見出し画像

崖に向かってブレーキの壊れた車を走らせてる

「車のブレーキが壊れているのなら、ブレーキを踏んだらわかるでしょ」などとアナタは言い返してくるのであるが、それは実際に『崖に向かってブレーキの壊れた車を走らせてる』ってことではなくて、アナタが今そういう状態になっているということを、例えて伝えようとしていただけである。

「私は全く車に載っているつもりはないですけど」と言われても、それはその通りであろう。だって今この瞬間にアナタが車に載って、崖に向かって車を走らせているわけではないのだから。
誰が何を言ってもアナタは、「私が正しいので、そんな私に意見をしてくることは何も聞く気はありませんし、そんなのは全て私の悪口とみなして、徹底的に戦います」などと言う。その状態がまるで『崖に向かってブレーキの壊れた車を走らせてるようなもの』ではないかと言っているのである。

あの時にすごく気になっていたのに、あえて言わなかったとして、それで後から大きな事故とか、大きな病気なんかになったとしよう。そうなってしまった時に「気がついているならちゃんと言ってくれたらよかったのに」などと言われるもの嫌なので、あえてあまり直接的にならないように例えて言ってみたのであるが、そうやってアナタに言ったところで「こんなのは私への悪口に決まっている」などとしか受けとられないのであれば、もうこれはもう、言っても言わなくても伝えようがないではないか。

私だけがそう感じているのであれば、「そんなヘンな見方をして、はじめから私に対して偏見があるんだろう」とか言われかねない。
これは少しおかしな言い方かもしれないが、私が誰と話していて、思ってもいなかったのに浮かび上がってくる内容というのは、まるで見えない誰かが「これ大事なことだからあなたから伝えて下さいな」と言われているような感じがして、話したりするようなことがある。そんな内容を伝えるときは、できるだけ的確にわかりやすく相手に伝わるようにしたい。だから感情的になったり、怒ったりイライラを吐き出したりみたいなことにならないように、できるだけ冷静になって話そうとしたりする。そうやって話しても伝えられないのであれば、もうこれはどうしようもないのかもしれない。

車は崖に向かって走っているのに、車を運転しているアナタには『崖に向かっているという自覚』がない。むしろ「わたしなりの生き方で確実に進んでいる」と思っているのかもしれない。
アナタに危険を伝えたくて、車の外から大声で「そのままだと崖に落ちるからーーっ!」などと叫んでいるのは一つや二つではない、生まれてからずっとあなたを守っているものが沢山で叫んでる。
しかし、アナタは窓をしっかり閉めて、音楽のボリュームを全開にしたりして、外からの声は全く聞こえない。
それで、車ごと崖から真っ逆さまに落ちても、落ちてるということが自分ではわからない。まるで飛ぶようなスピードで前に進めてるように、錯覚してしまうかもしれない。
しばらくして車は海に落ちる。大きな衝撃があり水しぶきがあがるが、それでも崖から海面に落ちたことには気がつかないのかもしれない。
そして、窓を閉め切った車はゆっくりと海底へと沈んでいく。車内に海水が噴き出すように入り込んできて、一刻を争う緊迫した状況である。
「窓を開けてーーっ!外に出てーーっ!」という声でずっと叫んでいるのは、きっと100%アナタを守りたい気持ちで言っているのだと思う。
それでもアナタは「これが私である。これが私の生き方である。私のこの生き方で間違いないのである」と、確固たる強い意志で、耳をふさぎ続けるのであろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?