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石鎚神社(本社)にはじめて行った

心臓は痛いし、映画を観ても集中できないし、文章を書こうとも思えない。もっと早く気が付くべきであったが、完全に私は自分の身体を乗っ取られているのだと思った。

まず腹が立つのは、乗っ取り試みる奴というのは心臓を狙ってくるようなのである。
私が以前に調子が悪くなった時に、ちょうど見える人に会ったのであるが、見える人は私を見るなり恐ろしい顔をして「背の高さは3メートルくらいの女性で、顔は普通の2〜3倍くらいあって、心臓を長い指の爪で刺している」と言った。
言われた時に頭に浮かんだ姿があまりに怖く、そんなもの実際に見えていたら気絶してしまいそうである。

この顔の大きい女性対して私が何かしたのだろうか。何故に見ず知らずの奴に心臓を突き刺されなければいけないのであろうか。まずズルいではないか。見えないのをいいことにこっちが何も出来ないところで、相手の弱いところをチクチク突き刺すなんて。
その行いを考えただけで卑怯者ではないか。私はそういう奴は大嫌いであるから、私の近くにいないで欲しい。その存在に対して腹が立つ。

私のお祓いというのは、あまりに頻繁に乗られすぎて毎回お祓いに行くとお金も時間もかかるから「もう自分でやってやる」と勝手に思い込んだだけのことで、はたしてちゃんと取れてるのか、自分だけで取れている気になっているだけなのかは不明である。
お祓いの中心になるのは、まずハッキリと私に入り込んでいる奴に対して「No!(ふざけんな)」と言うことである。「やめてくれ」「今すぐやめてくれ」「私はあなたに対して何もできない」「目障りなんでここに居るな」「さっさとどっかに行ってくれ」というのを声に出してもいいから、しっかりと伝える。
首と背骨の間のポコッと出ているところから、上方向に向かうものがジェット噴射みたいに噴き出す。それに乗せて私に入り込んでいる奴を高く遠くに飛ばす。この時私の頭では雲の遥か上に座ってる大仏様みたいなイメージを持っていて、できたら近所にまた落っこちるんではなくて、どうせなら雲の上の気持ちのいい場所に行って、もう二度と帰ってこないで欲しい。そんなイメージなのである。

そして同時に自分の中の、停滞していて固まってしまっている気持ちを壊して切り替える。「どうせどうせ僕なんかダメなんだ」みたいな気持ちに固められることがほとんどなので、それを壊す勢いで変えてしまう。
どっか遠くの行ったことのない場所に、旅立つような気持ちだったり。部屋の荷物を一旦外に出して、全部入れ替えるような気持ちだったりが、近いかもしれない。

今回もそれで挑んだのであるが「これはもう、ダメかもしれんね」という、乗ってる奴がやたら重たくて取れない感覚があった。「これで終わりなら受け入れるしかないか」というのもあったのであるが、「このまま奴らに持ってかれるのも嫌だなあ」という気持ちもありつつ車を走らせていたら「ああ、神社に行けば、それだけで取れることがあったなあ」と思い出した。それでたまたまその時に走ってた場所が愛媛であって、ナビに入れるとここから40分ほどで石鎚神社(いしづちじんじゃ)本社があった。
ハードオフとか行って中古品を見てる場合ではなかったのだ。お祓いである。お祓いを最優先にするべきであったのだ。

ちょうど国道から石鎚神社本社へ曲がるところでスマホがけたたましく鳴った。地震速報であった。
あたりにはハザード点滅させて止まっている車もいる。
それは大変なことなのではあるが、気を付けつつそのまま神社の駐車場に向かった。駐車場の周りに建物とか木とかのない場所に車を停めた。

周りを見回しても特別大事にはなっていないようなので、そのまま鳥居から神社に入り、長い通路を進み、階段を登って進んだ。
心臓は押すとまだ痛かったが、身体は少し軽くなったような気がした。鳥居のある入口に立っていた二体の天狗は頼もしかったし、はじめて来たので見るもの全てが楽しかった。
最後の長い階段を登ると大きな太鼓の音が「ドンドド、ドンドドッ」と聞こえた。境内では誰かのお祓いが行われているようであった。私は外の椅子に座ってそれを見ることができた。
私はお祓いをお願いしたりはしない。ここに来たのは神社の中に入ることで、私に乗ってる奴がついてこれなくなって、私から落ちるのを期待してのことだった。
「震度4だって」という声を聞いて、スマホで調べたら今居る西条市が震源に近かった。車で西条市に向かっていた時に、空の雲がまるで天界のように異様に美しかったのを思い出した。

はじめて「お守りじゃなくお札を買おう」と思ったので、石鎚神社のお札を買った。境内へ向かうの道の途中に「お札はこのように配置しましょう」という説明書きの看板があったので、スマホで写真撮って参考にすることにした。それに習って、帰り道のホームセンターで簡易的な神棚とか、お酒やお米や塩や水の器を購入。塩と酒はドラッグストアで買った。

今も心臓あたりを押すと痛い。痛いではあるがなんだか頭はかなりスッキリとしているのがわかる。
なにが正解かはわからないが、ズルくて卑怯な奴に見えないとこで好き勝手やられるのはイヤだ。なにをするべきなのかは、まだよくわからないが、今は与えられた課題に、ひたすら対応しようとしているだけのような気がする。

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