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マニュアルを作るために、できることを具体的に考える

マニュアルについて、先週、先々週と書いてきました。

なんのかんのとマニュアルが作れない理由はありますが、それこそがマニュアルが必要な理由であるとみてきました。

たとえば運用がコロコロ変わるのに、百科事典のような紙のマニュアルを作っていては修正をするのに手間がかかりすぎ、実用的ではありません。HTMLなどで表示させたものを共有し、修正がかかるたびに更新させるなど、作り方の工夫も考えなければなりません。

自分が唯一の管理者であるという小さなセンターであれば、そうやって自分が試行錯誤して力技でマニュアルを作り上げるということも可能です。しかし、ある程度の規模があるセンターということになると、自分一人ではなんともなりません。

原因を探す

そんなとき、まずやらなければならないことは、上司と仲良くなることです。それは、マニュアルが作れない理由として述べられる言葉が本音ではない可能性があるからです。

「忙しくてマニュアルなんて作っている暇がない」と言いつつ、実は責任を持つのが怖いのかもしれません。
本来なら管理者がオペレーター業務をやっている暇はないはずなのに、オペレーターから偉そうだと言われるのが怖くて、率先して一次対応をしているなら、マニュアルを作る時間はひねり出しようがありません。

「業務範囲が明確でないから、ここはマニュアルが作れないんだよ」と話すその真意は、他部署とのコミュニケーションがうまく取れず、調整ができないということかもしれません。

モンスタークライアントの場合、マニュアルを認めてしまうとその業務範囲しかさせることができないから、つど指示を出してなんでもやらせることができる今の状態のほうがいいと考えているかもしれません。

本当の原因を見つけて、それにアプローチすることが大切です。

自分のできることを探す

自分のできることは、置かれた立場によって変わります。

もし、自分自身が率先してつい一次対応をしてしまう管理者ならば、どうすれば電話を取らず管理業務に集中できるのか考えなければなりません。
たとえば上司に「管理者であるお前が電話を取るな」とみんなの前で言ってもらえたら、安心できるかもしれませんよね。

もし、上司が他部署との調整を避けているためにマニュアルが作れないなら、上司の上司に相談する必要があるかもしれませんし、モンスタークライアントにマニュアルを認めさせる方向で調整するなら、営業担当とも連携しなければならないでしょう。

もし、作業手順について意見の異なる管理者がいるなら、その二人がしっかり話し合わないとマニュアルは作れないかもしれません。その場合、二人の間に立って意見をすり合わせる手伝いをすることが望ましいかもしれません。

もし、マニュアルを作るように言われているのにどうしたらよいか分からず進められないなら、とにかくデータを集めましょう。今日はどんな問い合わせがあったのか、それを毎日集めていれば、よくある問い合わせが見えてきます。まずはそこから始めてはいかがでしょうか。

焦らず、あきらめず

あなたのいるセンターにマニュアルがなく、そのまま数年運用されてきたというセンターなら、あと数年マニュアルがなくてもきっとセンターがつぶれることはありません。

ただ、マニュアルがあれば、残業率や退職率やミス率が減り、日々の業務や改善や教育が捗ることでしょう。

今までやってこなかったことをやろうとすれば、どうしても波風は立ちます。その波風から守ってくれる人や、共に立ち向かってくれる人がいなければ、自分一人がつぶれてしまいます。

魔法のような解決策を期待していた方には肩透かしと思われるかもしれませんが、まずは、センターの問題点を理解し、問題意識を共有してくれる味方を増やしましょう。みんなと手をつなげたら、階段を一歩一歩登っていくような感覚で進めていきましょう。

それでは、また。


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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。