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【映画のパンフ 全部見せ】No.13,14,15,16 テリー・ギリアム監督作品4本立て『バンデットQ(1981)』『未来世紀ブラジル(1985)』『バロン(1988)』『12モンキーズ(1996)』

テリー・ギリアム監督の4作品のパンフをまとめてみました。どのパンフも特別に凝った作りのものがなくて普通な感じなのが、この監督らしくない感じがします(ペーパークラフトとか入れて欲しい)。
4冊のパンフの見どころは、はじめは作品の写真と簡単な紹介だけだったのが、15年の間にページデザインがどんどん進化していって、印刷もキレイになっていくところでしょうか。


No.13 『バンデットQ(1981)』

『バンデットQ(1981)』

『バンデットQ』は子供向けとは言っても、主人公の少年(とショーンコネリー)以外のキャラが少しおバカ過ぎるのが気になります。それによってブラックな展開でも、あまりリアルに感じ過ぎずにおとぎ話みたいに観れるのではありますけど。もし子供と親で見たりしたら、きっと親は頭を抱えてしまうでしょう。それくらいヒドい(下品とか悲惨とか)シーンが多い。絵本のような映像イメージはいいが。


No.14 『未来世紀ブラジル(1985)』

『未来世紀ブラジル(1985)』

『未来世紀ブラジル』は風刺的なお話です。ダークな近未来の雰囲気があるディストピア作品(『ブレードランナー』など)の傑作と思います。特撮も模型を使っている(『バンデットQ』も)のでCGと違って人の熱が感じられ、能面とかサムライとか日本のイメージが融合して、絵的にも素晴らしいシーンが多いです。私は今作は大好きで、何度も観てます。


No.15 『バロン(1988)』

『バロン(1988)』

『バロン』は明るいおとぎ話です。本当はもっと長かったようななのですが、予算とか時間とかがひっかかって短くなったらしくて、端折ってバッサバッサ切ったような、少しテンポが慌ただしい感じがします。かといってこれを3時間というのもしんどいかもしれません。贅沢な映像美を細部まで堪能するにはDVDでなく是非ブルーレイで観てください。


No.16 『12モンキーズ(1996)』

『12モンキーズ(1996)』

『12モンキーズ』は時間を行ったり来たりして人類の破滅を阻止しようとするお話です。私はこの「タイムマシンが出てくるお話」が苦手なので、1回見ても理解できずでした(今回観てやっと最後がわかりました)。特に公開当時は「ウイルスで人類の危機が起きる」ってのがイマイチついていけなかったのですが、これが新型コロナ以後に観ると、グッと切実に伝わってくるのです。特にメインの3人(ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピット)が全員が正気じゃないような描かれ方をしていたり、精神病院の中のシーンとか、街を動物が歩き回るシーンとか凄くよかったです。


テリー・ギリアムが原作・脚本ではない『12モンキーズ』をあらためて観て、思いのほかよかったです。映像イメージ的にもカメラの動き的にもテンポ的にも、細かいとこまで行き届いているのは、テリー・ギリアムがしっかり監督仕事をしているってことでしょう。
原作や脚本は別の人にまかせて自分は監督に専念することで、「音楽のセッション的な」いい感じの融合が起きているように感じます。
映画にこだわらずに、予算をたっぷり使えるようなサブスク(プライムとかNetflixとか)で、60分×8話みたいな作品を作るのが向いてるのかもしれないし、是非観てみたい。

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