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君のことばに救われた

私が救われた言葉は高校からの友人が教えてくれたものだった。結婚して何年目のことだろうか。4、5年だろう。

小中学校の同級生で、それはそれは大好きな人と一緒になれた。子どもも授かり、隣から見れば、幸せの真っ只中にいるようなものだった。

だけど、私は人生で最高の孤独を感じて生きていた。耐えがたい孤独を感じていたし、いつも何かに怒っていた。


主人の帰りが遅いことに怒っていた。仕事で、毎日のように午前様になることに怒っていた。

主人の休みがないことに怒っていた。3ヶ月、休みがなかったこともある。

慣れない土地で知り合いもなく、子どもと一日中2人きりなのに、疲れていた。

あの頃はワンオペ育児という言葉もなくて、みんなそれで苦しんでいるとは知らなかった。きっと他のお母さんは、いつも優しく、楽しく過ごしているのだと思っていた。だから、それが出来ない自分も責めていたし、育児に参加する時間すら取れないでいる、取らないでいる主人に対して、怒っていた。


友だちと会っても愚痴ばかり、相手の愚痴を聞いては安心していた。


結婚して1ヶ月の私の誕生日を忘れて、泊まりの仕事を入れていた。

後にも先にもあんな孤独でツライ自分の誕生日はなかったと思う。父母からのおめでとうの電話にさみしくて泣いた。


すぐに、えーーーその日、私の誕生日なんですけどーーーと言えたらまだ良かっただろう。でも、今では考えられないけど、言えなかったのだ。

ただ、一人でふてくされて、相手は何のことだかわからず、嫁の機嫌が悪いだけだった。


そんなことが何度も重なり、怒りすぎて、ふてくされすぎて、とうとう旦那さんとも心が通わなくなった。


あんなに好きだと思っていたのに、


心が凍った。心って凍るんだ、初めて知った。



友人に会った日も、久しぶりにカラオケで発散したかったんだ。愚痴を言い合おうと思っていたんだ。


最近、どう?喧嘩してる?の問いに友だちは


最近は喧嘩してないんだよねー。

と度肝を抜く回答だった。


何、なに、なんでーーー?


あまりの衝撃に前後のことはすっかり飛んでいるが、聞きたい言葉はキャッチできた。


怒りって、1番表現しやすい感情なんだって。(喜怒哀楽のことかな?)


だから、難しい悲しいや寂しいとかの感情を上手く、表現出来ないから、怒りっていう1番簡単な表現になってしまうらしいよ。


なんだってーーーーー!!!


私はカラオケで発散して、解散した後、自分の怒りについて考えてみた。


①旦那さんの帰りが遅い。

👉早く帰ってきて、一緒に子どもと遊びたい。一緒に笑いたい。話したい。

それが叶わなくて、悲しい。


②旦那さんの休みがない。

👉子どもと3人でお出かけしたい。楽しみたい。笑いたい。

それが叶わなくて、悲しい、寂しい。


③誕生日を忘れられる。

👉結婚して初めての誕生日を2人でお祝いしたかった。

それが叶わなくて、悲しい。1人で過ごして、寂しい。


私の怒りは全て、悲しい、寂しいに通じていた。それもこれも、全ては旦那さんと一緒にいたいという欲求からだった。


それに気づいた瞬間ものすごい涙が溢れた。車の中でワンワン泣いた。

そっか、そっか私、寂しかったねー。心が解けていくのがわかった。こんなにも旦那さんのこと、大好きだったんだよねー。それなのに、寂しかった、悲しかったに蓋をしてさ、全部怒りに変えていたんだね。

だから、私が救われた言葉はこれだ!


怒りって1番表現しやすい感情なんだってよ。



あの時、これに気づけて本当に良かったと思う。友だちから、本当に大切なことを教えて貰えて、良かった。それ以来、怒りが出た時は、この確認をしている。別に怒りを止めろとは言ってない。怒りが出ちゃった後でも、その裏にはどんな感情が隠れているのか。自分の心に耳を傾ける。


だから、結婚して13年、いまだ旦那さんが大好きだ。


私と同じようなことで苦しんでいる人がもしかしたら、いるかもしれない。

私のように勘違いで、勝手に心を凍らせないでほしい。本当は大好きなのに。怒りに変えて忘れないでほしい。

もともとあった、やわらかくて、あたたかな気持ち。ぐっと握り締めちゃったら、もったいないものね。

サポートして頂いたら、それはそれは、心が踊ってものすごいエネルギーが出ちゃいます。母の機嫌の良さは、家族に還元されるでしょう。ありがとうございます。