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絶対音感と相対音感

今ちょうど札幌に来ています。冬の札幌は寒いですが、やっぱり外の景色は美しいですね。

よく、「絶対音感がある人はいいよな、、僕なんて相対音感だからさ、、」
とかそういう意見聞きますよね。
ちなみに僕はというと、楽器が家にあったのは小学3年生以降ですが、絶対音感は身についているようです。
ようです、、というのも例えば比べることなしに、440hzと442hzの違いとかは分かりません。
しかも加齢のせいか、年々、楽器なしに自分がピッチを出すと低くなっていっているようです。メトロノーム無しで出すテンポも遅くなっています。困ったものです(なので必ず確認するようにしています)。

この絶対音感、相対音感、この二つは両極の存在というわけではないよなぁ、とずっと感じています。絶対音感というのは、音楽がかかっていれば、それがド、だとかわかるというものですが、そのさらに研ぎ澄まされた人(Violinistとか)は440hz 441hzの違いもわかる、そういう人が割と沢山います。

僕はこれは広大なキャンバスの座標のようなものだと思っています。分かれば確かに便利です。

相対音感というのは、そこがド、だと言われればそこからのドレミファソラシドで聞こえてくるというもの。これは、僕は、曲のキーのことだと解釈しています。
キーが不明瞭な音楽というのもありますが、世の中のほとんどの曲には明確なキーが存在していると思います。
クラシックでは、例えばバロックなどは細かく転調の技法が駆使されていますが、それぞれの箇所でキーは明確にできると思います。

ドビッシューなど印象派あたりは不明瞭なものも多いですが。でもこちらはこちらでモードはハッキリしていますね、本当にハーモニーの色彩の変化を味わう、美しさたまりませんよね。

ほとんどの音楽を演奏したり、
もっというと感じるためには、キーが欠かせない要素かなと思います。
多くの人が音楽を好きだと思うんですが、ほとんどの人には相対音感が自然に備わっていて、それで音楽のメロディーを楽しんでいる、と思われます。
(それで演奏できる、かは別問題です)

先ほど絶対音感はキャンバスの座標、と書きましたが、相対音感は自分の居場所からどう進むかの情報のみを取り扱っている感じですね。

12音のシステムは本当に素晴らしくて、同じメロディー、ハーモニーをすべてのキーに移動させて、どこでも同じ形を再現できるようになっています。

絶対音感を大人になってから身につけるのは困難、

と言われています。
でもこれには疑問があって、
例えば、プロ現場、、音楽の仕事をすでに始めてしまった場合、
どちらかというと、ボーカリストの転調の要望にすぐさま応えるとか、そういう必要性こそあれど、絶対音感が必要な場面って少ないから、だから鍛えられる機会が無いからなのでは、と思うんです。

例えば光の強さ、色彩などを数字で正確に答えられる人は少ないかと思います。人の体温を手でおでこを触っただけで正確に当てられる人も少ないかと思います。ただ、経験を積めば能力がどんどん研ぎ澄まされると思います。それと同じことな気がします。

絶対音感、仕事の現場ではそんなに役に立たない?

いや、そんなことないんです。楽器無しで、いつでもすぐ耳コピーして譜面を作れるという利点があります。これができるとバンマス業は楽になります。

というわけで、相対音感だけ、の方は、鍛えてないだけ、という気がしています。僕は大人になってからでも、絶対音感は身につけられる派です。研ぎ澄ます機会が無いだけなのかな、という気がしています。

異論があるお友達もいるかも、なので、僕と是非数回レッスンしましょう。

「私は絶対音感だから、曲のキーが変わると気持ち悪い、、」

という意見は主にクラシック経験者から聞こえてきます。
それだけ、絶対音感が強くインストールされているということだと思います。
しかし、上の意見が本当であれば、キーという概念を捉えられていないという話になります。

ちょっと想像してみてもらいたいです。そういう人は往々に、ドはドでしかないんだよな、って言います。
例えばキーがAflat Majorなど、ベートーベンの悲愴とかどうでしょうか、、
ドの音はキーの上では3度になりますが、これをあくまでドとしか捉えずに、どこまで音楽を聴き続けられるでしょうか?
普通の人にはメロディーから、自然にそれのルート音や3度などが感じられると思います。
でもドはドの人はどこまでいっても、例えば根音のAflatの音をドから4半音下がった音としてしか聞き取れないのでしょうか?そんなことないですよね?
その曲の調性が聞こえていると思います。
そこから調性が聞こえること、それは、既に感覚として、相対的にメロディーの形状を捉えている、ということです=相対音感で感じている。

もし本当に、キーという概念が聴感上全く感じず、あくまでそれぞれが音名、周波数としてしか聞こえていないとすると、あくまでコンピューターのセンサーのように。
これでは音楽のシステムのとても大事な部分が欠落しているということだと思うのですが、、
でも僕が思うに、今までそういう人には会ったことがないです。

ただ、この場合、自分で楽器を弾かれる方がほとんどだと思いますが、
その楽器を弾くという部分を一旦忘れてみてください。

純粋に聴いて楽しむ際に、自然とその音楽のどれがドで、どの和音がトニックなのか、など、キーを把握してそこまで感じ取れていることと思います。
ただ、それと楽器を弾く部分は別問題です。
楽器を相対音感的に弾く、という、新しい脳のトレーニングが必要なだけです。
それをやっていないだけだと思います。

すべてのキーの音階をさらう、半音を交えたフレージング、転調などのプロセスも、それが移調された場合もそのま平行移動して、違和感がなくなるまで体に叩き込む。それだけな気がしています。

もちろん、ハ長調以外でも、ドレミと歌えるようになる、というのも良いトレーニングになると思います。
(僕は個人的には理解して、自分の楽器を絶対音ではなく、キーや和音の機能を把握して演奏できていれば、それでいいんではと思っています。階名で歌うのはそもそもこっぱずかしくて好きじゃないです笑)。

というわけで、絶対音感、相対音感はそれぞれの人でどちらか、ではないよ、という話でした。

この二つの、両極の概念としての長い戦い(笑)が終わりますように。
どちらかしかない人はもう片方も身につけるべく、色々トライするのはきっと楽しいことだと思います!

以下、2/13に追加しました。

絶対音感相対音感の話、反響ありがとうございます。
色々な方からレスやご意見いただき、僕も頷くことも多く、さらに気づくことも多く、これはもう少し掘り下げて考えていかなければね!と思っています。

いただいた意見としては、

それぞれのキーには色彩感があって、これを大事にしたいという考え。
これはもちろん僕も持っています。

持っているんですが、どうも自分の中の音楽理論とマッチングが悪いため、もう少し他の要因が有るのではないかと考えています。

12音のシステム上移調してどこでも同じものが再現できるという問題、もし、キーによる印象というのがあれば、12音のシステム自体がやや危ういものになってしまいます。

あくまで僕自身の体験なのですが、いくつか。。

高校生の頃、ギターでハードロックばかり弾いていました。その界隈ではギターは半音下げチューニングというのが良くあるのですが、つまりEのコードを弾いてもEflatになります。
それなのに、半音下がっているという感覚はそれほど無く、気分としてはEのまま弾けているという現象があります。

あと、

僕はキーボードでトランスポーズをかける時があります。
僕も絶対音感持っているので、最初、気持ち悪いんです。
でも少し経つとスッとなじんで弾けるようになる瞬間があります。
リハーサルが進んでくると、もう違和感無く弾いています。トレーニングするとそのゾーンにいつでも入れるようになります。

キーがBとかで、イントロはシンセのメロディで絶対にミスタッチが許されない、みたいなことがありますよね。その際に上の鍵盤だけCで弾けるように半音下げるわけです。
この、右手と左手で違うキーになっていても、これがまた意外と慣れるんですよ、人間ってそのくらいの事は出来る様になってるんです。

次は失敗談です笑。

キーがF#で、ギタリストが半音下げでGで弾いているわけです。ギターソロ間奏終わりまして、落としサビ、ピアノは休みでした。
その8小節間にギタリストの指板を何となく見てたわけです。あーギター良いプレイしてるなぁ、みたいな気持ちで。

その後バンド全員入るわけですが、僕は指板を見ていたせいで、この曲がF#だということが意識から消え、完全にGのキーだと上書きされてしまい笑、バンドが入る時に間違ってしまったことがあります。

上のようなことから、、
感じていた筈のキー由来の印象といった部分が危うい感じがしてきませんか。まぁここまではあくまで僕の感じてきたことの話ですので、共感を頂けるかは分かりませんが。。

ここから他の方から聞いた話を少し紹介します。

僕の知り合いの有名ミュージシャンで、
相対音感しかない。だけどサックスを構えると音を当てられる!という人がいます。
音出して確認するわけではないんですよ!
もっと言うと構えるフリをするだけで絶対音のセンサーがオンになるらしいです。

ギタリストさんとかで、相対音感しかないけど、ギターの音(ベースでもいいけど)だけは全て聞き取れる、指板が見える、という人がいると思います。

自分のやってきた楽器以外では音程が取りにくい、というまさに僕の思い通りの話も複数聞けました。僕は歌うのが苦手なのですが、特に歌の音程は分からない時があります笑。

というわけで、僕の中の今のところの意見としては、

聴こえてくる音の印象に、自分が演奏している、演奏できる楽器とのフィジカルな経験が
聴覚から入ってくるものへの印象に、影響を深く与えている可能性が高いと想像しています。

絶対音感の音程検知には、
何かそれ以外のファクターがあって、そのファクターは音程の検知を助けてくれる場合があるし、
検知後(つまり絶対音感、の外側の部分です)の認識に影響を及ぼすこともある。

音の表情からフィンガリングなどが見えて、などという、音程とは違うファクターから絶対音感のような機能を獲得する経験は、きっと多くの人があるんじゃないかな??

と思います。

そしてやはりお勧めしたいこととしては、

是非絶対音感を身につけよう

遅くないです!
絶対音感向けの楽器をある程度習得したら身に付きます、ピアノとか。きっと!

相対音感とは調性、キーのシステムのこと

私は絶対音感だから相対音感では捉えられない。。。
って言う人は、それでも無意識に相対的に耳で音楽を聴いているはずです。
あとは音程やハーモニーの機能を感じながら演奏する、システムを、意識するだけのことです。

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