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「急速な保険マーケットの変化とその対応」セミナー開催

先週木曜日にPARIMA Japanセミナー「急速な保険マーケットの変化とその対応」を開催しました。実に2019年1月以来のフル対面イベントで、参加者、スポンサー様、メディア合わせて約100名の皆さんにご参加いただきました。会場後方には立ち見の方もいらっしゃり、テーマについての関心の高さが伺えました。セミナーでは主に、企業保険マーケットの現状について、自家保有を進める為のステップ、各企業における実務実態についてパネルディスカッションを実施しました。

企業保険マーケットは被保険者にとって非常に厳しい状況が続いており、その背景として①リスクそのものの高まり(度重なる自然災害、北米賠償リスクの悪化、工場や倉庫の大型化など)、②保険会社の収益構造変化(特約再保険高騰、日系企業契約の収益性低下、海外保険事業の高収益)を背景として中長期的に厳しい状況が続き、自家保有の拡大を余儀なくされる見通しです。

自家保有を進めるにあたっては、自社の財務体力やリスクアペタイトを明確にし、経営判断を行う必要があります。自家保有は保有に伴う自己資本コスト、事故処理対応コストなど、保険料コスト減だけでは無い点に注意が必要です。保険化可能リスクの保有には単純自家保有、キャプティブ、リザルトレーティングなどいくつかの方法があり、それぞれにメリデメがあります。

どの手段を取るかは、被保険者のリスクプロファイル、グループガバナンスの在り方、ロスデータの収集など、様々な視点で自社に最適なものを選択していく必要があります。また国内元受で確保しきれないキャパシティについては、海外再保険+国内元受フロンティングが主流ですが、海外直接付保、まだ国内には認められていませんが大口契約者のExemption制度も選択肢になり得る点を議論しました。

会場からも多数質問があり、全て対応する事は出来ませんでしたが、企業の保険リスクマネジメントは被保険者企業自身が主体的に進めていく必要があること、とは言え社内ではニッチなポジションであり企業間の横連携を通じたレベルアップが不可欠である事などを確認しセミナーを締め括りました。

改めましてセミナーへご参加の皆様、ご支援くださったスポンサーの皆様、ご登壇頂いた企業の皆様へ感謝を申し上げたいと思います。

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