#2-2 「れもんだにのうえん」が大切にする農家の在り方
広島県しまなみ街道の中央に位置する『生口島(いくちじま)』は国産レモン発祥の地。
ここで40年間無農薬・肥料不使用の自然農法でレモンを栽培している『れもんだにのうえん』さんへお話を伺ってきました。
前編|98円のアメリカ産レモンとの違いってなんだろうという所から、
リスクやコストよりも満足してもらうことに価値を置いている精神など、実際に収穫体験させてもらい色や形、香りまで五感フルで勉強させてもらいました。
⚫︎ 自立した判断が出来るように「農園」と「店舗」で対話の場を持つ
永井さん「これはレモンの葉っぱです。虫に食われてるところもありますけど、それが愛くるしいとも感じます。
揉むとぐっと香りが立つので、地元のお茶屋さんとレモン茶を作ってみたり、東京のシェフから注文が入って料理の香り付けに使ってもらったりと、葉っぱにも意味というか、使いようがたくさんあることを知りました。
農薬を使わないから食材と一緒に好きなように使ってもらえるんです。
果肉だけじゃなくて、葉もロスゼロになったら面白いなと思いますね。」
私「レモンの新しい使い方や可能性を探して、取引先やお客さんと会話を欠かさないこと、出来るようで簡単じゃないと思うので、花屋の私にも勉強になります。」
永井さん「僕は平日は農家をやって、週末になると『Remon.lab』という柑橘とグッズを販売するお店を共同経営でやっています。
365日働いていて休みは無いけど、店舗でお客さんと話すことでリフレッシュ出来たり、それがあるので自分自身も無理なく走っていけます。」
私「農家さんって、市場を介して市場の要望を聞くというのが多いと思うので、お客さんから直接フィードバックを貰える場をご自身で持っているのは貴重ですね。」
永井さん「まさにそうですね。花農家さんだけでなく柑橘農家も同じことが言えます。
国産レモンが売れなくなった時期、この島のレモンの木も大量に切られ無くなったことがありました。
数年後、国産レモンがブランドとして需要が高まってくると、今度は安政柑(安政時代からある古来種の柑橘)をどんどん切って、レモンに植え替えようという動きになりました。
市場依存で作るものを決めているとどうしても、市場に対して売れるか売れないかで振り回されてしまうことが多い。」
私「そうしたら今度は逆に安静柑がレアになって、みんな植えだすんじゃ…」
永井さん「そうですね。それに気付いてから植えても、柑橘は収穫が5〜6年先になってしまうので、遅いですよね。後手に回ってしまう。
だからなるべく自立した判断ができるように、自分達でお客さんを持っていて、それを捌いていけるというのは大事にしています。」
⚫︎ レシピ「永井さんのレモンパスタ」
永井さんがおすすめするレモンの食べ方として、果汁を使わないレモンパスタのレシピを教えていただきました。
れもんだにのうえんさんのレモンが手に入らない場合は国産の、農薬を使っていないレモンを使います。
(1) たっぷりのお湯を沸騰させ湯量の0.5%の塩を加えてパスタを投入します。(お好みのパスタで、茹で時間もパスタに従ってください)
(2) 茹で上がったパスタにオリーブオイルを回しかけ
(3) チーズとレモンの皮とブラックペッパーを削り出来上がり
※ お皿を予めお湯などで温め、温かいうちにお召し上がりください。
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