Sidewalk Rebel:ギャングスタ・ガーデナー、ロン・フィンリー、独立記念日に物申す
今日、インスピレーションを感じたロン・フィンリーさんのポエトリーを、忘備録に、意訳しておこうと思い立った。
まずは、以前インタビューした会話を元に、ロン・フィンリーさんの紹介から。
LA在住でファッション・デザイナーをしているロン・フィンリーは、彼が住むサウスセントラル(現在の名前はサウス・LA。LA暴動の後、イメージチェンジの為に市が改名)には、新鮮な果物や野菜が買える食糧品店が近所にない、だから何キロも車で運転して別の街に行かなければ、新鮮なりんごを買うこともできない、と言う。
そんな現状に辟易して、10~15前くらいに、自宅の前にあるサイドウォーク(芝生や木が生えている歩道)を畑にして、バナナやミント、マンゴ、サツマイモなどなど、いろんな野菜や植物を植え始めた。自分で食べるだけでなく、近所の人たちや、今日の食事もままらない親子などにシェアもしていた。
しかしそんな彼の行為に目を付けたLA市は、彼にそんな使い方はけしからんとロンに警告を出す。「自分でメンテする義務があるのに、自由に使えないとは何事だ?!」と、ロンは仲間と立ち上がって、市を相手取って闘うと、あまりの反響に、市は手のひらを返したようにロンに、「素晴らしいことをしていますね!」と、サイドウォークを畑にすることに許可を出したばかりか、市民に推奨までしたと言う。
それから自らを「ギャングスタ・ガーデナー」と呼ぶ彼は、#PlantSomeShit (「なんでもいいから植えろや」的な彼のこのタグはガーデナーの間では有名)と主張し、ガーデニングを広く進める教育活動をしてきた。
そんな彼との出会いは、このTEDトークから。あまりにも感動して、速攻でTEDトークのボランティア翻訳者に登録したものの、わたしはテクノロジー音痴すぎてサイトの仕組みがまったく分からず(汗)、気が付いたら別の方が翻訳されていた。
以前わたしは、政治的なデモに行きまくっていた。そしてオバマ政権時代に、彼がモンサント保護法を通過したことに怒り心頭だった私は、結果になかなか繋がらないデモに行くエネルギーを、彼や国への反抗行為として、自分で畑を持って、自分で無農薬野菜を育てる方向にシフトしようと決めた頃にそんなロンのビデオを観たもんだから、ビデオの翻訳の代わりに、彼に直接インタビューすることに。
ちょっと前置きが長くなってしまったけれど・・・今日、意訳しておきたかったロンのこのポエトリーを(一部聴きとれない部分はスキップしています)。昨日7月4日は独立記念日で、アメリカがイギリスからの独立をお祝いする日。その日に物申す、ギャングスタ・ガーデナー、ロン・フィンリー。
アメリカ国歌『星条旗』等の歌詞の替え歌というか、インスピレーションを受けた詩。アメリカの歴史を振り返った時に、独立記念日を祝いたい気分にはなれない市民も少なからずいるのだ。
そんなロンさんがアップしていたポエトリー。インスタグラムにアカウントにログインする必要があります。
※1 レッドライン:金融機関が低所得階層の黒人が居住する地域を、融資リスクが高いとして赤線で囲み、融資対象から除外するなどして差別したとされる問題
※2 賞品:おそらく、黒人が奴隷が解放された時に政府が彼らに約束した40エイカーの土地と1匹のロバ(決して与えられることはなかった)か、それがリプレゼントする代償
※3 あんたは食事の席卓に~載ってるのさ:「もう、のうのうとテープル着いて食事をオーダーする立場じゃないぜ、俺たちと立場は逆転するんだ、これからは俺たちの番だ」くらいなニュアンスか?
今日夕方散歩をしていたら、ある白人女性が、ある家の前の低い塀のようなところで、可愛い犬と一緒に座っていた。動物にめっちゃ弱いわたしは、「かわいいね、かわいいね」とわんちゃんを撫でていたら、「わたしの嘆願書に署名してくれない?」と彼女。
聞けば、彼女の家の横のサイドウォークに大きな岩がオブジェクトのように置いてあるのだが、「危険だから」と市に罰金を科せられたと言う。別に人が普通に歩いていたり、車が普通に運転していて危険を与えるような岩ではない。投票権のないわたしでもいいと言うので、署名してきた。そこへきて、ロンさんのサイドウォークつながり、ということで。
日本の投票権より、やっぱりアメリカの投票権が必要なんだよな、と実感する瞬間。
そして10年以上前にロンさんに分けてもらったミントの株は、今も元気に育っている。
https://www.masterclass.com/classes/ron-finley-teaches-gardening
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