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変な書き出しですが、最近、とても大切な関係の方がいます。
その方は、僧侶である私との将来のことを真正面から考えてくれて、その将来に無理がないか、色々と率直な問いを投げかけてきてくれて、私もその問いに多少ドキドキしつつ、答えました。何というか、非常に大事な内容だったので、書き留めたいと思います。

色んな問いがあったのですが、

  • 将来子どもができたら、僧侶にしたいか?お寺を継がせたいか?

  • もし子どもが継がないと言ったらどうするのか?

  • 子どもがいない場合、例えば養子でもいいのか?

こんな問いがありました。

何というか、本人も話しづらかったそうですが、勇気を出して切り出してくれました。
そりゃ私も話しづらい。なので有り難いなあと感謝の気持ちが湧いてきました。

子どもができたら僧侶にしたいか、お寺を継がせたいか。一言では答えられない質問です。
僧侶が妻帯して子どもを僧侶にする世襲制みたいなことをしているからそんな問題が出てくるんですけどね。まあ現実論として、世襲制はお寺の維持として有効だとも思います。

でも、私が親になったとして、決して「僧侶になれ!」とか「お寺を継げ!」なんて押し付けはしません。

理由は、僧侶・お寺は、甘くないからです。
よほどの大寺は別かもしれませんが、普通は、やる気もないのに嫌々やって、やっていけるほど僧侶・お寺は甘くありません。
反対に、やる気さえあれば、僧侶・お寺は様々な活動をして、様々な方に関わっていける可能性を持っている。
このやる気を、「発心(ほっしん)」と言ったりもしますが、この発心があるかどうかが、僧侶・お寺が上手くまわる条件であり、私が大切にしたいポイントです。
そして、発心は他から強制されてできるものではありません。

だから、私が親になったときに、子どもに強く「僧侶になれ!」とか「寺を継げ!」と言うことはないと思います。

子どもが継げないなら、自分がやれるだけやって、他の僧侶の方にお願いするか、それこそ養子という選択もあるのだと思います。

もちろん、僧侶になってお寺を継いでくれたら嬉しいので、「こういう道も選べるんだよ!」と分かってもらうための「背中」は見せようと思います。

こんな話をして、なんだか非常に学びの多い時間を過ごしました。

皆さんなら、どう考えますか?

森下 恵王 合掌
―――――――
身延山宮崎別院 立正寺 副住職
宮崎県宮崎市末広1-6-1
℡0985-27-1121

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