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社内のグローバルチームとソニーの専門家の「目利き」で、次の成長機会を増やす。【前編】

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACE。「敏腕キャピタリストの着眼点」では、ベンチャーキャピタル(VC)の方々に、VCという仕事にたどり着くまでの経緯や、VC側が投資を決める際のポイント、今後成長する経営者の共通点、いま注目の企業や経営者などを伺っています。


日本を代表する世界的企業のソニーグループ。エレクトロニクスをはじめ、ゲームやエンターテインメント、金融などさまざまな分野の事業をソニーグループとして展開しています。そのソニーグループで、ベンチャー企業への投資と事業成長支援を目的としたファンドの運営事業を行うのがソニーベンチャーズ株式会社です。

投資先の選定にあたっては、約30人の専門家から構成されるグローバルチームに加え、ソニーグループ内の専門家が目利きとなってスタートアップ企業を分析。世界の革新的な企業に投資しています。今回の「敏腕キャピタリストの着眼点」は、代表取締役社長の土川元さんをゲストにお招きし、同社の投資方針の特徴や投資先企業を見る際のポイント、いま注目すべき投資先企業などを伺いました。前後編の2回にわたってお届けします。

(聞き手/井上和幸)

興銀に入行してアメリカでMBAを取得

井上 土川さんは一橋大学法学部卒業後、日本興業銀行(興銀)に入行されています。どんな気持ちで進路を選ばれたのですか。

土川 父からは役所を勧められたのですが、わたしは民間企業に行きたくて。たまたま、その中間地帯にあったのが興銀だったのです(笑)。

井上 いやいや。当時、興銀さんは就職最難関企業でしたから、そんなに簡単に入れるものではないですよね(笑)。興銀ではどんな仕事をされましたか。

土川 1984年に入行してからは、国際営業第一部というところで日系企業の外債発行を担当しました。顧客は東京都庁や官公庁、9電力などでした。興銀はどんどん若手に仕事をさせてくれる会社でしたね。当時はとにかく24時間仕事をしていた感じでした。

井上 1988年にはスタンフォード大学でMBAを取得されています。留学しようと思われたのはなぜですか。

土川 もともと留学したいという希望があって、興銀がそれに応えてくれました。そこで人生が変わりました。アメリカで、自分が本当にやりたいことは何かを考えるようになったのです。同時に、アメリカ的な経営のスタイルも学ぶことができました。日本ではとかく文系と理系に分けてしまいますが、アメリカは違います。その2つの間には統計学があって、それらを含めてトータルで経営を行っていくのです。そのことを深く心に刻みました。

また、当時は日米の知識ギャップが大きくて、例えばオプション理論のブラック・ショールズ・モデルというものがありますが、日本ではあまり知られていませんでした。わたしは、その考案者の一人である経済学者マイロン・ショールズ先生に学びました。おかげで、...

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