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紹介したのは誰?~「いただく」「される」ちゃんと使えてますか?

あなたは営業マンです。
自分の顧客である山田さんから、新たな見込み客として鈴木さんを紹介してもらいました。

では、ご紹介いただいたのは誰ですか?と訊けば、「え?僕ご紹介いただきましたが……、何か?」と答えることでしょう。「鈴木さんご紹介いただきました」という答えもアリです。答えとしてあり得ないのは紹介者である山田さんです。
では続いて、ご紹介されたのは誰ですか?と訊けば「それは山田さんです」などと返ってくるかもしれません。

それでは、次の写真をご覧ください。

某キャンペーンポスターの一部です

山田さんと鈴木さんでいえば、どちらがどちらに該当するのか、少し考えてみてください。いったいどちらが紹介者で、どちらが紹介された側でしょうか……?


<休憩コーナー>

強風の日に家の前に枝ごと落ちていました。
変わった形状が気に入り、
ミニチュア・クリエーター 工房てるとさんより 頂戴した ミニチュア花器に挿してみました。

さて、いかがでしょうか。
では、ポスター全体を見てみましょう。

これはフィットネスクラブに貼ってあったポスターです。
紹介キャンペーンということは分かります。
もう入会している人は入会金が0円でも意味がありませんから、右がこれから入会する人、つまり紹介される側ですね。
ということはデジタルギフトがもらえる左側が紹介者ということになります。

……。
言葉を見ても意味が分からず、ポスターが張られている状況や内容を見て判断しなければならないとしたら、敬語とは単なる雑音でしかないではありませんか。

何を言っているかは分からないけど、状況から判断してきっとこういうことを言いたいんじゃないかなぁという訓練をしていると、国家の首相が訳の分からないことを言っていても「きっと国民のために考えたことを話しているんだろうなぁ」と流すようになっちゃいますよ!

ちょっと心の声が溢れてしまいました。
今回のポスターについては、「方」も立派な敬語ですから、「紹介した方に」「紹介された方は」で十分だと思うのですが、いかがでしょうか。

そしてもう一つ、「ご紹介された」って間違いじゃなかったっけ、と気づいてくださった方はいらっしゃいましたか?
何度か取り上げている間違い敬語ですが、次週深堀したいと思います。

それでは、また。


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