『日本一』 篠宮 健吾
こんにちは!短距離ブロック長の篠宮健吾です。
幹部ブログ2周目のトップバッターを田島くんからご指名いただきました。大変光栄です。
前置きとして、最近の僕はと言いますと、週に4-5回ぶっ倒れる生活を送っています。
というのも、あくまで個人的な感覚ですが、今年はこれまで僕が味わってきた冬季練習で最も過酷です。週2回のuphillでぶっ倒れ、週2回のテンポ走でもゴール付近でぶっ倒れ、日によっては週2回のweightでも頭がくらくらします。去年の冬季はぶっ倒れることはそれほどなかったのに、今年は出力の設定が上がったからか、段違いで倒れる頻度が多いです。
これも自分の足の遅さ故ですが、今年のさらなる飛躍のためにこれからも倒れ続けます。僕をはじめ、坂の頂上で寝転んで苦しそうな短距離部員を見つけたら、温かい目で見守っていただけたら幸いです。
さて、幹部ブログ2周目のテーマは「2023年最高の(もしくは最低の)試合」です。去年のシーズンのことを語れば長くなりますが、飛躍できた1年だったと思っています。
その中でも、僕にとって最高の試合は10月7日、8日に行われた日本選手権リレーです。
結果としては、予選は廣木-三輪-篠宮-中島で39”44のトップ通過、翌日の決勝では廣木-三輪-篠宮-豊田にオーダーを変更して38”96の塾記録で優勝しました。
四継チームとして優勝して日本一になることを目標にしていましたし、個人的にも日本インカレに出場できなかった悔しさを晴らして塾記録を出すことを目標にしていたので、その両方を達成できてとにかく嬉しかったのと、とてつもない達成感を感じたのを覚えています。個人種目とは違い、その嬉しさや達成感をみんなで共有して分かち合えたことも良い思い出です。試合後も、色んな方に「おめでとう」と声をかけていただいてとにかくすごく嬉しかったです。
ということで、ここからは「日本一になれた3つのポイント」について書いてみようと思います。これから日本一を目指す方には必見???の内容かもしれませんので、ぜひ最後までお付き合いください!
① 準備
準備は大切だ、なんてことは百も承知だと思いますが、120%の準備をすることの重要性は日本選手権リレーで身に染みて感じました。
他大学のことは分かりませんが、慶應の四継チームの特徴として、サブも含めた全員でバトン練習をすることが挙げられると思います。
一見簡単なことのように思えますが、出走する4人に入れず悔しい思いをしているサブのメンバーにとって、バトン練習に参加することは意外に難しいことです。サブに限らずみんなで練習の準備や動画撮影をしながらバトン練習を回していく。サブのメンバーは出のタイミングを合わせるために走ったり、脚が不安な選手の怪我や予選決勝でのメンバーチェンジなどに備えて可能性のある走順でバトン練習をしたりする。普段の練習では当たり前と思っている準備も、振り返ってみると優勝に必要な要素だったと感じます。
日本選手権リレーはこれまで組んだことのない初めての走順で臨みました。
廣木さんは1年ぶりの1走、僕自身も大学では初めての3走でした。さらに、予選と決勝で4走を入れ替えるという戦略。試合で一度も受け渡ししたことのない区間が多く、バトンパスの精度に多少の不安があったことも事実です(少なくとも僕は不安でした笑)。加えて直前の日本インカレとは異なる走順、慶同戦・ヨギボーチャレンジと連戦が続きバトン練習の機会もなかなか取れないという難しい条件が重なり合う中でした。
しかし、それまで積み上げてきた準備が裏付けてくれる個々の感覚のもと、理想のバトンパスのイメージを共有し、各々が意識すべきことを理解できていたことが危なげないバトンパスを生み、結果として優勝に繋がったと思います。僕自身、初めて組む豊田にも「思いっきり走り出して声が聞こえたら手を出すだけでいいよ」と自信を持って言えていました。
日本選手権リレー以外でも、昨年は関東インカレも日本インカレも当初の想定とは異なるメンバーでの出走でした。決してどちらも満足いく結果ではありませんでしたが、バトンパスで大きく目立つミスを抑えられたことは日頃の準備の賜物と言えるでしょう。
うまくいかない試合がありながらも、何気ない準備の積み重ねが1年間どのレースに向けてもできていたことが、最後の最後に日本一という最高の結果に結びついたのだと思います。
② 成功体験
日本一の背景には、それまでにチームとして”それなりの”成功体験を得られていたことも影響していると思います。
というのも昨年の関東インカレでは、決勝でDQ(失格)でした。
失格せずゴールすれば入賞して点を取れたのに、それすらもできなかった。
「やっと決勝には行けたけど、結局バトンミスか、、、」とマイナスな気持ちを皆が持ってしまった部分も少なからずあったと思います。
そんな負のマインドを断ち切れたのが7月のトワイライトでした。
関東インカレのメンバーに力のある1年生を加えて初めてのメンバーで臨み、結果的にバトンは繋がり、コンディション的にはまずまずのタイムでゴールできました。関東インカレの悪い流れを払拭して新たなメンバーでもしっかりバトンを繋ぎきれたということがチームとしての1つの成功体験となって、その後の日本インカレや日本選手権リレーに向けた安心感につながった部分はあったと思います。
日本インカレでも、「更新できる」と高野さんから言われ続けていた塾記録を本当に更新して決勝に進み、決勝でも相当な緊張感(?)の中バトンを繋ぎ切って全国(ほぼ関東)の強豪たちと互角に渡り合えたことが、チームとして自信をつけた機会になったはずです。
そんな中で迎えた日本選手権リレー。
予選の前は「1着で決勝に進もう」という目標を持てるほど全員が自信を持って臨めていました。その宣言通りに全体トップタイムで決勝に進めてからは、もうイケイケどんどんです。これはもう本当に日本一になれるぞ、金のライオンメダルを取りに行くぞと。
そして結果的にはここでの準備も生きることになります。国立の室内練習場が寒いという予選での反省を生かして、翌日の決勝に向けて万全な防寒対策と攣り防止を講じました。
加えて、高野さんや大江さんの助言、加賀見さんや翼ちゃんのサポート、叶雅と林の準備とサポート、日本一のバックアップがあったことが最高の結果を生み出してくれました。この場を借りて、改めて感謝を伝えたいです。ありがとうございました。
このようなトワイライトや日本インカレでの成功体験によりつけた自信は日本選手権リレーでの優勝に大きく結びつくことになりました。
③ ライバル
1周目の僕の幹部ブログで書いたことに近しいですが、やはりチーム内の熾烈な争いはリレーで結果を残すには必要不可欠です。
この1,2年で四継を巡るチーム状況は大きく変わりました。それはエース・三輪に続く存在が次々と出てきたことです。レベルが上がればそれぞれの競争心にも火が付きます。各々の持ちタイムが上がれば、四継で目指せる場所もおのずと上がります。ここで「塾記録」や「日本一」といった言葉がチーム内で聞かれるようになりました。
2022年は100mのSB上位4人の平均が10”56だったのに対し、2023年は10”37にまで上がりました。チーム内の競争激化により個々のレベルが上がる、個々のレベルが上がれば四継チームの目標も高まる。高いレベルで切磋琢磨できる環境は自然と個々の当たり前のレベルを引き上げて練習の質や競技への意識も高めることで個々の成長へと繋がり、その集合体である四継ではさらに上の結果が望めるというわけです。
切磋琢磨しあえる存在だけでなく、あの人に勝ちたい、あの人には負けたくないという純粋な想いがチームを強くするのです。
④ さいごに
いかがでしたでしょうか。
「準備」「成功体験」「ライバル」
どの要素もリレーのみならず、個人種目にも必要な要素であるはずです。今回の僕のブログが皆さんに少しでも役立てば幸いです。
ここまで長々と日本選手権リレー、男子の四継について語ってきましたが、他にも男子マイル、女子四継、女子マイルがあります。男子四継のみならず、短距離ブロックが誇る今年の各リレーチームにご期待ください。
さて、2周目の幹部ブログは次に書く人を指名するリレー形式となります。
記念すべき?2周目の2人目は竹内優太くんです。彼は107代からそれまでの主務補佐に加え、サポートブロック長という肩書きが加わりました。少し前までの彼の中のホットワードは「人間やめてる」でしたが、最近は何なのでしょうか。情報をお持ちの方は教えていただけると幸いです。竹内くん、よろしくお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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