見出し画像

#1-2 西粟倉村から学んだ 森の学校の「働き方」

林業を軸とした地域創生のロールモデルとして話題となっている岡山県北端「西粟倉村(にしあわくらそん)」
村面積の95%を占める森林資源をブランド化し、過疎化が進んでいた村を蘇らせた「西粟倉・森の学校」へ、その「働き方」に注目して話を伺ってきました。

▲ ご案内いただいた流通部長の西岡さん

 

⚫︎ 女性のための徹底的な環境づくり

西岡さん「少し変わってるというか面白い働き方で言うと、例えば『いちごの事業部』と『木材の事業部』で人を分けていません。
社員はみんなそれぞれのものづくりを行き来しながら仕事を行うんです。
まあ、うちは女性が多いので、みんないちご(の事業部)に行きたがりますけど…」

「たしかに、いちごは人気が高そうですね、森の学校の工場は女性の割合が約6割と、工場にしては女性の割合が高いですよね。」

西岡さん「それにも理由があります。村の人口が少なく、働きに出て行ける分母が限られているためです。
地域の資源として残っている労働力ってどこにあるんだろうと考えた時に、『働ける元気はあるけどその環境が無い』という所に『小さなお子さんを持つお母さん』方が居たんです。
なのでその方に合わせて工場を作ることにしました。」

例えば、木材の加工場といえば男性がチェーンソーを振るっているイメージが湧きますが、ここでは刃物が見える機械はゼロ。
木材のカットも、自分に刃物が向かっていかない機械を独自で開発しているそうです。

西岡さん「労働時間も、保育園の時間までの就業とか、短いんです。それでも女性スタッフが働きやすい環境づくりを徹底的に整備することで、結果的に効率もぐんと良くなりました。村の女性たちに雇用が生まれるのも良かったです。」

▲ 清潔で明るく整えられた加工場

 

⚫︎ 営業はしない。 動機で買い手と「繋がる」売り方を

西岡さん「究極な話、『販売』や『製造』という組み分けすらも要らないんじゃないかと思っていて。『ものづくり』というひとつのチームの中で皆んなが担えると良いんじゃないかというのを最近より感じているんです。

例えば、うちには既に『営業』という形が無いです。
特に木材は斜陽産業(需要が傾向的に減少している産業のこと)なので、大量生産の工場と当たり前に戦わなくてはいけない。
従来の営業のスタイルだと『安く、安く』と下を潜らないといけない勝負になってしまいます。
そんな中僕らは、製品の背景を情報発信しながら、それが伝わる施主さんや設計士さんに『お客さんにここの物を届けたいから採用したい』という動機で繋がってもらいます。
もちろん大きすぎる乖離があってはいけないですけどね、でもそうすれば価格競争とは全く違う土俵で売っていける。
なので『従来の形での営業』は置いていないんです。」

「理想的な物の売り方ですね。」
 

⚫︎ 「掛け合わせ」で考える会社と社員の関係性

西岡さん「僕いつも言うんですけど、従業員と会社は常に平等で。その価値は『掛け合わせ』によって生まれると思っているんです。
僕は12年間この会社で働いていますが『僕と森の学校で=生まれる最大の価値とは』なんだろうとずっと考えているんです。
やりたいアイディアが常に5つも6つも頭に浮かんでる状態で。
事業も個人も、そうやって仕事をしていけたらいいと思っています。」

「頭の中にぶら下がっているアイディアをよかったらひとつ、教えてもらえませんか?」

西岡さん「森の学校という社名を掲げて10数年が経った今、『森の学校』を改めて『学校』に、『教育』にしていけたらと考えています。
子供のための習い事に『林業と木材について』があったらいいのにといつも思うんです。体験をキーワードに、生物とか自然というカテゴリでメニューを作りたいですね。」

▲ このスケールで自然を学べたら、どんなに楽しいだろう!


⚫︎ 言われたことをやるだけの業務よりも「自分達で走っていける仕組みづくり」を大切にする

「民間が主となってやっていくために、メディアへの情報発信がとても大事になると思うのですが
森の学校さんはアウトプットされる物のクオリティがとても高いですよね。」

西岡さん「常々『伝える』と『伝わる』は違うんだなと感じます。こちらから10を発信したと思っても届くのは1や2という事も多くて。
だから基本的には自分たちの思いが向く方向にやっていくようにしていて。
『課題ありきで人を採っても上手くはいかない』とよく感じます。それで、『人ありきでやっていく事業』の方が進んでいくんですよね。
やっぱり無理な場所に人を充てがっても出来なくて。
褒めて頂いたパンフレットも、ちょうどデザインの出来る人材と課題が上手くマッチした例なんです。」

「先ほどの『掛け合わせ』の考え方と同じですね!
そういう関わりをひとつひとつクリアして村民に還元していくことで地方創生って成っていくんだなと改めて感じました。」


▲ 工場で働く作業員が少しでも楽しく作業できるように付けたイラスト。
自然から森の学校を通して製品化されていく過程が描かれています。
「このイラストは総務の○○さん、こっちはそこで作業している○○さん」と、みんなモデルが居ます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?