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コロナ禍無政府状態に終止符を打ち、国民の生命・生活を守る政権交代へ向けた緊急提言

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。政府は6都府県の緊急事態宣言を5月31日まで延長したが、イギリス変異株に次ぎインド変異株の拡散が懸念されるなか、国民の多くは“コロナ慣れ”、“コロナ疲れ”し、人出、人の流れが止まらない。

 もはや、コロナ禍については無政府状態といっても過言でない危機的状況にある。このままでは、すでに医療崩壊状態にある大阪府の状況が全国へ広がり、やがてインドやブラジルの悪夢が対岸の火事ではなくなる日がくるかもしれない。

「菅政権」には一刻も早く退陣してもらい、まともな政権がコロナに立ち向かってほしいところだが、現実的にはそれは、秋に予想される総選挙まで待つしかないだろう。

 逆にいえば、宣言延長で夏までの解散総選挙の可能性が遠のいた今(「東京五輪中止決定」による7月都議選とのダブル選挙の線が消えたわけではないが)、これから最長半年の間に、野党による政権交代をより確実なものにしていく必要がある。

単なる選挙共闘でなくコロナに的を絞った政権構想を

 安倍政権下での国政選挙で野党共闘が一定の成果を収めてきたことは事実だが、次の総選挙で政権交代をしっかりと現実のものにするためには、単なる選挙共闘では覚束ない。

 上述したように、日本は今、コロナ禍で無能・無為無策な政府の下、国民の生命と生活が日々危険にさらされ続けている。この非常事態に終止符を打つためには、当面するコロナ対策(感染症の終息と国民経済の再建)1本に絞った「臨時救国内閣」的政権構想が求められる。

 具体的に、大きな括りとして、思いつくまま列挙すれば、

①新型コロナウイルス感染症の出口戦略
・全国民対象のワクチン接種の速やかな実施完了
・イベルメクチンを含む治療薬の特例承認や医療現場への治療薬の積極的導入によるコロナ患者の重症化リスクの軽減
・PCR検査をいつでも、どこでも、だれでも受けられるようにするとともに、変異株ゲノム解析の強化徹底
・感染力の強い変異株に対して早め早めの対策をとり、全国規模を含む緊急事態宣言の発出をためらわずに行い、昨年の第1次緊急事態宣言並みの実効性を持たせる。
・リモートワーク、リモート授業の積極的推進
・変異株に対応した国産ワクチンと治療薬の開発への財政的支援、等々
②コロナ不況対策
・十分な補償を伴った強力な休業要請
・医療体制強化のための強力な物的・人的支援
・コロナ終息宣言まで期間を限定した消費税0~5%への引き下げ
・コロナ終息宣言まで全国民を対象に毎月10万円の給付
・失業者への住居・食料提供等、手厚い保護
・GoToキャンペーンのコロナ終息宣言までの凍結と医療支援予算との組み替え、等々

 例えば以上のような政策に大枠で合意できれば、政権樹立のための政策協定はこれ以上必要ないのではないか? もちろん、ポストコロナを見据えて、その他の政策でも合意できる点があればベストだが、「臨時救国内閣」である点を忘れて小異で争うようなことがあってはならない。

「共産党排除」の排除を

 野党共闘に「共産党とは政治理念が異なる」として政権からの排除を持ち込む勢力があるが、これは一般論としてもナンセンスであり、ましてやコロナ禍から国民を救うための政府にこうしたイデオロギーの持ち込みは厳に慎むべきだ。

 こうした反共イデオロギーはすでに時代遅れであり、今や国民の間にもかつてのような “共産党アレルギー”は存在しないだろう。また、単純に連合(特に内部の右派単産)の組織票と共産党の組織票を天秤にかけても、どちらに利があるかは一目瞭然だろう。このことを、野党第一党である立憲民主党は肝に銘じるべきだ。

独自世論調査で候補者調整を

 候補者はすべての比例代表区で1本化しなければならない。そのために、全国・全選挙区で独自の世論調査を実施し、それに基づいて、

①各党の支持率に比例した候補者調整
②比例区で1本化していない選挙区では、いちばん支持率の高い候補者に1本化
①、②を総合的に判断して、できるだけ公平な候補者の擁立をめざす。

「枝野首相」のもと主要閣僚名簿の発表を

 政権構想とともに、政権の“顔”をしっかりと国民に提示する必要がある。

 首相は野党第一党党首である枝野幸男以外に考えられないだろう。

 その他、官房長官をはじめ、外務、文科、経産、防衛等、主要閣僚メンバーを公表すれば、より効果的だろう。

 私的には、政権に参画する各党首以外に、蓮舫、辻元清美、小池晃、田村智子各氏等が名を連ねることを期待する。

コロナとともに“悪夢の10年”を断ち切れ

 “失われた20年”を経て、3・11以来、日本は“悪夢の10年”を経験してきた。今、この悪夢を断ち切らなければ、この国に明るい未来は永遠に訪れないのではないかと思われるほど、今の日本は絶望的な状況にある。

 当面、この真っ暗な闇に唯一希望を見出すことのできる何かがあるとすれば、次の総選挙での政権交代以外に、私には考えられない。そして、コロナ禍と政府の無能に対する国民のストレスが高まっている今、政権交代は決して夢ではない。

 短命に終わった10年前の民主党政権をしっかり総括し、待ち望まれる新政権には、コロナ終息と国民経済の再建を短期間で実現し、“コロナ後復興”の重責もぜひとも担ってほしいものだ。

 野党各党の本気度が今ほど試されているときはない。

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