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相手の期待する役割になりきれ!

コールセンターでは、まず電話を取ったなら、「①明るく笑顔が伝わる声」で、「②少しゆっくり目」に、「③はきはきと聞き取りやすい話し方」をするよう指導するところが多いと思います。
もしも、お客さま窓口の対応者の話し方が暗く不安そうな声でぼそぼそと聞き取りづらく、しかも、あまりにも早口やあまりにもゆっくりな速度だったら、きっとあなたは電話をかけたことを後悔するでしょう。
いやいや、そんな人、普通いないよ、だってさっきの3点は当然のことだし、なんなら子どもにだってできる必要最低限のマナーじゃない、と思われるかもしれません。

一般的なイメージを再現する難しさ

社内を見渡せば、誰もが明るくはきはきしていつも愛想の良い人ばかり。もちろん自分も嫌な顔ひとつ見せたことはない。
そんな職場がどれだけあるでしょうか。職場には限りません。PTAでも趣味のサークルでも町内会でも構いません。実際の人を思い浮かべてもらえれば、口数は少なくぼそっとしか話さないけれど信頼できる人や、いっつもイライラしていてすぐ怒るけれどいざというときは守ってくれる頼りがいのある人がいたりはしませんか?表情は豊かだけれど、言われてみれば声に抑揚はないかも、という人はかなり多くいます。
そういう人たちにとって、先の3点を守って話すというのは、なかなかに難しいことなのです。

人柄を理解し受け入れてもらう暇はない

人には添うてみよ馬には乗ってみよと言います。
ある集団に新しい人が入ってくればハレーションが起きることもあるでしょう。それでも、3日、3週間、3ケ月とたつうちにだんだん人柄が伝わり、馴染み、信頼関係が出来上がり、仲間になっていきます。

しかし、3分で終わる通話にはそんな暇はありません。対応者に対して「ん?この人大丈夫かな?」と不審を抱かせてしまったら、挽回できるチャンスは少ないのです。だからこそ、企業を信頼して電話を掛けてくれた人に、そのイメージを壊すような名乗りをしないよう、指導が必要になります。通話全体を通して理想的な話し方をすることができなくても、少なくとも最初だけは理想的な話し方にできる限り近づけてもらいたい。そして、第一印象だけでも良くすることでその後に続くコミュニケーションを円滑に進めてもらいたい。そして、できるなら、その印象の良い話し方を少しでも長くキープしてもらいたい。そう思いながら指導しています。

第一印象の重要性、伝わりましたか?

ここまでの文章を読みながら、なるほどねぇと納得してもらえたなら、ぜひご自身が外線を取るときの声を録音してみてください。
さて、冒頭の3点、できていましたか?

次週は、電話を終えるときの言葉について書いてみたいと思います。

それでは、また。


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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。