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僕がリズム感が良くなった過程(1)

タイトルからしてこれでいいのかな、と自分でも不安になりますが、いいことにしましょう。

僕は教えていた時期が少しですがあります。クラシック以外のピアノ、という事ですが、生徒の立場の人は、クラシックのピアノを学んでいて(僕なんかよりも華麗に弾きこなし)、でもそういう生徒がぶつかる問題が二つあって、アドリブと、リズム。

ピアノ以外の楽器の人でも当然いるわけです。皆、譜面を綺麗に演奏することは上手で、僕から見てるとあと少しなのに、勿体ない。。!と思うケースばかりでした。

僕は、今はリズムの問題で現場から苦情が出ることは無いですが、昔は沢山あったのです。

わりと現場で体当たりで感覚を掴んでいったように思うので、この体験を恥ずかしいことも含め、経験してきたことをなるべくそのまま伝えていったら、今そこにウィークポイントがある若手のプレイヤー達にはもしかしたら助けになるかも知れない。
1人でも、誰かがこれを読んで、迷宮から抜け出す手助けができたら、嬉しいなぁと思うのです。

今までも似たような事を書いたこともあると思いますが、まぁいいですよね。。

はじまり〜学生時代

僕はすごく一般的な日本の家庭に育ちました。
音楽一家ではなく、それでも、音楽が好きになった僕をヤマハに連れて行ってくれたことは親に感謝しています。
ヤマハではピアノではなくエレクトーンを選びました。なぜかというと歌謡曲に近いのがエレクトーンの方だと思ったから。いろんな音が出るし、なにせ足も入れて3パート。リズムはオートで鳴ります、演奏しているとはいえないですが、全部で4パート。もうバンドです。

ヤマハの仕組みに入ってみると、当時のフュージョンブームのこともあり、そう行った曲集もたくさん演奏したし、耳コピで譜面を作ったり。。

でしたが、音楽教育的な部分に関していえば、クラシックからの基礎的な理論、っていう感じだったのかな、と思いました。僕は元々理屈っぽい子供でしたので、理論とか、そもそも好きなんです。

リズムに関してはそういったフュージョンの曲などをコピーしていて、それなりに器用に弾いていたので、自分がリズムが悪いなどと考えたことがありませんでした。
16分音符が複雑に絡み合う音楽を演奏したり、聞いたり、すごく好きでした。

その後、ヤマハは中学校でフェードアウト。
高校では、バンド活動、高校の軽音楽部から広がり、札幌市内の同世代の仲間(山田章典くんや田中栄二くんなどですね!)も出来、色々な音楽を様々なパートで演奏しました。

ドラムは小学生の頃ヤマハで1、2度叩いたのが始まりで、中学の時は友達の家で練習し、高校の時もよく演奏していました。

そんなある日、録音できるカセットウォークマンがあったので、自分たちのバンド練習を録音してみたことがありました。その時僕はドラマーでした。
これをプレイバックしてびっくり。自分がフィルインで走っちゃって着地がずれているんですね。そんなはずはないと。。でも他の箇所もみんなそうでした。

これが、自分が演奏しているリズムに自信が無くなったきっかけでした。
普通に演奏すると合わない、、ということは意識して演奏しないとずれるということなので、常に意識するようになって、
人間関係に例えていうと、ドキドキして上手く喋れない人、みたいな感じになってしまいました。

東京に来ました

上京して音楽の専門学校に入ったときも、もちろんリズムに自信があったわけでもない。
でもまぁそこそこなんとかなっているだろうと、思っていました。
ただここまでは、誰かがリズムの要を演奏してくれているのが条件だったんだと思います。シーケンスでクオンタイズすれば大丈夫。生演奏ではドラマーがいれば大丈夫。

そもそも、プレイヤー指向じゃなかったんです。出来る事ならアレンジャーとして。キーボードパートは打ち込みもあるので、必ずしも弾かなくて良いわけですし、時代的に。
なので尚更、演奏を詰めていくよりは、今その時代のサウンド、アレンジを知る。。ということの方に興味がありました。

しかし、自分の人生はなかなか自分で選べない。。演奏の方で人から人へどんどん繋がって、プロミュージシャンのアンサンブルに混ぜてもらえるようになりました。

これは嬉しかった。。知り合いが増えていく、憧れていた人と演奏する機会とかにもすぐ恵まれました。仕事も色々と始まっていきました。
もちろんほとんどの人が先輩。若い人でも5歳年上10歳年上とかそんな感じです。僕が19歳とかだから、25〜30歳くらいの人たちに沢山世話になっています。。

考えてみたら、彼らだって十分若手ですよね。。(笑)

すでに経験豊かな先輩と演奏すると、やっぱり、リズムのことを言われるわけです。言われ方はまぁ色々、、、、とにかく色々な角度からダメだと言われるわけです。
お酒を飲みながら、色々と言われるんですが、正直何も分かりませんでした。
今考えるとここでくじけなくて本当に良かったと思う。。。

リズムが悪い、、ということで、自分の音楽の興味も徐々にリズムがあるものから無いものへも移ってきました。
元々理論好きだったのもあって、ECM系などのゆっくりゆらめいているような音楽、あとフリーとか、現代音楽とか、マニアックで暗い世界に没入していきました。。普通にポップス好き、だったのに。
それでもこういう音楽は、ハーモニーの宝庫ですし、どっぷりはまったことで、どんなに難しいコード進行の上でも大体アドリブが取れるようになりました。作曲のバリエーションも増えました。

しかし、こういうところで揺らめく水面ばかり表現していても(笑)リズムはちっとも良くならない。

僕の中には沢山のジャンルの音楽が鳴っていて、もっと色んなアンサンブルで機能しなければ。
自分のリズムの問題に対峙。
正面からぶつかって行かなければいけないと、気付けたのは良かったと思っています。

(2)に続きます!

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