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『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(Netflix 30分×38話)』を観ました。

(※これはまだ『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめていない人向けに書いてます)『ジョジョの奇妙な冒険』第6部のアニメ作品ではありますが、はじめて今シリーズから見ても面白く観れると思います。
私なんかはすぐにテレビで観れると思ってたのですが、やっとDVDになってもまだ最初の方だけだったり、ついに待ちくたびれてNetflix に復帰(5年ほど前に入っていた)して観てしまいました。

・持ち主の人間がピンチになるとスタンド(持ち主の傍に出現してさまざまな超常的能力を発揮し、他人を攻撃したり持ち主を守ったりする守護霊のような存在_wikiより)なるものが出てきて、いっしょに敵と闘ってくれる。
・向かってくる敵がスタンドを使って攻撃してきて、それを主人公が工夫してやっつける。
・敵の親玉みたいな存在を倒すという、最終目標みたいなものがある。

『ジョジョの奇妙な冒険』ってこんなお話(自作)

ここだけ見れば今までのヒーローものとかと同じかもしれないですが、観てみるとなんだか「奇妙な雰囲気」を感じるかもしれません。でもって、今作は他のシリーズとは違って主人公は男子(だんし)ではなく女子(じょし)です。

今作にはもちろん守護霊のようなキャラクターのスタンドが出てきて、例えば主人公の空条 徐倫(くうじょう ジョリーン)のスタンドはストーン・フリーという剥き出しのマネキンみたいなヒトガタ(人形)さんがピンチになると出てきて、相手(のスタンド)をボコボコに殴ったりしてくれるわけです。でもそれだけでなくストーン・フリーの身体が“糸”でできていて、その“糸”をスルスルとロープみたく伸ばして相手を追跡したり、“糸”を編み込んでネットみたいにして身を守ったりするのです。そういう「“マテリアル=物質・生地”をどう使うか」ってもの今作の特徴かと思います。

私の好きなのは「奇妙な雰囲気」なのです。前半は比較的わかりやすい敵との戦いだったりしますが、後の方になると「見る側がついていけるんだろうか?」という展開が出てきたりして、そこに「奇妙な雰囲気」があるのでした。

▼奇妙その1.  敵の「3つ以上覚えられなくする」攻撃

主人公の徐倫(ジョリーン)が脱獄(舞台が女性刑務所です)しようとすると敵スタンドが出てくる。相手のスタンドの能力は「3つ以上覚えられなくする」っていうもの。例えば以下みたいなことになる。
1.敵はこんな特徴の女だ。
2.食事をしに食堂に行こう。
3.チケットを持ってきてないから食事がもらえないのか。
ここで3つ使ってしまったので、もう一個増えるとはじめのが消えてしまう。
1.あそこの空いてる席に座ろう。
となると、目の前に敵が座っても敵とはわからずに「あれ、コイツ誰だっけ、知ってる人だっけ?」となってしまう。
なので、主人公は忘れないように手とかにペンでメモるのであるが、メモの内容を読んでもなんのことだかわからなくなる。
これが敵の攻撃ってなんだか「奇妙な雰囲気」である。

▼奇妙その2.  敵の「あらゆるキャラクターが物語から出てきて」攻撃

絵本をめくって見ると何故かキャラクターの絵がなくなって空白になってる。なんと、キャラクターが次々に物語の中から出てきて攻撃してくるのである。そしてそれは物語の流れ通りになるので、自分が最後にやっつけられるオオカミとかであれば、羊たちに確実にとどめを刺されることになる。
(例えば桃太郎が目の前に出てきたとして、自分の頭には2本ツノがあって鬼であったならば、最後は退治されることが確定しているので、どう戦っても勝ち目がない)
これも敵(スタンド)の攻撃なのであるが、それがはじまってしまえばもう誰が敵かもわからないままで戦いようもないではないか。
これが敵の攻撃ってなんだか「奇妙な雰囲気」である。

▼奇妙その3. 敵によって「時間がどんどん早くなっていく」状態

はじめは「さっき雨降ってきたのに、もう濡れていないって、なんかおかしくない?」とかであったが、太陽が出たと思ったらもう沈んで、そのうち太陽も彗星みたく線が見えるようになっていく。自動ドアには早過ぎて挟まれるし、ニュース番組も朝のニュースをはじめてしばらくしたらもうとっくに昼のニュースになっていて、気がついたら夜のニュースの時間になってたりする。
これを漫画で読んだ時に「こんなのが映像で見れたらさぞかし幸せであろうなあ」と思ったのですが現実になってしまいました。とても嬉しい。
世界がこんなことになってしまうなんて「奇妙な雰囲気」である。


特に今作の終盤は、漫画ならでは表現であったり漫画でしか見れない見せ方と思っていたので、そんな作品がちゃんと動画(アニメーション)として動いてるのは驚きです。

私は終盤だけコンビニで売ってた分厚い漫画本で持っています。この漫画を洋楽(カーペンターズとか)をイヤホンで聞きながら、ページをめくっていくことにハマっていた時期があって、かなり何度も何度も再生していました。

声優さんについてです。
主人公の徐倫(ジョリーン)役のフリーファイルーズあいさん素晴らしかった。「今作が好き過ぎる」と余計に力が入りすぎてスベるとかありそうなのですが、その気持ちがよい方に向いていて、結果よい作品になったと思います。引っかかるところがなかったです。本当にお見事。

プッチ神父役の声優さんの関智一さんが凄かったのでした。こんな声を載せている感じがしないってことはあまり知らないです。引っかかるところがなかったのはもちろん、グッとキャラクターに血の通った生き物的な感じが出ていたような気がしました。声を合わせるだけでなく、厚みが増すなんてことがあるんですね
例えば、俳優さんが演じてるように見えなくて『まるでそういう人がそこに居るみたい』っていうのと同じ感じがして、一瞬もブレることなくプッチ神父がそこ居たように感じました。絶賛。

はじめの頃のオープニング↑は好きでした。
終盤からは別のオープニングに変更されてしまって、ストーンオーシャンらしさ=(格好なんて気にしない真っ直ぐさ)が感じられなかったです。なので、観るときにほぼすっ飛ばしてました。

私なんかの『ジョジョの奇妙な冒険』 歴は、はじめ『スターダストクルセイダース』から入って、一番雰囲気が好きなのは『ダイヤモンドは砕けない』(傑作と思うのは『戦闘潮流』)というよく居る途中参加タイプなので、深くは考察できてないとはところはなにとぞお許しを。


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