見出し画像

PARIMA Tokyo Conference 開催

去る10/19(木)に赤坂インターシティカンファレンスにて、2018年以来のPARIMA Tokyo Conferenceが開催されました!

PARIMAについてはこれまでもnoteを書いていますが、シンガポール発のアジアパシフィックエリアの被保険者団体であり、保険会社やブローカー、鑑定会社やアシスタンス会社など、保険関連業界のみなさまのスポンサーにより成り立つ組織です。

毎年アジア各地でカンファレンスが行われますが、前回はコロナ前の2018年に開催して以来の東京開催となりました。今回は事前エントリーが約400名、そのうち1/3がスポンサーサイド、2/3が被保険者サイドでした。双方2割くらいが海外からのビジター、当日参加はエントリの8割くらいだったのではないかと思います。

今回は東京開催で、かつPARIMA創設10周年という記念すべき年でした。類似の団体としては米国発のRIMS、欧州のFERMA、英国のAirmicなどの被保険者団体がありますが、いずれも長い歴史があります。アジアパシフィックでは長らくそのような組織がありませんでした。今回のセッションでは、立ち上げの中心となった初代ChairmanのFranckから創設には過去2回の失敗があったことが語られました。しかし、経済成長とともにPARIMAの会員数も急速に成長しており、後発ながらとても盛り上がったカンファレンスだったと思います。

各セッションの詳細はまた別途としたいと思いますが、今回のテーマは「Adapting Permacrisis」とされました。直訳すれば、永続的な危機への適応、といったところでしょうか。気候変動の影響が懸念される自然災害、サイバーリスクの深刻化やポリティカルリスクの発現など、保険に携わる人にとっては厳しいマーケット環境が一時的なハードマーケットではなく、ニューノーマルとしてこの環境下あるいはさらに悪化した状態でのリスクマネジメント、業務遂行が求められる事になります。

先進企業の取り組みとして紹介されたのは、社外専門家とのコミュニケーション、関係作りによる有事連携の強化、不可避なインシデント発生時における現場判断の迅速化とレジリエンシー強化、一極集中の回避というキーワードだったと思います。リスクマネジメントの成否が企業業績をこれまで以上に左右し、企業価値にもより影響を及ぼす、リスクマネージャーやリスクコミュニティの役割が増してくる時代であるとも言えます。

個人的には最後のセッションや会場参加の皆さまとの会話の中で「リスクマネージャーの想像力」「人を動かす力」が問われる時代だと思いました。まだ見ぬリスクを想定して先手を打った対策を進める事が重要ですが、何を進めるか、どのようにやるか、は企業の投資判断と類似の先を見通す力と実行力が問われるのだと痛感した次第です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?