が投資を決める際のポイント、今後成長する経営者の共通点、いま注目の企業や経営者などを伺っています。


2023年5月、国内のスタートアップを対象にした101.5億円の2号ファンドの組成を完了したベンチャーキャピタル「DIMENSION」。同社を率いるのは、宮宗孝光さんです。

宮宗さんは2019年、ドリームインキュベータの一員として国内ベンチャーファンド「DIMENSION」を創設し、2021年にファンドごとMBOして独立。これまで出資先8社の上場、10社のExitを経験してきました。その目利き力は、どのように養われたのでしょうか?
                                                                                       
                                                                                        (聞き手/川内 イオ)

宮宗 孝光氏 DIMENSION株式会社 代表取締役社長

20歳の時に定めた「人生の目的」

川内 宮宗さんは学生時代を含めて、独特のキャリアを歩んでいますね。

宮宗 はい。父は祖父が創業した会社の2代目なのですが、兄がふたりいるのでわたしには父の会社を継ぐという感覚はなく、モノづくりが好きだったので東京工業大学に進学しました。
大学ではDVDのレーザーやLED照明に関係する「人工超格子」について研究し、飛び級で大学院に入りました。

川内 飛び級で大学院に進学したのに、博士課程には進まずシャープに入社されています。

宮宗 『夢をかなえる一番よい方法』という書籍との出会いが大きな理由です。マイクロソフトで「Word」などのプログラムを開発したプログラマー、リチャード・ブロディが書いた本で、「マイクロソフトで大金を得たけど、楽しくなかった。人生の目的を定めた後に人生が好転した」という内容の本です。20歳の時にこの本を読んで、幸せに生きるために人生の目的を4つ、定めました。わたしのキャリアはこの目的に沿ったものになりました。

川内 そうなんですね! 4つの目的を教えてください。

宮宗 「信頼できる人との輪を大切にする」「イキイキと生きる」「達成感を得る」の3つと、あとひとつはプライベート過ぎて他言しないようにしています(笑)。人生の目的を達成するためになにをすべきかを考えると、周りの人がAをやるから、自分もAをやろうとはなりません。東工大で飛び級した人は多くが博士課程行くのですが、わたしはそうしませんでした。大学院卒業後、シャープに就職する道を選んだのは、自分の目的に沿って意思決定した結果です。

川内 シャープでやりたいことがあったということですね。

宮宗 そうです。研究よりも民間で役に立つことをやりたいと考えた時、ソーラー発電に夢を感じました。それで、太陽光発電の分野に強いということで、シャープに就職しました。
しかし、シャープでは大学で利用していた特殊な製造装置で差別化を図りたい事...

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