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第113弾「街角」

ハーイ!みんな元気?あたしけいご。

113曲目はこれ。街角。作詞は、キーボードの稲村彰人です。流れること、軽やかに生きるということは、あっちこっちに行くことじゃなくて、家にいても、どこにいても、心を自由に遊ばせておけること。そのためには、リラックスすること、想像力を巡らせること、できるだけ遠くに、海とか、惑星とか、死ぬこととか、そういうことを考えるのが、いいように思った。

「街角」 作詞・Akito Inamura  作曲・Keigo Sakatsume

公園には、いつもの帽子
ハトとスズメとカラスとネコと
日差しが陰を心に落とす
風の匂いが懐かしい

路地裏には、いつものチョッキ
ビニール袋と埃と煙草
雨が世界をここだけにする
土の匂いが懐かしい

街角には、いつものドレス
ぼくとわたしときみとあなた
星が涙に滲んで溶ける
花の匂いが懐かしい

あきとの詞は「優しい」と思う。ひとそれぞれ特性があって、あたしは『火』の要素が強いから、コミュニケーションを取るときも「ぶつかり合う」ということを、良くも悪くも大事にする。言いたいことを言って、本音をぶつけあって、それによって覚醒したりすることに、醍醐味を覚えたりする。だけど、自分が『火』であることを思い悩んだりもする。なんで、もっと穏やかになれないのかと。火は、取り扱いを間違えると、火傷をする。太陽は、誰かを温めたり、道を照らしたりもするけれど、近づきすぎると火傷をする。燃え尽きるし、燃やし尽くす。それに対して、あきとには『土』の要素を感じる。言い換えるならば、味噌。あらゆる菌類を、栄養に変える。

この前、新潟在住の方から「新潟にいるなら是非会いましょう!」と連絡をもらった。初対面の女性で、ブログを読んでくれているひとだった。彼女は、あたしに、色々な話をしてくれました。そして、最後に「坂爪さんは聞き上手ですね。初対面なのに、誰にも話したことのないことまで、話してしまいました。ブログのイメージでは、もっと『俺は、俺だ!』って感じのひとなのかと思っていたのですが、なんだかすごいゆるくて、安心しました」と言った。我々Agapeのメンバーは、多分、全員寡黙だと思う。しゃべるときはしゃべるけど、基本、聞く。ただ、それは我々がおだやかだからなのではなく、しっかり、燃えている。それは、赤色じゃなくって、青色の、炎。

あたしは、人間の集団に足を運んでも「一番口数の少ない人間が、一番真実をつかんでいる」ように感じることが多い。逆に、饒舌なひとほど、形式的に感じることが多い。なんと言えばいいのか、答えをもっているひとに昔から全然興味がなくて、問いを抱き続けること、その『タフ』さをもっているひとが、好き。とりわけ、人間関係はそれを強く感じる。万人共通の普遍的な部分もあれば、個人個人でまったく異なる部分もある。大事なことは「目の前の人が、いま、どうであるか」だと思う。相手を知るには、まず、聞いたり、見たり、知っていこうとすることが大事だと思う。そうじゃないと、キャッチボールなんてできない。それを、いきなり「正解はこれです」って話しはじめちゃったら、誰に話しているのかわからなくなる。よく見ること。よく聞くこと。よく感じること。あたしは、それが大事な気がする。

ただ、寡黙でありすぎることも問題がある。自分の気持ちをしっかり伝えたいがあまり、言葉を探しすぎて、ただ、時間だけが過ぎ去る。結果、相手に「なにも言葉にしてくれない」という不安や、ストレスを与える。だから、どんなに短くてもいいから、これだけは、と思った言葉を、ひとつだけでもいいから伝える(残す)ことが、大事だと思う。できるだけ、すぐに。いまは言葉がまとまらないなら「いまは言葉がまとまらない」と、それだけでもいいから、しっかりと伝える。まとまってから話すのではなく、まとまる前に「まとめたいと思っている気持ちがある」と、伝える。そうじゃないと、諦める癖がついてしまう。それは『どうせ、自分のことなんて誰もわかってくれない』とか『このひととは付き合っていても意味がない』とか『自分は気持ちを言葉にするのが苦手だ』という、冷たい諦めを生む。これはよくない。自分を理解して欲しいと嘆く前に、果たして、自分はどれだけ自分を「伝える」ことをしてきたのか。ただ、待っていただけなんじゃないのか。

世の中には成功法則とか色々あるけど、大事なことは「自分の気持ち」だと思う。自分をストレートに表現できれば気持ちいいし、自分を押し殺して抑圧してしまうと気持ち悪い。自分を表現するということ。それは、教科書を暗記して100点を取ることとは、根本的に違う。期待されている行為をするのではなく、ただ「自分はこう思う」と、自分の意思を伝えること。外側にある正解をなぞるような生き方をするよりも、自分の正解に従うこと。自分の正解とは、いま、自分がなにを感じているのかということ。それは、幼児的な怒りを発散するようなことではなく、自分なりの「心を込めて」なにかをしたり、なにかを言ったりするということ。たとえ、自分の言葉が相手を傷つけたり、無視されたりしても、自分が「自分は、自分が思う正解に従うことができた」と思えたならば、爽やか。心を込めるとか、正しいことをするとか、誠実に生きるということは、そういうことだと思う。自分が、自分であることに胸を張るために、自分が思う「正解」に従うことだと思う。

あきとは、過去に三作作詞をしている。保科さんの作詞が「思いっきり保科さん」であるように、あきとの詞は「思いっきりあきと」であることが、面白い。ウルトラ当たり前のことだけど、自分と同じ人間はいない。と言うことは、誰もが、オリジナルな視点をもっているということ。せっかくなら、あたしは、みんながどういう風に世界を見ているのかを、知りたいと思う。逆に言えば、どこかの本で読んだ話とか、誰かがこんなことを言っていたとか、そういう話に興味がない。虎の威を借りてんじゃねえよ、とか、お前は、お前の話をしてくれよ、とか思っちゃう。大袈裟な言葉になるけど、あたしは「もうひとりのあなた」で、あなたは「もうひとりのあたし」なのであると。誰かの世界観を知るほど、自分が見ている世界の広がりは増える。

この三作品は、過去、あきとが作詞をしたものになります。ひとりの人間にもいろいろな側面があって、あるときは「これが俺だ!」と思っていた自分自身が、まったく別の側面を見せることがある。だから、自分で自分を「自分はこういう人間だ」とか、あまり決めつけないでもいいのだと思う。あたしは、あたしに『火』の部分を強く感じるけど、水になる朝も、土になる昼も、風になる夜もある。音楽を作ることの良さは、自分の多面性を、作品化できることだと思う。振り返ってみると、100曲以上作ったけど、いろいろな感情がある。さみしいときはこの曲を、うれしいときはこの曲を、みたいな。どれも、あたしという一人の人間が作った曲だけど、そこからあふれてくるものは、とてもカラフルなものだった。元気なときもあれば、元気じゃないときもある。これは、当たり前のことなのよね。当たり前だと思えれば、受け入れることができる。受け入れることができれば、生きていける。

新潟にいるので、海で、過去の曲を振り返っています!ホライゾン!案外、良い詞だと思います!よかったら聞いてください!非常にありがたいことに、ちょっと前に「これまでの音楽をCDにしたりSpotifyで配信するために、レコーディングをしませんか?」というご提案をいただきました。お誘いは猛烈にありがたかったのですが、我々、あまりにも素人であるために「誰ひとりまともな演奏をすることができない」という理由で、一旦お断りをしました。音楽活動宣言をしてから、もう少しで半年が経ちます。せめて、あと半年後くらいには「いよいよレコーディングできるようになりました!」と言えるまでには、我々、レベルアップできるよう精進しゃらす!!

じゃあ、またね。愛してるわ。バイバイ。

坂爪圭吾 keigosakatsume@gmail.com

【イベント情報】

8月24日&25日(土&日) 15時~16時@神奈川県横浜市「ごちゃまぜの家」

9月9日(月) 19時半~@東京都吉祥寺「曼荼羅」

※※※ 詳細は決まり次第更新いたします ※※※

○バンドプロフィール紹介

Agape(アガペー=神の愛という意味がある)

2014年2月14日。Guitar & Vocal の坂爪圭吾が、当時同棲していた彼女に振られ、振られた勢いをそのまま活かすかたちで、「ひとは家がないと生きていけないのか」という問いを持ちながら、定まった家がない状況で如何にして生きていくかという実験を開始。

その体験談を綴ったブログ『いばや通信』が、爆発的な人気を博し、結果的に日本全国、世界20ヶ国ほどに、トークイベントなどで招聘されるようになる。「とにかくやばいことだけをやる」というコンセプトに基づいた会社、【合同会社いばや】の代表としてブログや講演活動に専念するなか、“家を熱海に買ってもらう”というゴールを果たした頃に、会社が円満解散。

ホームをレスしてからちょうど5年後。2019年2月14日。イタリアはヴェネツィアで、ある女性を通じて「音楽をやりなさい」という啓示を受けた坂爪圭吾が、日本に帰国後、一日一曲の曲作りに邁進するなか、一人、また一人と毎月メンバーが増えていき、現在5人体制で活動している(今のところ全員無宗教)。

メンバーのほとんどが、“中学校の授業以来”という驚愕のバンド結成状況の中、「ド素人から成長していく姿を公開していくことが、自他共に勇気が出るのではないか」と開き直り、約半年で、およそ百数十曲の音源を作る。それらの楽曲は、「ジャンルはなんですか?」とカテゴライズされないために、様々な趣向が凝らされている。

メンバーそれぞれが、駄目なら駄目なりに、失敗したら失敗したなりの姿を晒していくスタンスで、“技術だけではない何か”を感じてもらえるような演奏を心がけている。
◯メンバー紹介

Guitar & Vocal の坂爪圭吾(34)音楽活動歴約半年で、毎日一曲のペースで創作し、百数十曲の持ち曲のほとんどの作詞作曲を手掛けている。

Bass 保科亮太(31)音楽活動歴約五ヶ月で、「圭吾さんがギターで、ドラムは重そうだから」という理由でベースに挑戦。作詞も手掛けている。

Guitar 竹谷純平 (34)音楽活動歴約四ヶ月で、「誕生日が一番早いのと、唯一の長男だから」という理由でリーダーに抜擢。愛されキャラでありつつ、“アニキ”の愛称で親しまれる。ライブ時のMCと、エレキギターでのソロ演奏に注目。

Keyboard & vocal 稲村彰人 (26)音楽活動歴約三ヶ月で、仲良くしていた先輩たちに、半ば強制的にバンドに加入させられる。が、秘めていた才能が開花。その独自の世界観と歌唱力から、米津玄師さんに対抗しないかたちで人気を獲得している。

Drums 嘉向徹(28)バンド結成前から坂爪たちと親しくしていた、最後の精鋭。メンバー全員が「アガペーのリズム体になるのは、彼しかいない」と断言し、その登場を待ち続けていた。“ドラムというより、大地そのものを叩きたい”という独特の表現は、幼少期から海とさざ波の中で育った背景に起因している。音楽活動歴、堂々の0ヶ月で、初ライブに挑む。
◯バンドからのメッセージ

まずは「1年後、見ててください!」を合言葉に、Agapeを応援してくれているファンと共に成長していきたいと思っています。年齢的にはアラサーですが、まだまだ多感な我々Agapeの音楽を、ぜひリアルで体感していただけたら嬉しいです。

9月9日(月)19時半~@東京都吉祥寺「曼荼羅」でお会いしましょう!!


バッチ来い人類!うおおおおお〜!